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「幽霊は100%存在する」――超常現象の目撃者にインタビュー

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TINO LEHMANN / EYEEM VIA GETTY
TINO LEHMANN / EYEEM VIA GETTY
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ジャーナリストとして、〈真実〉はわたしの得意分野であるべきだ。

実際、ほとんどの場合はそうだ。

ただ、正直にいうと、〈真実が興味深い話の邪魔になってはならない〉という考え方のほうが好きだ。

わたしは基本的にどんな話題であっても、とりあえず話を聞くようにしている。宇宙人、幽霊、モンスター……。相手が話上手なら、どんな話だってちゃんと耳を傾ける。

いや、話が上手くなかったとしても、それでもやはり聞きたい。うなずいたり、ドラマティックな間合で息をのんだり、「そんな!」「なるほど」と相槌を打ちながら。

相手が嘘をついてると思う? そうかもしれない。

だが、嘘だったとしても構わない。それはあなたとあなたの神しか知らないことだ。そしてわたしは「あるひとに聞いたんだけど……」とお決まりの前置きから始めて、あなたの話を次の取材相手に話すだろう。TikTokで疑わしい情報が拡散するのが当たり前の世の中で、この前置きは真偽不明の物語の合言葉になった。「いや、実際にあったことだよ──姉の親友のお兄さんの彼女の話だけど。誓って本当だよ」という感じで。

以前わたしが働いていたバーは、よく〈出る〉店だった。正直、大抵のバーはそうだ。

わたしたちはいつも幽霊について軽口を叩きながら、視界の端に何かがチラついて妙に落ち着かない気分になっていた。しかし、本当の恐怖を感じたのは、遅番に入るようになってからだった。あるとき、店に来たお客さんのひとりが暖炉を指差し、あれは本物かと尋ねた。暖炉は本物だったが、火のつけ方がわからないので今晩はつけていない、とわたしは答えた。これは半分本当で、半分嘘だ。本物かどうかなんて気にしたこともなかったのだ。店じまいを終えると、わたしはワインとタバコのために少し外に出た。20〜30分後に戻ってくると、なんと暖炉の中で火がパチパチと燃えていた。わたしは一目散に店から逃げ出した。

わたしは子どもの頃、図書館でよく『超自然現象、超常現象、説明できない現象』のようなタイトルの本を借りていた。ここ100年で観測されたあらゆる怪物、魔女、UFO、悪魔、ポルターガイスト、宇宙人などを網羅した本だ。わたしは何ヶ月もこの本に取り憑かれ、一生続く暗闇への恐怖を植えつけられた。それなのに読むのをやめられず、最初から最後までくまなく目を通し、そこから放たれる冷たい恐怖を中枢神経を通して吸い上げた。

自ら恐怖を味わうことには、言葉では説明できない魅力がある。わたしはすっかり怖い話に魅入られ、さまざまな逸話を探し求めてきた。

そこで、何人かの目撃者に体験談を共有してもらった。

ミア(Mia)

キリストの兄弟よ、マリアの姉妹よ、あなたに話がある。

自殺、暴力、虐待にトラウマのある方は注意して聞いてほしい。

高校生のとき、友人の家族が完全に朽ち果てたあばら家を買った。ドアはなく、窓は粉々に打ち砕かれ、クローゼットの内側には爪痕が残されていた。

近隣の家に住む人びとの話によれば、かつてこの家に住んでいた家族は非常に暴力的で、父親は家族が自分に秘密をつくるのを嫌い、すべてのドアを取り去ったという。母親は子どもたちをクローゼットに閉じ込め──これが爪痕の理由だ──不幸にも、家族のひとりが1階のバスルームで自ら命を絶った。ある日、一家は忽然と姿を消した。行き先は誰も知らないという。

友人の話へと早送りすると、彼らが引っ越した数ヶ月後、わたしは泊まりがけで遊びにいった。友人がベッドの下から引き出すタイプの狭いシングルベッドを貸してくれたので、わたしはほぼ床の上で寝ることになった(最高!)。

その夜、これまでの人生で一番変な夢を見た。夢の中でわたしは起き上がり、ベッドから出て振り返ると、眠っている自分を見つめた。「うわ、これ夢か」と思い、真っ暗な家の中を歩いた。1階に降りて一家のひとりが亡くなったというバスルームに入り、少しのあいだ床に座った(繰り返しになるが真っ暗闇の中で)。それから2階に上がって友人の両親のベッドルームに入り、ふたりが眠る姿を眺めた。すべて終わると友人の部屋に戻り、自分の体によじのぼったが、その前に友人のベッドの角に足をぶつけた。友人のせいでほぼ床で寝る羽目になったので(最高!)。

翌朝、「マジでめちゃくちゃ変な夢を見た」と友人に伝えると、「昨夜寝ながら歩いてたみたいよ」と言われた。立ち上がると、足に大きなあざが見えた。夢の中で自分の体によじのぼったときにベッドの角にぶつけたのと同じ足だった。

それから二度と彼女の家には行かなかった。

カリ(Kali)

幽霊に電子タバコを使われたことがあるんだ。

実家に泊まったとき、自分の昔のベッドルームのどこか見えない場所から、身の毛のよだつような音が聴こえてきた。よく探してみると、戸棚にしまってある電子タバコの音だった。それはまっすぐ立ち、スイッチがオンになっていた。幽霊が吸ってたんだ!

