■コンビニエンスストア大手のセブンイレブンは1日、買い物客がレジに並ばなくても自分で商品をスキャンして支払いができる「モバイル・チェックアウト(Mobile Checkout)」をカナダでも展開を開始した。
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アメリカではすでに3,000店以上にモバイル・チェックアウトを拡大しており、日本を含め海外での拡大に注目が集まっている。
モバイル・チェックアウトはコンビニでの買い物が非接触・非対面で行え、レジ待ちも不要でスピーディに買い物ができる決済システム。
レジ待ち時間を短縮するだけでなく、人との接触を最小化することで新型コロナウイルスの感染拡大の防止にもなる。
買い物しながらバーコードをスキャンするシステムは、ウォルマート傘下のサムズクラブが「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を全店で行っており、ウォルマートもサブスクリプションの「ウォルマート+(Walmart +)」の特典としてスーパーセンターで行えるようになっている。
イリノイ州など中西部でスーパーセンターを展開するマイヤーも「ショップ&スキャン(Shop & Scan)」を全店で展開しているのだ。
セブンイレブンは2018年11月、テキサス州ダラスにあるセブンイレブン14店舗で当時のサービス名「スキャン&ペイ(Scan & Pay)」のテストを開始。
スキャン&ペイでは事前にセブンイレブンのアプリをダウンロードして、ロイヤルティプログラム「7リワード(7Reward)」を登録しておく。
使い方はアプリを起動後にスキャン&ペイ対象店に行くと「スタート・スキャニング(start scanning)」のポップアップ・ボタンが表示されるのでタップする。
店内で商品バーコードをスキャンし、支払いはアップルペイやグーグルペイ、クレジットカード、デビットカードで決済を行う。
決済後はアプリに表示されるQRコードをレジ近くのスキャン&ペイ・ステーションでスキャンさせる。
緑色のライトが点灯することでレジ係が確認。あとは透明な買い物袋に商品を入れて店を出るだけだ。
モバイル・チェックアウトによる支払いも7リワードと紐づけられており、ポイントがたまるようになっている。
モバイル・チェックアウトで購入できない商品はホットフードや宝くじ、アルコール類、タバコとなっている。
セブンイレブンは2019年8月にスキャン&ペイをモバイル・チェックアウトにサービス名を変更し、ニューヨーク市内の店舗に拡大した。ロングアイランドでもモバイル・チェックアウトの取扱店を拡大しながら、昨年6月にはユタ州の店舗でも導入。
今年の夏には一気に2,500店以上にモバイル・チェックアウトをスピード展開したことで100万人以上がアプリでの買い物を行っているという。
お客がモバイルアプリを使って自分でスキャンするモバイル・チェックアウトはセブンイレブンやサムズクラブ、マイヤー以外でもスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーや1.6万店以上を展開するダラーストアのダラーゼネラルなどにも拡大。
中堅クラスの多くのスーパーや小売店でも導入が進んでいるのだ。
中堅クラスの食品スーパーではニューヨーク州を中心に162店舗のスーパーを展開するトップス・フレンドリー・マーケットが昨年末から「トップス・ショップ・プラス・スキャン(Tops Shop + Scan)」のテストを開始したほか、マサチューセッツ州を中心に85店舗を展開するビッグYも「マイエキスプレス・チェックアウト・スキャン&ゴー(myExpress Checkout Scan & Go)」を30店舗に拡大した。
ニューヨークなど7州に106店の食品スーパーを展開するウェグマンズは、「ウェグマンズ・スキャン(Wegmans SCAN)」を90店まで拡大している。ニュージャージー州に300店以上を展開するショップライトも「モバイル・スキャン(Mobile Scan)」を54店舗まで導入している。
ペンシルベニア州など5州に220店近くの食品スーパーを展開するジャイアント・イーグルも「スキャン・ペイ&ゴー(Scan Pay & Go)」をテスト中だ。
コネチカット州など5州に400店以上を展開するストップ&ショップでも専用アプリとスキャニング端末の「スキャン・イット(Scan It)」でおこなっている。ミシガン州で140店展開するスーパーマーケットのスパルタンナッシュも「チェックアウト・ナウ(Check Out Now)」をテスト中。
中西部ではアイオワ州など8州に250店舗近くを展開するハイヴィーも「スキャン&ゴー(Scan & Go)」を拡大している。テキサス州などに約400店舗のスーパーを展開するHEBも「HEBゴー(HEB Go)」で行っている。
日本のセブンイレブンでもお客がスキャンしながら買い物を行うモバイル・チェックアウトの導入が期待される。アメリカがそうであるようにアプリを使った買い物が日本でも拡大するのだ。
トップ画像:自分で商品をスキャンして支払いができる「モバイル・チェックアウト(Mobile Checkout)」は決済後、アプリに表示されるQRコードをレジ近くのスキャン&ペイ・ステーションでスキャンさせる。緑色のライトが点灯することでレジ係が確認できる。なお、このセブンイレブンでは張り紙があり「(アプリの)レシートを店員に見せてください」とある。あとは透明な買い物袋に商品を入れて店を出るだけだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ネットスーパーを展開する企業にとってアプリは極めて重要な戦略的ツールです。食品スーパーはネットスーパーのシステムなどに目が行きがちです。いかに効率的にネットスーパーをオペレーションしていくか以上に、主役はネットスーパー利用者であることを忘れてはいけません。利用者のほとんどがストアアプリを介して注文しているのです。ここが大きなポイント。欲しいと思ったら、ほぼ無意識のうちにアプリを起動しているのです。リアルの売り場では顧客を無意識のうちに来させることなどできません。いつでもどこでも携帯しているスマホなら無自覚に店の売り場となるストアアプリに来店させることが可能です。イケてないアプリではできません。大手チェーンストアがストアアプリに様々な便利な機能を加えていくのは、ストアアプリを介した買い物に大きくシフトしているからです。ウォルマートは先月だけで10回もアップデートしています。ストアアプリの使いやすさが顧客の囲い込みにつながるからです。
コンビニとて同じこと。セブンイレブンのアプリを使いこなす人が増えれば顧客も増えるということです。顧客がアプリを使いこなす以上に新規客がアプリを使いこなして顧客化するのです。新規客となるZ世代を忘れるな!
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