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ブランドの透明性を高めるための3つのステップ ロゴの表示は控えめに

ブランドの透明性を高めるための3つのステップ ロゴの表示は控えめに

サンフランシスコ発デザイン会社の公式ブログ
btrax

ブランドがどんどん透明になっていく。これは、既存のブランディングの概念から考えてみると、かなり特殊な流れだろう。

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これまでは、消費者に持って欲しいイメージを考え、それを具現化するのがブランディングプロセスにおける王道だった。

そして、ブランドイメージを確立するために、ロゴに代表されるようなビジュアル要素の作り込みと、展開が本来ブランディングの中心である。

ロゴの表示すらも控えめになってきた

しかし、情報過多社会に慣れた現代人は、情報の取捨選択がうまくなった。今後はそれらしいデザインやロゴがついているだけの商品は売れなくなる。

最近ではAppleやパタゴニア、New Balanceなどの、多くの著名ブランドがロゴの表記を控えめにし始めてきた。

これは、よりブランドの透明性を高めようとする流れの一つのアウトプット結果だと考えられる。

>>これからのブランドはどんどん透明になっていく

現代の消費者がブランドに求める透明性の高さ

なぜ消費者は透明性が高いブランドを求めるのだろうのか?その大きな理由は、現代の消費者はこれまでにないぐらいに、膨大な情報を得ているということだろう。

テレビコマーシャルに影響されてブランドの製品を購入する時代は完全に終わったと言えるだろう。一つのブランドの製品を購入する際には、ネットを通じ、その会社を積極的に調べ、共感できる場合にだけ興味を持ってもらえるようになる。

ブランドとの透明性の高さに対する消費者調査 (アメリカ)

  1. 86%の消費者が企業の透明性が以前にも増して重要になっていると感じている
  2. 85%の消費者がブランド危機の際に、その企業が透明性を保ってきた歴史があれば、その企業を支持する可能性が高いと考えている
  3. 81%の消費者がソーシャルメディアによって企業の説明責任が高まったと感じている
  4. 73%の消費者が完全な透明性が保証されている製品に対して、より高い金額を支払うと答えた
  5. 70%の消費者が購入前にブランドの活動内容を積極的に調べている

* 調査元: Sproutsocial

これは、ミレニアルやZ世代の若者の間で顕著で、彼らのマーケット規模が全体の40%を超えるアメリカでは、ブランディングにおける重要な戦略の一つになっている。

>>世界が注目するミレニアル・Z世代の最新トレンド

なぜブランドは透明性を高めるのか?

多種多様なチャンネルが氾濫している現代においては、消費者に強烈なブランドイメージを与えるのが難しくなってきている。

それにより、これまでの広告やキャンペーンを通じた、ブランド発信が中心のブランディング手法では十分ではなくなった。

ブランディングもより本質的なものに

そんな中で、より人々の心に残るブランドを目指し、多くのブランドが、自分たちが信じている世界観や、フィロソフィーを実際の活動やストーリーを通じて表現することで、透明性を高め、信頼を獲得する手法を取り始めている。

今後は、商品の価値を伝える本質的なブランディングが必要な時代になりつつある。

>>ストーリーこそがブランド価値の源泉である【日本からグローバルブランドを Part 2.】

ブランド「イメージ」→「バリュー」へ

この変化を一言で表現すると、ブランドイメージからブランドバリューへの移行だろう。これまでは雰囲気重視でそのイメージを構築していたブランディング手法が、より本物志向になってきたとも言える。

表面だけを “まやかし” で取り繕うよりも、中身を見せることで、嘘偽りのない信頼性の高いブランドとしてのポジションを得ることができる。

具体的には、ブランドが持つ “コア” にある考え方と、それに紐づく活動をより消費者に共有し、共感してもらうことで、ブランドの価値 = バリューを生み出す方向にシフトし始めている。

