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集英社はなぜ「MORE」を季刊化したのか?

集英社はなぜ「MORE」を季刊化したのか?

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セブツー

集英社の女性誌『MORE(モア)』が、2023年11月号(9月28日発売)の発行以降、月刊誌から季刊誌になる(既報)。出版業界では、集英社の女性誌としては、1977年創刊の同誌は、1971年創刊の『NON・NO(ノンノ)』と双璧をなす存在と見られていた。集英社の女性誌の現在のラインアップと創刊年、ABC(日本雑誌協会、算定期間:2023年1月〜2023年3月)による月間印刷部数を以下に記しておく。

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NON・NO(1971年創刊、8万8333部)
MORE(1977年創刊、10万部)
LEE(1983年創刊、13万5000部)
SPUR(1989年創刊、5万9000部)
BAILA(2001年創刊、6万8500部)
MAQUIA(2004年創刊、8万9333部)
eclat(2007年創刊、8万2500部)

こうして部数だけ見ている分には、なぜ『MORE』が「季刊化の犠牲」になったのかは納得できない。「季刊化の犠牲」と書いたが、ある業界人は「今回の季刊化はある意味では雑誌としての生命線を絶たれたことであり、いずれ休刊するということになるのではないか」と語っている。しかし、こうした悲観論を一蹴している意見を述べるのが、株式会社出版人の今井照容社長だ。「もう販売部数で雑誌を評価する時代は終わっている。なるほど、『MORE』の読者はたいへん幅広く、それだけに部数も集英社女性誌の中では上位にある。しかし、雑誌の性格が今ひとつハッキリしないために、広告がなかなか集まらないという弱みがあった。『MORE』はデジタル版で『Daily MORE』を毎日更新しているが、今回の季刊化は、この『Daily MORE』を前面に出していくデジタル戦略の一環だろう。『MORE』が月刊で存在感を主張している限りは、『Daily MORE』はなかなか一本立ちできないからだ」と卓見を述べる。

さらに、今井氏は「そうは言っても、やはり紙の媒体があるということで、そのデジタル媒体のプレステージが保証されているというのはポイントだろう。昨年3月28日発売の5月号をもって事実上の休刊になった講談社の月刊女性誌『with』については、その後ウェブによる情報は発信しているが、紙の月刊誌がないことが大きく影響しサンタンたる状況だ。そうしたテツを踏まないためにも『MORE』季刊化という今回の判断は適切だったのではないか」と付け加えている。

簡単に言って、ほとんどの出版社は紙雑誌をすべてデジタルに移行したいのだ。しかし、「拙速」はいけない。今回の『MORE』の季刊化はそうした狙いを秘めているようだ。季刊化=休刊の前段階という判断はちょっと違うようだ。今後もデジタル化が進んでいる媒体については、こうした「戦略的季刊化」が行われる可能性がありそうだ。

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