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「フェアトレードではない取引は、取引ではなく搾取」 実態と言葉の意味を考える

「フェアトレードではない取引は、取引ではなく搾取」 実態と言葉の意味を考える

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 毎年、バレンタインデーが近づくと、SNSで必ず目にする写真がある。アフリカの農園で、痩せた子供が歯を食いしばって重いカカオの実を運んでいる姿を写した一枚だ。イベントに浮かれる人を揶揄(やゆ)する文脈で投稿されていることが多いが、見るたびに胸が痛くなる。

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 こうした児童労働や不公平な取引を是正するフェアトレードが、食品だけでなくファッションの分野にも広がっている。しかし、先日取材したアフリカ雑貨を販売する事業者の代表は、この言葉をなるべく使わないようにしているという。

 いわく「フェアトレードではない取引は、存在してはいけない。それは取引ではなく搾取だ」。確かにその通りで、本来は全ての取引が公正でお互いにとって利益をもたらすべきだ。フェアトレードという言葉を日常的に目にすること自体が、フェアではないことがまかり通っている実態を如実に表している。

 日本には古くから「三方よし」という、とても良い言葉がある。商売の基本は社会への貢献ということを、今一度胸に刻みたい。

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