タビオが1足約5000円の最高品質カシミヤ靴下を開発　世界へ発信

　タビオは、次の企業成長を目指し、新規に開発した商品を新しい販路に投入するプロジェクトをスタートした。「世界最高品質の靴下」を世界に発信するほか、健康や美を切り口にした商品を新たに開発、販売していく。

　最高品質の靴下は、「越智直正会長の遺志を具現化したもの」と越智勝寛社長。会長が世界の銘品カタログを見ていた時、靴下が無いことを嘆いた逸話を受けたものだ。「世界中の〝上質なもの〟と〝洗練された暮らし〟を楽しむ人たち」をターゲットとする。

　社長直轄のチームを作り、第1弾の開発をほぼ終えた。ユニセックスのカシミヤ商品となる予定で、1足5000円程度の価格を見込む。今年からECで先行販売し、世界中の高級百貨店などを開拓する計画。このカテゴリーの旗艦店開設も検討中だ。

　一方、健康や美を追求する商品は「さらなる輝きを目指す、付加価値の高い商品を求める人たち」を対象とする。現在、社内で広くアイデアを募っている段階。きちんとしたデータを確立した上で、外反母趾（ぼし）対応や着圧靴下などを処方箋（せん）薬局で展開する案などが出ている。今年中に具体的な戦略を固めていく。

　同社の25年2月期は過去最高水準の業績を確保。主力の店舗販売が堅調になってきたことに加え、ECやスポーツ卸・海外販売など近年取り組んできた事業が収益の柱に育っている。世界各地の政治・経済状況が不透明感を増す中、新規事業で収益の多様化を目指す。