齋藤剛(さいとう つよし)
株式会社 SOL代表取締役社長。仙台の美容専門学校卒業後、代官山、青山に店舗を持つ「DaB」に入社。“ブリーチの神様”と称される超高度なテクニックに定評があり、業界内外から注目を集める。一般誌、業界誌の撮影、セミナー講師として活躍中。punel共同代表・佐藤真那人と発信するオンラインサロン「SKILLS」の会員数は2200人を超え、美容室向けコンサルティングサービス「SALON META」を展開している。
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「表参道の角、青く輝く」
かつて「ティーズ原宿」だったGAP前はご存じの通り、ストリートスナップの有名なスポットだった。姿とかたちを変えて、2012年「東急プラザ表参道原宿*」が開業。
まもなく、私は美容師として働き始めて2年目くらい、同じ店の仲間たちと「東急プラザ表参道原宿」前でモデルハントに明け暮れていた。この頃が美容師時代の青春と言えばそうだったのだと思う。
店が休みの日こそ、モデルハントに時間をかけられるチャンス。今ではモデルハント自体難しいと言われている。ましてや休みの日に街へ出るなんて、考えられないのかもしれない。
けれど当時はまだまだ道行く人のリアクションも上々で、みんな楽しんでモデルハントに勤しんでいた。調子良くたくさんモデルハントできて余裕のある日は、上のスターバックスに行ってテラスで休憩。
やるときはやって成果が上がったら休む。今思えば、上手く自分たちで自分の機嫌をとりながら、知らず知らずタスクとリスクのバランスをコントロールし、マネジメントしていたとも言える。
当然、営業中にモデルハントしている時は他のお店に入っちゃダメというのが通例なんで言い訳ですけどね。時効ということで(笑)。
声をかけることは山ほど、でもスナップでなかなか声をかけられることは少なかった。たまーに「CHOKi CHOKi」に小さく掲載してもらったことがあるけど。同じ号にデッカく掲載されていた美容師の先輩から、今でもその時の誌面の写真がSNS経由で送られてきて、笑いの種となっている。
無理をしてでも、がむしゃらで夢中になれる。若く体力があるうちに、本当にそういう経験をして良かったと思うし、だからこその今があると思っている。個人的に思い返してみても、「辛かった」「苦しかった」よりも「楽しかった」が先に出てくる。それが、青春というものなのかも。
もうさすがに見慣れてしまったけれど、できたばかりの「東急プラザ表参道原宿」のエントランスは象徴的だった。キラキラと輝く鏡面に自分たちを映して。ここに映った自分たちが当時思い描いていた以上に、輝く人生をみんなが歩めているといいなあ。
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