全員が原則出社に胸を痛めている。生産性の向上に繋がる通勤時間の削減をなぜ企業は無視するのか。
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By Aaron Gordon Translated By Ai Nakayama TOKYO, JP
人々は通勤に使っていた時間を、運動や家族との時間をはじめとする、仕事以外のより健全で充実した活動に使っていることがニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York)の研究で明らかになった。
それらのよりよい活動のなかでも主要なものは睡眠だ。同研究によると、すべての年齢層が通勤時よりも平均1時間長く眠ることができている。若年労働者は飲み屋に行ったり運動をしたりする時間がより長い傾向がある。年齢が上がると育児や食事の準備に時間を使うことを好むようだ。
研究の著者あとがきでは、本研究が「従業員たちがフレキシブルな勤務形態を好むことについてのさまざまな報告に説得力をもたせる」と述べられている。一般的に、従業員が在宅勤務を好むのは、より快適に働けるから、あるいはそんなに働かなくていいから、あるいは静かな退職ができるから、とされている。しかしニューヨーク連邦準備銀行の研究は、リモートワーク勤務を求める真の理由は通勤がないことと関連していると示唆している。米国の通勤時間はこの数十年で徐々に長くなってきた。米国国勢調査局によると、新型コロナウイルスのパンデミックの前、米国の労働者の通勤時間は1日あたり平均1時間だった。労働者の10人に1人が、1日あたり2時間以上も通勤にかけていた。現在在宅勤務をしている労働者たちは、浮いた時間で自らの生活をより豊かに、より充実したものにできる。かつて通勤に費やしていた時間。それは、時間が忘却の彼方へと沈んでいき、悲しきアスファルトの上を車で走りながら自らのはかない命について熟考するしかない苦行の場だった。あの時間は、もう幹線道路で無駄にされることはない。
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