■ネット通販最大手のアマゾンは5日、ロサンゼルス郊外に30店舗目となる自社開発の食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」をオープンした。
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破壊的なイノベーションをもつアマゾン・フレッシュの新規出店では2020年9月の1号店オープンから全く衰えが見えない。
先月28日にオープンした29店舗目のアマゾン・フレッシュ・ラバーン店に次いで開店したのは、アマゾン・フレッシュ・ムリエタ店だ。
リバーサイド郡ムリエタ地区はロサンゼルス・ダウンタウンから南東に81マイル(約130キロメートル)にあり、カリフォルニア州南端の都市であるサンディエゴにより近い。サンディエゴの中心から北に64マイル(約100キロメートル)とクルマでは1時間弱の距離となる。
アマゾン・フレッシュ・ムリエタ店(40485 Murrieta Hot Springs Rd, Murrieta, CA 92563)は、ダラーツリーやマーシャルズ、ファイブ・ビロウ、ロス・ドレス・フォー・レスなどのテナントが入る「ムリエタ・タウンセンター(Murrieta Town Center)」内にある。ロサンゼルス郊外では14店目となる35,000平方フィート(980坪)ムリエタ店もアマゾンが開発した自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」とフルサービスレジを併せ持つハイブリッド型だ。
ハイブリッド型アマゾン・フレッシュは現在までにロサンゼルス郊外に6店舗、シカゴ郊外に3店舗、シアトル周辺に2店舗、バージニア州に1店舗となっている。ハイブリッド型は、昨年11月にオープンした20店目のシカゴ郊外ウエストモント店から連続して出店している。一方、スマートカート「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」のあるアマゾン・フレッシュは昨年8月にオープンしたメリーランド州チェビー・チェイス店(18店目)以降オープンしていない。
なおワシントンDCのローガン・サークル店とシアトル市内のキャピトル・ヒル店(アマゾンゴー・グローサリーから店舗名を変更した19店目)のチェックアウトはジャスト・ウォークアウトのみでフルサービスのレジはない。
アマゾン・フレッシュの出店については、全米各地のメディアが毎週のように報じている。労働力の確保が難しい現在、アマゾン・フレッシュは人員さえ確保しトレーニングできればすぐにでもオープンできるような状態にある。
オープンが待たれる場所では建物はすでに出来上がっているのだ。例えばロサンゼルス郊外ではハンティントンビーチ(6905 Warner Ave, Huntington Beach, CA 92647)やウエストレイク・ビレッジ(サウザンド・オークス:140 Promenade Way, Westlake Village, CA 91362)に出店が予定されている。
カリフォルニアでは州都となるサクラメントでもエルクグローブ(7530 Elk Grove Blvd, Elk Grove, CA)とローズビル(6780 Stanford Ranch Rd Roseville, CA 95678)での出店が確実だ。
ミネソタ州のレイクビル、ミシガン州のグランドブランなど中西部でも出店が報じられている。ニューヨークやニュージャージーなどの東部では出店のバックログが2年以上も続いている。
ニュージャージー州にあったフェアウェイ・マーケット・パラマス店(30 E Ridgewood Ave, Paramus, NJ 07652)とフェアウェイ・マーケット・ウッドランドパーク店(1510 US-96 Woodland Park NJ 07424)への出店は1年以上にもわたりオープンが待たされている。
バージニア州フェアファックス郡にあるロートン地区(9409 Lorton Market St, Lorton, VA 22079)に出店予定。
バージニア州ではフォールズチャーチ地区にあるセーフウェイの跡地(5821 Crossroads Center Way Falls Church, VA 22041)、アーリントン(1550 Crystal Dr Arlington, VA 22202)も予定されている。
メリーランド州ゲイザースバーグ地区にあったオフィス・デポ跡地(15790 Shady Grove Rd Gaithersburg, MD 20877)も出店予定。
ワシントンDCではローガンサークル店に続いて、Hストリート・コリドーのアパート1階部分(901 H St NE Washington, DC 20002)も出店予定となる。
先に上げたフェアウェイ・マーケットではニューヨーク州ロングアイランドのプレインビュー店跡地(50 Manetto Hill Rd Plainview, NY 11803)にも出店だ。
ジョンFケネディ国際空港からほど近いオーシャンサイド地区でワルドバームズ・スーパーマーケット跡地(3620 Long Beach Road, Oceanside NY 11572)に出店が明らかだ。
ニューヨーク州ではニョーヨーク市から離れているもののアルバニー近くのトロイ地区にも出店がわかっている。直近ではニューヨーク市スタテン・アイランド(430 New Dorp Ln Staten Island NY 10306)での出店が報じられた。
トイザらスなどがあったチェーンストアの跡地が全米各地にあり、ショッピングセンター側もテナントを埋めるのに苦慮している。スタッフさえ集まればアマゾン・フレッシュはすぐにでも3桁展開となるのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アメリカの流通業で最もホットな話題はアマゾン・フレッシュです。なぜなら流通業界(とりわけ食品スーパー)ではこれまでにない破壊的なイノベーションを持ち、しかも出店意欲が旺盛で1号店のオープン以来、次々に開店しているからです。食品スーパーとしての是非はともかく、勢いは凄いです。アマゾン・フレッシュ・ウッドランドヒルズが一般公開されたのは2020年9月17日でした。それから600日弱となる595日目に30店舗目のムリエタ店がオープンしました。人手不足の問題がなければ、アマゾン・フレッシュは50店舗になっていても不思議ではありません。最近ではオープニング・イベントもレギュラー化されていて、オープン日となる木曜日から日曜日までは、果物に見立てたバルーン・オブジェクトがファサードに派手に飾られ、DJのマイクパフォーマンスにハズレなしの懸賞でお客を盛り上げています。アマゾンはメディアの使い方も巧く、ローカル・ニュースでも必ず取り上げられるようにしているのです。
ムリエタ店(Murrietaの現地での発音はミュリエラ)はロサンゼルス郊外で14店舗目となります。後藤はムリエタ店を除く13店舗を視察しています。ちょっと遠いけど(1時間15分)、最新店も視察したいと思います。
トップ画像:先月28日にオープンしたアマゾン・フレッシュ・ラバーン店とジャスト・ウォークアウトの制服?のスタッフ。ラバーン店も35,000平方フィート(980坪)にジャスト・ウォークアウトを導入したハイブリッド型だ。ハイブリッド型アマゾン・フレッシュの出店が続いており、スマートカートはどうやら止めたようだ。
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