メディアやイベントで毎日のようにもてはやされ、外側から見るとかなりキラキラで儲かっていそう、お金持っていそう、セレブ、などと思われる起業家たち。
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特に主要メディアに取り上げられたり、イベントで登壇している人達を見るとどうしても「かなり儲かってんだろうなー」と思ってしまう。
特に大きな額の投資を受けたニュースなどを見ると、一瞬で多くのお金を手にしたように見えてしまう。
しかし、巨額の投資を受けたからといって個人的に大きなお金が入って来ているわけではない。
むしろ、スタッフには多めの報酬を払っていてもファウンダー達はかなり節約しているケースも少なくはない。
創業者の給料は誰が決めるのか?
以前にシリコンバレーでVC (ベンチャーキャピタル) の友人に聞いたことがある。「ところで投資した先のスタートアップ創業者の給料に関しては口出しするんですか?」と。
答えは「いや、常識的な範囲で決めてくれれば特に口出ししないよ」だった。では、常識的な範囲とは幾らなのだろうか?
彼によるとシリコンバレー地域だったら年収25万ドル (3000万円) くらいだそうだ。
結構オイシイなーと感じた。
250社のスタートアップ創業者からの統計データ
これからご紹介するのはKruze Consulting社が行ったアメリカを中心とした海外のスタートアップ250社の創業者の報酬に関する調査である。
この調査に参加したスタートアップは、バイオテクノロジー、eコマース、EdTech、FinTech、ヘルステック、ハードウェア、SaaSなど、さまざまな業界に渡る。
その結果を見てみると、そのステージによってかなり開きはあるが、かなり興味深い結果だと感じる。
2023年度版スタートアップ創業者の給与事情
この調査では資金を調達したスタートアップの創業者の平均年収は約15万ドル(約2000万円)で、創業者の中央値は14万ドル(約1800万円)近くになる。
CEOの年収は毎年増加傾向
2022年のスタートアップCEOの平均給与は、2021年の水準から2.7%増加して15万ドルとなり、中央値は14万ドルに増加した。
この平均値は、パンデミックの影響でCEOの報酬が落ち込んだ2020年から7.9%上昇したことになる。2022年のCEO報酬の増加により、2018年以降のCEO(および創業者)の平均報酬に見られるような、全体的に「右肩上がり」の傾向が復活している。
下表は、2018年以降の平均給与と中央値を示してる。
調達額が創業者の報酬に影響を与える
なお、創業者の報酬は、スタートアップが調達した資本金の額によって異なる。以下は、資金調達額別の創業者給与の内訳だ。
- 200万ドル未満の資金調達:創業者の平均給与は10万ドル
- 200万ドル以上500万ドル未満:創業者の平均給与13.5万ドル
- 500万ドル以上1000万ドル未満:創業者の平均給与17.1万ドル
このデータによると、VCからの資金調達を行ったスタートアップはCEOとそれ以外の役職の創業者はほぼ同じ収入を得る傾向が見られた。
これは、その後の追加での資金調達の状況次第で変わっていく可能性があり、CEOが他の創業者よりも報酬が増える可能性が高い。
さらに、後期段階の企業では、創業者兼CEOの代わりに「雇われCEO」が就任することが多く、こうした外部の人間は創業者よりもかなり多くの収入を得る傾向がある。
ステージ別スタートアップ創業者の報酬水準
スタートアップの創業者は、資金調達が後期になるにつれて、より高い給与を得る傾向にある。
これは当然で、会社が後期になるにつれリスクが軽減され、投資家からの現金と利益が確保しやすい。
その結果、創業者の報酬を上げる余裕ができる。
シード:~13万ドル
シリーズA:18万ドル〜19万ドル
シリーズB:25万ドル26万ドル
役職別スタートアップ創業者の平均年収
では、創業者の中でも異なる役割の人は報酬も異なるのだろうか?結果的にはそこまで大きな開きはない。
初期の段階では技術系の創業者 (CTOの役割) は、CEOの役割の人よりも報酬が高い傾向がある。これは、経験豊富なエンジニアは採用が難しいのに対し、誰でも自分が始めたスタートアップの最高経営責任者 (CEO) になれるからだろう。
収益を上げるスタートアップでは、最も高い報酬を得ているのはセールスリーダーであることが多い。
性別によっても報酬が異なる傾向
スタートアップの給与面でも男女格差が生じている。
モーニングスター社による2022年度の調査によると、2015年から2019年にかけてCEOの男女の給与格差は縮小していた。
しかし、2020年のパンデミックの際にアメリカの企業全体で再び給与格差が拡大し、スタートアップ企業に関する調査でもその傾向が見られた。
女性CEOはパンデミックのピーク時に給与が30%減少し(2019年の13万8000ドルに対し10万1000ドル)、男性CEOの給与は増加している(2019年の14万3千ドルに対し14万6千ドル)。
この拡大した差が、2022年のデータで縮小することを期待されたが、残念ながらそうはならなかった。
日本のスタートアップはどんな感じなんだろう?
このような感じで海外、主にアメリカのスタートアップ創業者やCEOの給与データを紹介した。もちろん、そのステージや調達資金額で随分と差があり、個々のケースで異なると思うが、一つの参考にはなると思う。
この辺、日本の場合は現在どのような感じになっているのだろうか?かなり興味がある。
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