>>ミレニアルにはブランドネームではなく体験を売れ!ー 炭酸飲料大手企業の挑戦

ブランドの透明性と信頼性を高めるための3つのステップ

それでは、ブランドの透明性を高めるための方法を紹介する。透明性が高まれば、消費者からの信頼性も高まるので、長期的なビジネス的効果は絶大になるはず。

1. ブランド価値 (バリュー) を具現化する

ブランドの透明性をより高める第一歩は、そのブランドが提供する価値 = バリューを定義することから始まる。

ブランドのバリューは、顧客に対してのメッセージングだけではなく、そこで働く人たちの行動規範や、社会に対しての存在意義の定義にもなる。

また、ブランドバリューは企業の信念でもあり、製品はその“信念”を伝えるためのツールとして考える。

例えば、Appleは、商品を売るためにMacやiPodを作ったというよりも、“伝えたいことを伝えるためにMacやiPodが必要だった” と言う方が適切なのかもしれない。

著名ブランドのバリュー例:

2. 透明性をビジュアルでデザインで体現化する

透明性を高めるブランディング手法では、最終アウトプットのビジュアルにおいても、過剰な表現を避け、より素直なデザインを採用することで、より本質的なメッセージが伝わる。

例えば、広告やサイトに掲載されている写真がストックフォトを利用している場合、「誠実」なイメージを壊している可能性もある。

少し安直な例かもしれないが、ブランドの透明性を高めたければ、パッケージングにも透明性を高さを連想させるデザインを施すのが良い。

透明性を高めたパッケージデザイン例 by Antrepo 

3. 日々の活動を通じて人間味のあるストーリーを伝える

そして、透明性を高めるために最も重要な最後のステップがこれ。

カスタマー・ロイヤリティーを獲得したいのであれば、本物の信頼を得るために必要な時間、努力、誠実さを積極的に行動で示す必要がある。

ブランドの社会的活動としては、CRSが真っ先に思いつくかもしれないが、実はそれだけでは十分ではない。

ブランドの歴史や、商品の製造工程、スタッフの日々の生活、ファウンダーの思いなどをできる限り正直な形で伝えていく。

そして、ブランドが社会的にどこような活動をしているのかを下記のようなチャンネルを通じて可視化する。

  1. ソーシャルメディア
  2. 新規サービス
  3. スタッフの活動
  4. イベント
  5. 動画

例: ハイネケン: 価値観の違う人と一緒にビールを飲もう

数あるブランドストーリーの中でも、理念を具現化し、ブランドの透明性を高めた内容の一つが、ハイネケンが作成した動画。

日本の常識だと通常ビールのCMでは、芸能人が「ゴクゴク」と音を立てながら美味しそうにビールを飲み干すというのが一般的ではないだろうか。

しかし、オランダのビール製造会社であるハイネケンは、自分たちの考えをそのまま動画として配信した。

“World’s Apart”と名付けられたこの動画広告に登場するのは3組の2人組。それぞれフェミニストと反フェミニスト、環境活動家と温暖化懐疑者、そしてトランスジェンダーとトランスフォビアといったというように、正反対の思想を持っている者同士。

最初はお互いの思想について一切知らされることなく、2人はスピーカーからの指示に従い共同作業を行っていく。次第に打ち解けていき会話が弾むようになってきた2人であったが、あるタイミングでお互いの思想がVTRによって明かされる。

先ほどまで仲良く作業をしていた相方が自分と正反対の思想を持っていると知り、困惑する2人。そこで最後の司令としてアナウンスされるのが、「この場を退場するか、ビールを飲みながら話し合いをするか、どちらかを選んでください」というもの。

最後に彼らが下した決断は話し合いをし、お互いの意見を聞き合うことだった。

まとめ: 透明性を上げるのには勇気がいる

おそらく、現代はこれまでのどんな時代よりも、ブランドと消費者の関係が、人と人との関係に近づいている。自ずと、お互いの信頼関係を築く方法も、人間関係の構築と似ている。

その点において、ブランドの透明性は企業が目指すべきものというだけでなく、ビジネスの成功のための重要な要素となっている。

信頼を得ることがますます難しくなる中、ブランドは絶対的な透明性を約束することで差別化を図ることもできる。

一方で、ブランドの透明性を高めるプロセスは、表面を取り繕い、綺麗なパッケージングで包み隠すよりも、よほど勇気が求められる。

でも恐れることはない。消費者がブランドの成功や失敗を知れば知るほど、ブランドとの関係は強くなる。

企業と同様に人も同じで、ストーリーに共感したり価値を感じたりするから心が動く。心が動くからそのブランドの商品を購入したくなる。

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