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「みんなで美しくなる島」 クラスターとカネボウ化粧品によるメタバース空間

「みんなで美しくなる島」 クラスターとカネボウ化粧品によるメタバース空間

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国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営しているクラスター株式会社が3月1日、株式会社カネボウ化粧品のブランド「ALLIE」と協働で、メタバース空間「ALLIE BEAUTY UP ISLAND~みんなで美しくなる島~」をclusterにオープンした。

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同ブランドは、環境への取り組みとして「Think Sustainability Action」を推進していることから、メタバース内では商品の展示・紹介・購入の他に、バーチャル空間上でゴミ拾い体験ができる。

そこで、今回の企画を担当したクラスター株式会社の亀谷拓史さんに、カネボウ化粧品と協業をした経緯や目的、この1カ月の反響、今後の展開などを聞いた。

カネボウ化粧品と協業した経緯

クラスター調べによると、「ALLIE BEAUTY UP ISLAND~みんなで美しくなる島~」は、世界初の化粧品ブランドによる、常設のメタバース空間になっているという。なぜ、カネボウ化粧品と協業が実現することになったのだろうか。「弊社の事業はおもに2つありまして、1つ目は誰でもメタバース空間が作れて遊べるCtoCのメタバースのプラットフォーム開発・運営です。そして、もう1つがBtoB事業です。法人向けにメタバース空間やイベントの企画制作・運営までワンストップで納品できる体制を整え、企業・法人と一緒にメタバース事業を展開しています。今回カネボウさんからは、リアルでビジネスを展開しながら、『リアルだと実現できない・体験できないことをメタバース空間の中に持っていきたい』という想いがあり、取り組みがスタートしましたそこで、リアルの世界とメタバースの世界の『ハイブリッド企画』を実施することにしました。

具体的な企画としては、大きく2つあります。第一に、バーチャル空間上でゴミ拾い体験ができる『バーチャルビーチクリーン活動』が挙げられます。

ハワイやヴァージン諸島など一部の国・地域・ビーチでは、日やけ止めに含まれる成分の一部がサンゴ礁に悪影響を与える恐れがあることから、日やけ止めの持ち込みや販売などを制限しています。

カネボウさんの日やけ止めブランド『ALLIE』は、水環境の生態系に配慮した設計の『ビーチフレンドリー処方』を採用するとともに、海岸のゴミ拾いなど環境保全につながる活動をしています。

製品は環境に配慮した成分で作られていて、海をきれいにする活動もしているわけですが、多くのユーザーさんは、カネボウさんの想いを理解してリアルで活動に参加するのは難しいですよね。

そうした事情を踏まえ、『ALLIE BEAUTY UP ISLAND~みんなで美しくなる島~』内で、『バーチャルビーチクリーン活動』として提供しました。

第二に、実際のパッケージや商品を3Dで立体的に表現し、実際に商品を購入するまで導線をつなげる企画も実施しており、メタバース空間の中で商品を展示・紹介しています」

メタバースの活用で生まれる効果

それでは、こうしたcluster内での企画を活用することで、カネボウ側はどんな効果を期待しているのだろうか。「1つは先程お伝えした、リアルでは体験してもらうことが難しい企業としての取り組みに、メタバース空間の中では気軽に参加してもらえるようになることです。さらに、ゴミ拾いに関して、メタバースだと『誰がゴミをどれくらい拾ったか』というデータが実際に取得できます。そのため、『メタバース空間で拾われたゴミの数だけリアルのゴミも拾う』という形で、実際の海岸をきれいにする活動を実施します。メタバースからリアルへのフィードバックがある企画になっており、グローバルで見ても珍しいと思います。これにより、ユーザーさんがブランドに対して主体的に関われるようになり、理解も生まれる仕組みです。商品を購入する手前の段階における『もっと商品について知ってもらう、ブランドを好きになってもう』という部分に関して、メタバースは親和性が非常に高いのではないかと思います。もちろん、メタバースの企画によって製品の売り上げが伸びると望ましいのですが、現状では難しいですね」

また、クラスターの強みは「高クオリティのCGで空間を制作すること」であるとして、今回はブランドのシンボルとしてクリスタルを島の中に設置してブランドの世界観を表現している。こうした点についても「満足度が高い」としている。

それでは、ユーザーからの反響はどうなっているのだろうか。

「ユーザーはメタバース内で、まずビーチに入りブランドコンセプトの体験としてゴミ拾いをしてもらった後に、商品の空間の中に入り回遊する、という想定どおりの流れができています。

さらに、商品が並ぶ空間の中でブランドを理解したユーザーから、商品に対しての質問やコメントを頂いている状態になっています。

また、4月22日にメタバース内でイベントを実施する予定です。ブランドを理解したうえで商品を閲覧したユーザーに対して、そこでさらにファンになってもらい、ブランドの認知をより広げていきたいと思います」

メタバースでビューティーやファッションの価値を届ける

最後に、クラスターとして、今後はどのような展開を想定しているのかについて聞いた。「ゴミ拾いをしてくれたユーザーさんへ向けた、新しい体験の提供を構想しています。よりゴミ拾いをしてもらいたくなる仕組みを取り入れる予定です。現在は1回プレイして終わりというケースが多いですし、自分がゴミ拾いをしたことで実際にどれくらい海がきれいになったのか、フィードバックを返せていません。画面に数字を表示するなど、ユーザーがわかりやすい形を考えています。引き続き、ゴミを拾うことがリアルにフィードバックされていることを、どれだけ実感できるかが今後のポイントです。また、メタバースにおける活動に関して、マーケティング的な有効性を実証することも大事だと思います。今後メタバースを体験してくれたユーザーさんは、体験しなかったユーザーさんと比べて、最終的な購入金額が上がるのか、などを検証していきたいですね。そして今回の施策を踏まえ、今後もコスメやファッションブランドさまとともに取り組みを行いたいと考えています。たとえば、メタバース空間の中で、ビューティーやファッションの価値をユーザーに届けるためのコンテンツづくりや、商品の共同制作など、研究段階からでもご一緒させていただきたいです。中期的な取り組みとして、個人的にも一番楽しみにしています」

PROFILE|プロフィール

亀谷 拓史(かめがい たくし)
慶應義塾大学卒業後、株式会社サイバーエージェントにて広告営業/アカウントプランナーとして従事したのち、株式会社Airporterにてマーケティング・ディレクターとしてマーケティング全般を担当。
2020年10月にクラスターに入社し、ビジネスプランニング事業部でプランナーを勤める。
2022年よりエンタープライズ事業部マネージャーとしてクライアントの担当他、メンバーのマネジメントを行う

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