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■日本経済新聞は11日、日本のファミリーマートが2024年までに店員を介さずに無人で決済できるコンビニエンスストアを1,000店に拡大することを報じた。
ファミリーマートの無人店舗は天井や棚に設置されたカメラやセンサーで利用者の行動を追跡し、AIが買い物行動を分析する。商品を持って店を出る前に、セルフレジで決済を行う必要がある。
セルフレジでは商品名と金額が自動的にモニターに表示され、電子マネーや現金で支払う仕組みとなる。支払いが確認できなければゲートが開かず出られないようになっている。
商品バーコード読み取る必要はなく、事前にスマートフォンに専用アプリをダウンロードしたり、売場に出入りする際のスキャニングや生体認証なども必要ない。
無人店舗といっても商品補充など商品管理のスタッフが駐在する。セルフレジでもリモートで監視するようになっておりアルコール販売で利用者の年齢確認も行う。店舗への同時入場者が10人程度と制限されるようだ。
こういった店員を介さずに自動的に決済が行える店舗はアメリカが先行しているものの、「無人店舗(unmanned store)」ではなく「レジなし店(cashierless store)」という言い方となる。
レジなし店といえばアマゾンのレジなしコンビニエンスストアの「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」だ。
2018年1月から一般公開されたアマゾンゴーは商品を手にとって店を出るだけで、代金は自動的に利用者のアマゾン口座に請求される仕組みだ。
ファミリーマートの無人店舗とは異なり、店を出る前に決済をする必要はない。一方で事前にスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、店に入る際にはQRコードを表示させてゲートで読み込ませて入店する。
ファミリーマートの無人店にある決済端末では画面を押す必要があるが、ジャスト・ウォークアウトでは商品以外にふれることはない。
ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)のアマゾンゴーは一時26店舗まで増えたが22店舗に縮小している。またそのうち5店舗が現在も臨時休業状態となっている。
アマゾンが外販を始めたレジなし決済のジャスト・ウォークアウトは空港やスポーツ・アリーナ、ホテル、コンベンションセンターの売店に導入され拡大しつつある。
ニューアーク・リバティ空港の「CIBOエクスプレス」、シカゴ・ミッドウェー国際空港とダラス・ラブフィールド空港の「ハドソン・ノンストップ(Hudson Nonstop)」がアマゾンのレジなし決済システムだ。
マサチューセッツ州ボストンにあるアリーナ「TDガーデン(TD Garden)」とニューヨーク市ブルックリンにある多目的ホール「バークレイズ・センター(Barclays Center)」にもジャスト・ウォークアウト仕様の店舗がある。
ネバダ州ラスベガスにある大型カジノホテル「リゾートワールド・ラスベガス(Resort World Las Vegas)」内にも7月末、無人決済売店の「フレッドシーガル・マーケット(Fred Segal Market)」が開店した。
最近ではニューヨーク・マンハッタンにあるジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンション・センター内の売店にもジャスト・ウォークアウトに導入された。
アマゾン以外ではスタートアップのジッピン(Zippin)がカリフォルニア州サクラメント地区にある「ゴールデン1センター(Golden 1 Center)」、コロラド州デンバーの「エンパワー・フィールド・アット・マイル・ハイ(Empower Field at Mile High)」などにレジなし売店を稼働している。
他にもAI開発のAWMフリクションレス(AWM Frictionless)と食品サービスのアラマーク(Aramark)が提携したレジなし売店がロサンゼルス郊外サンタアナ地区のアパートにある。
サン・ディエゴにあるイースト・ビレッジ地区の高級アパートでもスタートアップのアクセル・ロボティクス(Accel Robotics)が開発したレジなしコンビニがオープンしているのだ。
レジなし店の動向で注目されるのがアマゾン・フレッシュだろう。
アマゾンは今年6月、シアトル郊外にジャスト・ウォークアウトのハイブリッド型をオープンさせた。
レジなしスーパーでは、シアトル市内のアマゾンゴー・グローサリーやワシントンDCのアマゾン・フレッシュがある。
これらは小型店となるが、ワシントン州でシアトル郊外のベルビュー地区のアマゾン・フレッシュは25,000平方フィート(約700坪)となり、これまでにないほど大型となっている。
しかもアマゾン・フレッシュ・ファクトリア店はレジなしとフルサービスレジと同居しているハイブリッド型だ。
ファクトリア店に似たハイブリッド型のアマゾン・フレッシュはロサンゼルス郊外のラハブラとセリトスにオープン予定となっている。
また最近ではアマゾン傘下で自然食品スーパーのホールフーズ・マーケットに、レジなし店が来年早々オープンするとアマゾンが発表した。
レジなしでも先行するアメリカ流通では、アマゾンのおかげで様々な店舗にキャッシャーレスが拡大しつつあるのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。相変わらず日本のメディアは「無人店舗」という言い方が好きですな。「無人、ちゃうでぇ」と言っても、まぁ、記事を読んでもらうにはインパクトのあるワードが好まれるのでしょう。ファミリーマートの無人店1,000店舗展開ですが、日本の場合は人口減少で人手が足りなくなったことが急拡大の大きな要因ですね。ファミマ・ムジン?は店を出ていく前に決済しなければならず、商品を持って店をそのまま出ていくジャスト・ウォークアウトとは大きく異なります。ファミマ・ムジンの場合は、利用者が商品を持って決済端末の前に立つと、商品名と金額がモニターに表示され、電子決済や現金で支払うシステム。で、決済はタッチスクリーンを押す必要があります。つまりモノに触れるのです。不特定多数の人がタッチするわけですから、スクリーンであってもそこを消毒する必要もでてきます。商品補充とは別に消毒する係もいりますから、決済でも全くのムジンではありません。それ以上に10人程度という入場制限があるのはいかがなものかと思います。
日本の場合、心配なのは独自仕様が行き過ぎてしまいガラパゴス化してしまうこと。ファミマ・ムジンを持続的イノベーションで進化させてしまうと結局は使いづらい店になると思います。
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