マジで超怖かった(笑)。コリンウッドは米国で一番幽霊が多い場所だとひそかに思ってる。

クレア(Claire)

今から8年くらい前、海沿いに住んでいたとき、UFOを見た。他にもっともらしい説明が誰にも思いつかないから、本当に見たに違いないと思ってる。

その頃、広大な湿地帯を見渡せる場所にボロボロのソファを置いた小さな秘密基地があり、友人たちとウィードを吸うのに使っていた。宇宙人を見たのは、わたしたちがハイだったからだとは思えない。だって全員が同じものを見たのだから。 

時刻は夜の11時頃だった。辺りは真っ暗で、空には雲ひとつなく、みんなでくだらない話をしていたとき、ひとりの子が空の高いところにある明るい赤っぽい光に気づいた。あまりにも不自然で、正体を突き止めようと、みんなで目を凝らした。

しばらくすると、それはものすごくゆっくり垂直に降りていき、わたしたちはさらに混乱した。あんな動きをするものってある? 衛星? それとも飛行機?

とにかく、それは地平線まで降りていって、地平線に触れた瞬間、目を刺すような閃光を発した。それからものすごい速度で両方向に赤い光を放ち、一瞬で消えていった。

こんな動きをするものって一体何?????

超クールだったから、今でも聞かれたらみんなに話している。

アリエル(Arielle)

これはわたしが経験したもう一つのエピソード。わたしが働いていたバーは、2軒離れた廃ビルをサマーパーティーの会場として貸し出していた。巨大で、何も手入れされていない、不気味な2階建のテラスハウスで、呪われたような雰囲気が漂っていた。あるとき、月曜の午後にひとりでそこの掃除をするように命じられた。

入った瞬間、激しい不安がお腹から湧き上がり、その不安は建物全体に広がった。わたしは数秒おきに反射的に後ろを振り返った。だんだん外が暗くなり、家全体の重さがのしかかってくるようだった。掃除機をかけ始めると、本当に怖くなった。掃除機の音に混じって、とんでもない音──主に叫び声──が聞こえた気がした。もちろんそれは自分の頭の中だけだとわかっていたが、確認のために掃除機を止めると、深い静寂に包まれた。もう一度掃除機のスイッチをつけると、また叫び声が聞こえ始めた。耐えられなくて、掃除が終わる前にビルを出た。

それから何ヶ月も経ったあと、この家が目的地になっているゴーストツアーを見かけた。1980年代に、ある男が家族全員と16歳の下宿人を射殺したそうだ。

ジュジュ(Juju)

わたしは幽霊の出る古い家を持っていた。ある夜、お客さんに幽霊について冗談を言っていると、その霊がボヤを起こした。

その霊は4年はローテーションのシェアハウスに住んでいて、お気に入りの脅かしは気弱なハウスメイトを廊下で追いかけたり、閉まっているドアを開けたり、他のハウスメイトの物音を真似したりすることだった。多分、わたしたちにもっと仲良くなってほしかったんだろう(友人の泣き声が聞こえて確認しにいったら実はその子は家にいなかった、ということもある)。

ある夜、友人が遊びにきたとき、わたしとハウスメイトは彼女に幽霊やそのおかしな行動について話していた。ひどく怯えた彼女は、寝る前に簡単な〈浄化〉を頼んできたので(ちなみに一度も効果はなかった)、友人はスマッジスティック(※ネイティブアメリカンが魔除けや空間の浄化などに使っていた、香木やハーブを束ねたもの)を探しに離れにあるガレージに行き、わたしはバスルームに向かった。バスルームにいると幽霊が勢いよくドアを開け、わたしは「もうわかったってば……」という感じだった。

正確な場所を教えたにもかかわらず、友人はスマッジスティックは見つからなかったといって戻ってきた。ガレージに15分座って確かにこの目で火が消えるのを確認し、カウチの隣にあるガラスの灰皿に残してきたはずなのに。

そこで彼女と一緒にもう一度ガレージに戻ったが、やはりそこにスマッジスティックはなかった。念のために説明しておくと、それは新品のスティックで、あと数ヶ月は余裕で使えるはずだった。混乱してガレージを探し回り、ようやく部屋のど真ん中のカウチの隙間に挟まっているのを発見した。

それ自体はそこまで不気味でもないが、なんと分厚いガラスでできた灰皿が4つに割れ、スマッジスティック自体も完全に燃え尽きて灰になり、床には2、3箇所焦げた穴が残っていた。ハウスメイト全員に確認したが、その夜は100%誰もそこに入っておらず、当然スティックを動かしたり火をつけたりもしていなかった。

