Fumitoshi Goto

EC新時代、ウォルマートがドローン宅配を34店舗に拡大へ

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■小売業界において歴史的な快挙だ。チェーンストア最大手がついにドローン空輸をスケールする。

ウォルマートは24日、ドローンによる宅配を年末までに34店舗に拡大することを発表したのだ。400万世帯が空輸対象となり、空からの宅配が年間で100万個実現する。

ドローン開発のドローンアップ(DroneUp)と組んだ空輸サービス「空輸宅配(Delivery on the fly)」は、本社所在地のアーカンソー州ベントンビルからファーミントン地区のウォルマート・ネイバーフッドマーケットなどで行われている。

今回のスケールではアーカンソー州を含め、アリゾナ州、フロリダ州、テキサス州、ユタ州、バージニア州にある店舗32ヶ所に拡大されるのだ。注文から最短30分で届くドローン空輸は午前8時~午後8時まで。対象商品は1万品目に及び最大積載量は10ポンド(約4.5キログラム)となっており「ドローンにフィットし安全に航行できる範囲なら」を目安にしている。手数料は1回あたり3.99ドル(約500円)だ。

ドローンアップのドローンはフライトオペレーターが必要となり、機体にあるカメラを介してモニタリングしながら操縦する。そのため移動式の管制塔を店舗敷地内のハブ(空港)に設置するのだが、簡易的な施設でありローンチしやすい特徴がある。

公開されたドローン宅配の動画を見るとウォルマート従業員が店舗内で注文品をパッケージに梱包し、ドローンアップのスタッフに手渡ししている。

パッケージを機体下に装着した後、垂直にテイクオフ。連邦航空局が承認したドローンアップのオペレーターがドローンを操縦しているのがわかる。

機体にあるカメラを介してモニタリングしながらドローンを操作するのだ。

利用者宅では家のドライブウェイ(ガレージ前の道路)もしくはバックヤード(裏庭)の上空でホバリングしながら、ケーブルを下ろして宅配物を届けることになる。

 ウォルマートは2020年、ドローンアップと新型コロナウイルス検査のための自主検体採取キットの宅配をラスベガス北部とニューヨーク州のチークトワガ地区で行った。

数百におよぶテストキットの空輸実績から昨年1月にはコカ・コーラの新商品キャンペーンでドローンを使ったマーケティングプロモーションも行ったのだ。

昨年12月にはウォルマート・ネイバーフッドマーケット・ファーミントン店(367 W Main St, Farmington, AR 72730)の隣に管制塔とハブとなるドローン空港も設置し、市販薬やバンドエイドなどヘルス&ウエルネスの空輸をローンチした。

ウォルマートによると約半年間に及ぶドローン空輸では当初、お薬など緊急的に注文需要を見込んでいたという。しかし蓋を開けてみると空輸ベストセラーとなったのはハンバーガーヘルパーだった。また電池やゴミ袋、洗濯洗剤、スナック類も人気の空輸商品としてあげた。

 ウォルマートはドローン宅配だけでは利益が見込めないため、自治体や地元工務店やゼネコン、不動産企業などに空撮の販売等も検討している。

工事の記録や建設の進捗など、日々の施工管理から安全管理、竣工後の点検の維持管理業務に至るまで、宅配以外にドローン空撮を生かせるとしているのだ。

ウォルマートはサブスクの「ウォルマート・プラス(Walmart+)」や広告事業の「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」、データ分析サービス「ウォルマート・ルミネート(Walmart Luminate)」など新たなビジネスモデルを立ち上げているが、上空からの撮影による新たなB2Bモデルも展開できることになる。

 ウォルマートの空輸ではドローン開発のジップライン(Zipline)と提携した自律飛行機によるオンデマンド宅配をアーカンソー州ベントンビル郊外ピー・リッジ地区のウォルマート・ネイバーフッドマーケットでテストを行っている。

ウォルマートはまた、ノースカロライナ州フェイエットビルでイスラエルのドローン開発のスタートアップ、フライトレックス(Flytrex)と提携したドローン空輸の実験も行っている。

 ネット通販最大手アマゾンは9年前、ドローン宅配を発表して世界を驚かせたものの空輸実績の進展がないばかりか、実験中の墜落が原因で野火の発生も伝えられている。

ドローン宅配の実用化でアマゾンはウォルマートやグーグルに大きく遅れているのが現実。

 ラスト・ワン・マイル空輸のゲームチャンジャーでは、ウォルマートが王手を取ったようだ。

トップ画像:ウォルマート・ネイバーフッド・ファーミントン店の敷地内にあるハブから垂直に飛び立つドローン。ウォルマートは年末までにドローンアップと提携したドローン宅配を34店舗で展開するのだ。同時に空撮による新たなビジネスモデルも模索する。Eコマースの新時代だ。

公開されたドローン宅配の動画。ウォルマート従業員が店舗内で注文品をパッケージに梱包し、ドローンアップのスタッフに手渡ししている。パッケージを機体下に装着した後、垂直にテイクオフ。連邦航空局が承認したドローンアップのオペレーターがドローンを操縦しているのがわかる。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ドローンアップと提携したドローン宅配でトップ人気となったのはハンバーガーヘルパーでした。これには、ちょっと笑ってしまいました。というのもノースカロライナ州の3ヶ所で行っているフライトレックスによるドローン宅配でも人気ナンバー1となったのはハンバーガーだったからです。どんだけハンバーガーが好きなんだ、と。ハンバーガーヘルパーはクイックパスタの素でハンバーガーではないのですが、慌てたウィンピー(アニメ「ポパイ」に登場するハンバーガー好きのメタボなオジサン・キャラ)が誤ってポチッたと想像したのです。ウィンピーにもラーメン大好き小池さんにとってもウォルマートによるドローン宅配のスケールは朗報でしょう。サッポロ一番みそラーメンを食いながら、夕飯用にうまかっちゃんも注文できるのです。で、二階でラーメンをススりながら小池さんが窓の外に目をやるとドローンがホバリングしながら5分前に注文したチキンラーメンを下ろしているのです。アニメのような世界が実現するのですね。
 2013年にプライム・エアを発表して世界をアッ!と言わせたジェフ・ベゾスは先んじたウォルマートに対して何を思うでしょうかね?

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