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“本物のPUNKS”サイモン・バーカーに訊く、「パンク」の精神

“本物のPUNKS”サイモン・バーカーに訊く、「パンク」の精神

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Simon Barker(サイモン・バーカー)、またの名をSIX。PUNK ROCKに詳しい人はその名前を聞いたことがあるはず。

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伝説ともいえるこの人物が約20数年ぶりに来日し、都内でエキシビジョンを開くという情報をキャッチ。

あの時代のカオスを知る本物のPUNKSであるSimonが語った、PUNKの精神を読み取ってほしい。

写真集『PUNK’ DEAD』撮影時の社会状況とサイモン・バーカーについて

1976年。英国では経済不況、失業率の高まり、サッチャー政権の台頭と労働者階級との対立から、ロンドンを中心とした都市部の若者を中心に不満が爆発。それまでの音楽シーンへの反発も併せて、DIY(Do It Yourself)精神のもと、自分たちのメッセージを表現する音楽としてPUNK ROCKが生まれた。中でもSex Pistols(セックス・ピストルズ)はその象徴的バンドのひとつとして世界中に影響を与え、音楽、アート、ファッションなど様々な分野で、世界的なカウンターカルチャーとして認識されている。今回、登場するSimon Barker(サイモン・バーカー)は、当時、Sex Pistolsの親衛隊「THE BROMLEY CONTINGENT(ブロムリー・コンティンジェント)」の一員として活動。後に有名になるSiouxsie Sioux(スージー・スー)やJordan(ジョーダン)らとともに、過激な活動やスタイルで、以降のファッションやカルチャーに大きな影響を与えた重要人物のひとりである。現在では<AKA SIX(エーケーエーシックス)>という自身のブランドを展開し、Malcom McLaren(マルコム・マクラーレン)、Vivian Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)、日本では藤原ヒロシとのコラボレーションでも知られている。

Warholにインスパイアされ、撮影されたファミリーアルバム

-まずは、写真集『PUNK’ DEAD』について、教えてください。

1976年は今のようにインターネットが無い時代。十代の私は、当時はアパートとして使用されていたSt James Hotelの部屋を仲間たちとシェアし暮らしていた。この『PUNKS’ DEAD』に収められている写真は、76~78年にそのアパートで撮ったもの。モノクロ写真が多かった当時、PUNKのカラフルな色合いを残したかったから、カラーフィルムを使って、110(ワン・テン)のポケットカメラで友だちを撮影しました。それはファミリーアルバムのようなもので、プライベートな写真だったからあまり見せたくなかったけど、並べてみると興味深かった。だから、2011年に出版しました。SiouxsieやAdam Ant(アダム・アント)、Billy Idol(ビリー・アイドル)など、後々有名になった人が多く収められています。

-当時の仲間を写真に残そうと思ったきっかけは?

フォトグラファーになろうと思っていたわけではなく「誰もがスターだ」とするAndy Warhol(アンディ・ウォーホル)の写真にインスピレーションを得て、撮り始めました。Sex PistolsやVivian Westwoodがいて、他のバンドともつながっていた当時の自分たちのコミュニティの在り方に、Warholの活動と共通する感覚を持っていたこともあり、70年代のロンドンで、お金もない若者にも出来るクリエイティブな活動として写真を撮り始め、やがてフォトグラファーになったのです。

あの事件から、私たちの存在が一気に変わっていった

-THE BROMLEY CONTINGENTの頃の印象深い出来事は?

テレビ番組に出演したとき※。司会とのやり取りの中で、Sex Pistolsのメンバーの発言が問題になった。それまでは決して有名ではないバンドだったけど、その発言や態度、ファッションが話題になり拡がっていった。そして「ティーンエイジャーに悪い影響を与える」と新聞が書き立てると、逆に私たちのようになりたいという若者が現れ始めたのです。直後、パリでのライブで、初日に私たちに向かって瓶を投げ、野次を飛ばしていた客たちも、次の日には皆髪を切り、破った服を着て、サングラスをかけて観に来ていた。そう、これはロンドンだけの話だけではなく、多くの若者は変わりたがっていて、レコード会社やブランドに自分たちが何を着るか、何をするかを決められたくないという表明だったのです。

※1976年12月1日初放送。テムズ・テレビの家族向け番組『Today』でSex Pistolsのメンバーとともに出演。司会の Bill Grundy(ビル・グランディ)に対するJohnny Rotten(ジョニー・ロットン)とStephen Jones(スティーブン・ジョーンズ)の「Fuck」「Shit」などの暴言や態度は、翌日の新聞の見出しを飾るほど全国的なニュースとなり、彼らは時代の寵児になっていった。(youtubeには当時の放送が残っているので、ぜひ興味のある方は見てほしい)

-実際、体制側に対する反抗心はどれくらいあったのですか?

