ロンドン、ハイドパークで4/20のイベントに参加する筆者。
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ロンドン・ハイドパークのマリファナデーに潜入

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ロンドン、ハイドパークで4/20のイベントに参加する筆者。
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By Jake Denton Translated By Nozomi Otaki

年に一度のウィードの祭典に、冷静な判断力とスナック菓子数袋を携えて参加してみた。

ウィード使用者にとっての4月20日は、おばけ好きなひとにとってのハロウィンのような日だ。最高のたとえとは言えないが、大麻の〈受動喫煙〉で超絶ハイになっている最中なので許してほしい。僕は今、大麻カレンダーで最も重要な日を祝うためにマリファナを紙で巻く人びとのど真ん中にいる。

ロンドン公認のハイドパークでの4/20イベントは、ここ2年間、コロナのパンデミックによって中止されてきた。それでもウィード愛好家たちは2021年、少人数でこの公園に集まり、ドラッグを吸い、スーパーで買ったスナックを食べるのをやめなかった。今回僕は冷静な判断力と(ウィードの効果のひとつとして知られる極度の〈空腹感〉に備えて)モンスターマンチ数袋を携え、今年のイベントの調査に向かった。

この日の参加者は、今までに増して多く、善良で、そしてハイだった。周りを見回せば、学生、スケーター、アーティスト、レイヴァー、ラスタファリアン、ラッパー、ヒッピー、イッピー、ヤッピー、薄汚れた人びとの姿があり、ロンドン警視庁の警官も制服姿でイベントをサポートしていた。ご苦労さま!

「みんな捕まらないといいけど」とリヴァプールから来たチーチ(Cheech)は語った。僕が取材した人全員と同様、大麻は英国でいまだにクラスB薬物として分類されているため、彼は匿名でインタビューに応じた。「ここに来るまでに4時間かかった。逮捕されるのはうんざりだ。今までも何度もあったけど、バカバカしい。あいつら警官を見てみろ。コソコソしやがって。みんなからウィードを取り上げるんだ。なぜ俺たちのことを放っておけない?」

ウィードを手のひらに乗せるチーチ。
ウィードを手のひらに乗せるチーチ。

ウィードは英国で最も人気のある娯楽ドラッグだ。イングランドとウェールズの成人の30%が、一度は試したことがあるという。僕個人としては、ウィードを吸うとパラノイアが起きるが(なんでこんなに口がカラカラなんだ!?)、ここにいるみんなは見たところ楽しんでいるようだ。僕よりも耐性があるらしい。市場調査・データ分析会社のYouGovのデータによると、英国人の53%が大麻合法化を支持している。しかし、国内での大麻の所持、栽培、分配、販売は場所にかかわらずいまだに違法だ。そろそろみんなが堂々とウィードを楽しめるようになってもいいのではないだろうか。

「合法化には100万10%賛成だよ」と19歳のレオニ(Leoni)はいう。「家族や友だちのなかには、ほんの少しウィードを持っていただけで警察沙汰になったひともいる。悪いヤツじゃないのに。法律を変えないと」

ロンドン市長のサディク・カーンは、少量の大麻の所持で拘束された若者を起訴する代わりに、カウンセリングを受けさせる計画を発表した。もちろん、前科がつくよりはましだが、そこに関わるすべての人びとの時間が無駄になる。その時間があるなら、ピザでもつまみながら『ピープ・ショー ボクたち妄想族』の再放送を観るほうがいい。

「サディクの計画はただの責任逃れのように感じられます。結局は、ウィード使用者が間違ったことをしている、ということを示唆していますから」と主張するのは、英国を代表するドラッグ専門の独立系学術団体〈Drug Science〉のマッグス・ヒューストン(Mags Houston)だ。「伝えるべきメッセージは、逮捕されないから平気、ということではありません。『これは医薬品で、さまざまな慢性病に効果がある』というメッセージであるべきです」 

筆者と警察。
筆者と警察。

もちろん、ロンドンの左派の市長に英国の薬物法を変える力はない。それを実現できるのは、革新的な政策を擁する多数派政府だけだ。残念ながら、神が次の選挙までに保守党とそのミドルイングランドの支持基盤を一掃しない限り、英国は少なくとも2024年までは『サウスパーク』のマッケイ先生の教訓(「ドラッグは悪いものだ、わかったか」)に従い続けるだろう。

時計の針が午後4時20分を指すと、参加者たちが一斉に空に向かってマリファナたばこをふかした。まるで大晦日のカウントダウンのようだったが、その大半はまともに10を数えることもできなくなっていた。

その光景を見ながら、僕は『デイリー・メール』紙の読者は誤解しているかもしれないと思い始めた。ウィード喫煙者は、何かに対する脅威ではない。この大人気のストリートドラッグは、実は良いものなのではないか? もしかしたら、僕だって楽しめるかもしれない。

「世界で最高の感覚だよ。これを超えるものはない、マジで」とコルチェスターから来た17歳のボブはすすめた。彼のマリファナたばこを注意深く1回だけふかすと、胸に暖かく、ビリビリするような感覚が広がり、そして……ヤバい、僕はなぜこんなことをしてるんだ? と耐えがたい不安が襲ってきた。ハッピー4/20!

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