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【コラム】アルページュ社長 野口麻衣子が店舗でセールをやめたわけ

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 「エビちゃんブーム」の06年以降、主力ブランドの「アプワイザー・リッシェ」は本当によく売れていました。外から見ても順風満帆のように映っていたかもしれません。ですが内実は、売れ行きに対して利益は小さい。当時、ディレクターだった私もスタッフも大変な思いをして売っていたのに、「どうなってるの」「もっと頑張らなくては」と模索していました。

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 そして12年から、店頭でのセールをやめることにしました。いっぱい作っていっぱい売るような商売は違うと思い、福袋もです。出店先との交渉は難事でしたが、プロパー商品の投入を早めたことでセール分を補ってくれました。意外だったのは、お客さんが好意的だったこと。当たり前ですが、買った商品がすぐセールになるのは嫌ですよね。ブランドに対する信頼感、商品への安心感にもつながりました。

 社内的に良かったのが、残業時間が減ったことです。お洋服を扱う会社で、自分も含めて女性の多い会社。彼女たちが長く仕事を続けられる環境を整えるためにも良策だったと思います。

 社長になって5年ですが、一番良かったのは裁量が増えたこと。商品作りだけでなく、社員の働き方にもコミットできる。子供を持っても無理なく働き続けられる会社文化。この価値を共有できる仲間が一人でも多くいる限り、社長を続ける価値があるのかなと感じています。責任ももちろんあるのですが、なかなか面白い仕事だと思っています。

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