でも、この話の結末はハッピーエンドだ。わたしが長時間腰を据えてじっくり話し合ったおかげで、幽霊はようやく出ていき、二度と戻ってこなかった。

ジョーダン(Jordan)

友だちと僕が平日の真夜中に退勤したときのことだ。僕は皿洗い、彼はシェフで、ふたりで大麻を買いにいった。車で向かう途中(ちなみにまだハイじゃなかった)、明るい光を放つドーム型の物体を見た。それはミニバンくらいの大きさで、50〜80メートルくらい上空にいた。

一体何なのか突き止めたくて、追いかけることにした。

最初はスポットライトつきのヘリコプターだと思ったけど、ローターがないことに気づいた。それは明るい光を放ちながらホバリングしていた。

ビーチまで追いかけていくと、それは突然消えた。それから再び現れ、僕たちが来たほうに戻っていった。僕たちはゴルフコースまで追いかけた。それは芝生に着陸した。僕たちはそのまま、地球外生物が出てくるのを待った。

僕たちはめちゃくちゃビビっていた。思わず涙が出てきて、母船に吸い上げられ、徹底的に調査されるんじゃないかと思った。それは少しの間そこにいて、また空へ戻っていった。僕たちは車内にいたけど、それは本当に静かだった。僕たちが後をつけるとそれは西に戻り、最終的に山の向こうに消えた。

この起きたことにショックを受けたまま、僕たちはウィードを買いにいった。多分徹夜による幻覚だと思うけど、友だちも同じものを見たと言っている。

ヘンリー(Henry)

2006年、家族で新しい家に引っ越した。それはもともと3世帯のアパートで、僕たちがそれを1軒の家にリフォームした。暖炉のボードを全て取り去ると、まるでリノベーターの夢のように美しいタイルと木の見事な芸術品が現れた。そのひとつが、メインのリビングにあった。少し引っかき傷のようなものがついていたが、ほとんど目立たなかった。それから何ヶ月も僕たちはリノベーションを続け、うんざりするほどのハンマーやドリル、建築業者の騒音に耐えた。

ある夜、別々の部屋で眠っていた妹と母が、真夜中に物音のせいで目覚めた。翌朝、ふたりはそれについて話し合った。妹は数匹の犬が入ってきてリビングで跳ね回っていると思ったそうだ。しかし、彼女が母にそう話すと、母は妹がリビングを走り回っていると思った、といった。

妹が真夜中に確認してみると、別の部屋にあった人形がリビングに置かれていた。奇妙に思い、彼女が翌朝母に尋ねると、母は妹が人形を移動させたのかと訊いた。妹は否定し、人形はもともとそこにあった、と答えた。

そこで母が尋ねた。他に何か見た? いや、犬が何匹かいるかと思った。ソファや床で飛び跳ねているような音がしたから。ソファに3匹、床にもう1匹? 誰かがソファから床にジャンプしてるみたいな。

ふたりがリビングに向かうと、暖炉に別の引っかき傷を発見した。ボードを撤去した場所に、子どもが描いた風船の落書きのようなものが残されていた。これは全く新しいものだった。

ふたりは恐怖で縮み上がった。

それから3年後、母、妹、僕は夕食の後、食卓で紅茶を飲みながら世間話をしていた。そこで僕は冗談交じりに幽霊の話をした。母と妹は変な顔をして僕を見た。僕はそれを無視し、「そうそう、あの幽霊だよ」という感じで軽く話を続けた。

妹は僕を見つめてこう訊いた。「……小さい女の子?」

「……そうだけど?」と僕は答えた。

「廊下を走ってた?」と母。

「……そうだね」と僕は答えた。

それから3人で自分が見たものを打ち明けた。僕たちはみんな同じものを目撃していた。9歳かもう少し年下のピンクの服を着た女の子で、廊下を走っていて、暖炉に落書きをしたのも多分その子。でも、僕が冗談交じりに話すまで、僕たちは一度もその話をしたことがなかった。みんなで話すうちに、どんどん共通点が明らかになっていった。

そこで僕は〈もうひとり〉についても面白おかしく話した。

「彼はどんな見た目?」と母。

「……なんで〈彼〉だとわかったの?」と僕。 

「彼は何歳くらい?」と妹。 

「うーん、85歳くらいかな」と僕。

「どこに立ってた?」と母。

「どうして立ってたって知ってるの?」と僕。

「バスルームのドアのところに立ってたでしょ」と母。

そう、このおじいさんの幽霊はバスルームの前に立っていた。夜中にトイレに行くと、彼はもっとはっきり見えた。眠くて〈霊気〉か何かに敏感になっていたからかもしれない。トイレから出てくると、彼に手を振ったり頷いたりしたものだった。最初は「うわ!」とびっくりしたけど、だんだん慣れていったので。

つまり、僕たち3人は小さな少女とおじいさんと一緒に暮らしていたが、ずっとそのことについて話さなかった。これが僕の怖い話だ。暖炉のそばでワインと電子タバコ片手に聞いたらもっと怖かっただろうけどね。

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