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ウォルマート、ネットスーパー物流のスタートアップを買収 ネットスーパー本格化?

ウォルマート、ネットスーパー物流のスタートアップを買収 ネットスーパー本格化?

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

チェーンストア最大手のウォルマートは6日、マイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)開発のスタートアップであるアラート・イノベーション(Alert Innovation)を買収したことを発表した。買収額などは明かしていない。

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スーパーセンターなどの既存店にネットスーパー専用の小型ロボット物流施設を併設することで、カーブサイド・ピックアップや宅配サービスに迅速に対応する。

カーブサイド・ピックアップや宅配サービスなどネットスーパーに対応するMFCはスーパーマーケット店内もしくは店に併設する形で設置され、一般的な広さは1万平方フィート(280坪)となる。

MFCは1.5万~1.8万アイテムを扱い、60アイテムの注文ではピッキングから袋詰めまで5分程度となる。

着工から4ヶ月程度で稼働でき、工事費は300万ドル前後。ウォルマートではMFCを「ローカル・フルフィルメントセンター(Local Fulfillment Center:LFC)」を呼んでいる。

アラート・イノベーションのMFCは、ニューハンプシャー州セイラム地区のスーパーセンターですでに稼働している。

スーパーセンター・セイラム店では2万平方フィート(560坪増床)し、高さ20センチ幅60センチ四方の小型カートのようなロボット「アルファボット(Alphabot)」が動き回る物流倉庫を2019年から導入したのだ。

同LFCでは8,000平方フィート(220坪)内にある複数台のアルファボットが注文品をピッキングし、複数のピックステーションに運ぶ。

ピックステーションでは、カーブサイド・ピックアップもしくは宅配サービスでドライバーに渡せるようにスタッフが仕分けを行う。

ウォルマートによると2020年初めの段階では30台(最大100台の稼働が可能)前後のアルファボットが動いており、最大収容2万アイテム中の2割となる4,500アイテムをピッキングしていた。

1日当たり200件近くの注文を処理し、青果・精肉・シーフードなどの生鮮品は担当スタッフが店内を歩き回ってピッキングするマニュアルピッキングとなっている。

 ウォルマートではアラートイノベーションだけでなくMFC開発のデマティック(Dematic)やファブリック(Fabric)等のベンチャーとも提携しておりLFCを展開しているのだ。

ウォルマートではテキサス州プレイノ地区とルイスビルにあるスーパーセンターでLFCの取り組みが報じられていた。

またアーカンソー州ベントンビルにある本社近くやユタ州アメリカンフォーク地区にある店舗でも同工事を近く開始するとも伝えられているのだ。

 MFCでは南フロリダで34店舗を展開するセダノス・スーパーマーケット(Sedano's Supermarket)が2019年の2月、ベンチャー企業のテイクオフ(Takeoff Technologies)のMFCを導入したのが最初だ。

テイクオフではセダノスの他にアルバートソンズやショップライトを展開するウェイクファーンとも提携しており、スーパーの店内への導入が進んでいる。

そのアルバートソンズはサンフランシスコ近郊にあるセーフウェイ(2019年10月)とサンノゼのセーフウェイ(同年12月)にMFCを導入。

アルバートソンズではこの2ヶ所のMFCによって労働生産性が25%もアップしたと報告していた。またアルバートソンズはスタンド・アローンでダークストアによるMFCのテストも計画が報じられている。

 一方、スーパーマーケット最大手チェーンのクローガーはネットスーパー専用倉庫となるカスタマー・フルフィルメントセンター(Customer Fulfillment Center:CFC)の拡大を進めている。

CFCもMFCと同様にAIを利用したオートメーション化されたロボット物流なのだが広さは30万~40万平方フィート(8,400~1.12万坪)にも及ぶ。

CFCは着工から稼働までに2~3年は必要となり、コストも5,500万ドル(60億円)以上もかかってしまう。

クローガーはイギリスのネット専業スーパー最大手のオカドグループと提携したCFCを最大20ヵ所まで増やす計画。

クローガーは6ヶ所目となるCFCを完成・稼働している他、「ズーム(Zoom)」と呼ばれるネットスーパー用フルフィルメントセンターも各地にオープンしているのだ。

 ウォルマートがMFCスタートアップを買収したことで、ネットスーパー物流競争が本格化する。ウォルマートなどのMFC勢とクローガーのCFC勢のどちらが優位に働くのか見ものだ。

トップ画像:ニューハンプシャー州セイラム地区のスーパーセンターにあるアルファボット。高さ20センチ幅60センチ四方の小型カートのようなアルファボットが、温度調節された3つのゾーン(倉庫内)から生鮮品などをピッカーのところに運搬するのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。「日本の小売業はアメリカより5年~10年遅れている」というと一部に怒る方もいます。お酒の席では苛立ちを隠せない参加者も出てきます。時には、ちょい絡まれたりもします(笑)。特に米国流通視察で店を回って売り場しか視察していない日本人は大きな勘違いをします。なぜなら自分の見たいように見てしまうからです。よく絡まれるのは「接客中でもスタッフはポケットに手を突っ込んだままだった」とか「スタッフがお客を気にせず、ぺちゃくちゃとおしゃべりに興じていた」とか「ガムを噛でいた」など。確かにアナログの接客について、一部のチェーンストアではデキが悪いかもしれません。一方で日本は世界的にレベチでもあります。が、流通先進国に来てまでわざわざ劣っている部分を見ていたのでは、何の役にもたちません。したがって当社では実際にストアアプリ等を使って買い物するなどワークショップスタイルでの手法をとっています。ウォルマート視察では事前にネットスーパー注文をするなど、顧客体験を確認するのです。

 MFC開発を買収したことで、ネットスーパーのスピードはさらに高まります。ワークショップ参加者が移動中の車内からネット注文しても最短30分程度でウォルマートでカーブサイド・ピックアップできるようになるのです。

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