体制に対して反旗を翻してやろうと動いていたわけではなくて、次の流行を求めて活動していて、PUNKのスタイルで歩いていると警察に止められることがよくあった。あの番組以降、主催側の命令で多くのライブが中止になったり。それでも自分たちが一番格好良くて、普通の人たちはしょうもない奴らだと思っていたことは確か(笑)。若かった私たちは勇敢で恐れがなかった。自信に満ちていたし、音楽も素晴らしかった。他人が私たちについてどう思っているかなんて気にならなかった。自分たちで布を裂いて安全ピンでつないだり、アレンジした服はまさにDIY。自分を表現したいと思ったときに自らバンドを始めてファッションも自分たちの手で作っていく。それでもPUNKな格好でクラブに行くと門前払いのときも多かった。あるとき、スージーが私をLouise(ルイーズ)というレズビアンクラブに誘ってくれました。そこは誰もが集まることの出来る場所で、私たちも受け入れてくれました。そこでLinda Ashby(リンダ・アシュビー)という女の子に出会い、バッキンガム宮殿の隣にある St James Hotel の彼女の部屋をルーム・シェアして住まないかと誘ってくれました。

女性たちが音楽やファッションの在り方を変えていった

-当時の変化で、最も象徴的だったことは何ですか?

男性がバンドを始めるのはよくあることだったけど、女性が自らを表現し始めたということが画期的でした。それまではアイドルのように演出された女性たちが人気だったけど、SiouxsieやVivian、Chrissie Hynde(クリッシー・ハインド)、Ari Up(アリ・アップ)らの登場は大きなムーブメントになった。女性のバンドならではの新しい表現を次々に起こしてくれたと思う。ファッションについてはVivianこそが女性の服の在り方を大きく変えたと思う。トラディショナルな男服とは違って、彼女からの発信は新鮮な魅力に溢れていた。私の写真も同じことで、男性を撮影してもみんな同じ感じになるけど、女性たちは物事の見方が違っていたし、見た目も個性的だったから、この写真集は女性が多くのページを占めている。

「何に対してもリスペクトをしないこと」がクリエイティブには必要

-クリエイティブで大切にしていることを教えてください。

初めてSex Pistolsを観に行ったときは客も20人くらいしかいなくて、ステージ上で鼻をかんだり、オーディエンスと喧嘩したりとか見たことがなかったので、とても印象に残っています。Sex pistolsはVivianから服を与えられてもそれを破ったり、ピンで刺したり、落書きしたりしていた。思うに「何に対してもリスペクトをしないこと」がクリエイティブには必要。そこで慎重になると創造的なことが出来なくなる。今の時代、人々は少し敬虔過ぎるように感じるし、誰かを傷つけたくないと心配し過ぎているように思う。たとえば<AKA SIX>24秋冬コレクションでは、初期のミッキー・マウスをフィーチャーしたTシャツ。90歳を目前に控えたミッキーが「セックスがしたい」というプラカードを掲げている。それは私が書いたものです。また、哺乳瓶の乳首をコーラ瓶の口に取り付けた絵を描いたり。私も若い頃よりは落ち着いて、ユーモアを交えて<AKA SIX>を作っています。

-Simonさんが考えるCoolとは?

みんなが格好良いと思うものが格好良いのではなくて、それを身に着けている人物が格好良いから格好良いのだと思う。新しいからクールではなくて、パーソナリティがクールだからクールなんだと。それが今回のコレクション「Death of Cool」で伝えたいこと。新しいプロダクトだからクールではなくて、使う人の魅力がその物を格好よく感じさせて、だからクールになるんだと。例えて言うと、赤いドリズラーが格好いいんじゃなくてJames Deanが格好良いから、その服がクールだということ。私のブランドである<AKA SIX>は「一緒にTシャツを作りませんか」という、藤原ヒロシのメールから始まった。そのときのTシャツが好評を得て、またいくつかTシャツを作り、ジャケットも作りました。ここまでブランドが成長したのは彼の多大な協力があったからこそ。彼との友情が育ててくれたのです。

PUNKは、何も76年だけに起きたことではない。

この『PUNKS’ DEAD』では、エリザベス2世とチャウセスクを写した「Tea for Two」を最後のページに持ってきた。その意図は王室に対する私の怒りの表明。私はチャウセスクをひどい独裁者と認識している。でも、女王は国賓なら、誰とでもお茶を飲むだろう。英国文化の象徴であるお茶の時間を用いて訴えたメッセージなのです。

最後にひと言。私は、自分のやり方で変革してきたモーツァルトやピカソもPUNKだと考えます。PUNKは何も76年にだけ起こったことではない。これまでの歴史の中にはいつもPUNKな人々がいて、これからも現れるでしょう。だから、PUNKは抽象的な概念でしかない。この写真集が単なる歴史の産物として見られないことを願うし、これからの人たちに自分の道を歩むためのインスピレーションになってくれたらと思います。

-profile Simon Barker(サイモン・バーカー)
Malcom McLarenと交流をかわして、Sex Pistolsの親衛隊だった「THE BROMLEY CONTINGENT」の一員として活動。 PUNKとして知られることになるユース・カルチャーを形成していく重要人物。

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