「VARBARIAN」はMeo Group Limitedが2021年9月から運営している「Web3ファッションブランド」だ。将来的なデジタルファッション需要の高まりを見据え、メタバースやNFTに特化した展開を行っており、「メタバースとリアルの両方で着られるブランド」であることが大きな特徴となっている。
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そこで今回、同社代表の名頭薗 泰輝さんに「VARBARIAN」の概要と、Web3ファッションブランドのこれからについて聞いた。
VARBARIANが展開する「価値を保有するもの」としてのファッション
名頭薗さんがVARBARIANをスタートしたのは2021年の夏。その背景について「近年のファッション業界で、スニーカーのリセールサービス『StockX』などに代表されるように、ファッションアイテムを『着るもの』ではなく『価値を保有するもの』として捉える見方が生まれてきたなかで、まずはNFTとファッションの親和性が高いと考えました」と語る。
そして、21年末にはメタバース上でのファッション需要の高まりを考え、ウェアラブルNFTの展開も開始した。
そして、デジタルのアイテムを展開するなかで、現実世界でもデジタルと同じアイテムを着用できたら良いのではないかという「逆の発想」を元に誕生したのが「メタバースとリアルの両方で着られる服」だ。
ユーザーは洋服を購入すると手渡される「NFT搭載ステッカー」にiPhoneやAndroidなどのスマホを近づけることで「購入証明NFT」を簡単に受け取ることができる。そして後日、購入証明NFTが入ったウォレットに、メタバースで着られるウェアラブルNFTが送られてくる仕組みとなっている。
9月16日から26日にかけて「渋谷MODI」にて展開した期間限定ストアでは、NFTやメタバースに対して「興味は持っているものの始め方がわからなかった人」が、初めてメタバースを体験することで、VARBARIANのウェアラブルNFTを着用するケースも多かったという。
今回の展開は「既存のNFTファンだけではなく、VARBARIANの洋服を入り口にNFTやメタバースの世界を体験して頂きたい」という考えの元にオープンされたものであり、多くの人が新しい時代のファッションを体験することとなった。
今後の実店舗での販売については、「お客様やNFT・メタバースの興味層と直接話ができる場でもあるので、大事にしたいと考えています」と語ってくれた。
Web3ファッションブランドのこれから
メタバースの今後については、「長期的に見ると今のSNSの代替のような形で浸透する可能性があると考えています。しかし現状はユーザー数は多くなく、技術的にも改善が必要だと思います。またメタバースの定義自体もまだ曖昧な部分があり、業界全体としても模索中といったところだと感じています」と冷静に見ている。
「メタバースは言葉として日本でも浸透をし始めていて、口に出す人も多いですが、実際に経験しているユーザーは非常に少ないのが現実です。VARBARIANとしてはそのような現実を正面から受け止めながら、長期的な視点で少しずつでもユーザーや需要を伸ばしていきます」
そして現在、さまざまなブランドがメタバースやデジタルファッション領域に進出しているなかで、同社は組織運営についても差別化を図りながらブランドを展開していくとのことだ。
「Web3ファッションブランドを名乗る以上は、組織のあり方についても考えながらプロジェクトを進めています。アディダスやナイキのような既存ブランドも、Web3やメタバースに参入していますが、Web3やメタバースの肝となるのは『分散型』であることだと思います。
中央集権である既存ブランドには多くの従業員数や投資家がおり、もし彼らが、権利を分散化したWeb3型のブランドを今後つくっていこうとしても、彼らがまず利益の共有を優先させなければならないのは、彼らの会社の従業員や投資家だと思います。
そうした中でVARBARIANではなるべく権利者が多く生まれづらい小さな組織で、Web3時代の組織のあり方についても考えながらブランド運営を行っていきます」
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