
ベネデッタ・ボローリさん

19年にスタートしたイタリア製のレディスシューズ「ベネデッタ・ボローリ」は、現代的なエレガンスと履き心地の良さを両立し、グローバルビジネスを成長させている。今春から日本市場にアプローチする、デザイナーのベネデッタ・ボローリさんに考え方を聞いた。
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(須田渉美)
大学卒業後に子供向けのテレビ番組に携わっていましたが、靴に対する思い入れがあって、仕事を辞めて靴の専門学校に通いました。私自身、足の幅が広く、普通のパンプスでは足が痛くなることが多く、妹からも親指が長い足をきれいに見せるサンダルがないと聞いていたんです。履き心地の良さのニーズに向き合い、スタイルの良さを伴った靴を作りたいと思いました。
靴の専門学校に通った後、1年間、靴のデザインの専門家について学んだことが自分の視野を広げました。安定したヒールを作るためには、数学的な知識がないと形になりません。ブランドを象徴するヒールは、靴底に付けた三角形のパーツ、地面に接地するメタリックなパーツの二つを組み合わせた構造です。接地面積が広く、実際の高さを感じさせない安定した履き心地です。その形状は、00年代の高層ビルからインスピレーションを得、革靴の伝統的な物作りや文化に、モダンさを融合する発想で作りました。

二つのパーツを組み合わせた構造のヒール。パンプスやサンダルもある
工場は、ミラノ郊外のパラビアーゴにあります。自宅に近く、現場の職人と一緒に考えることはとても楽しく、頻繁に行き来しています。
毎シーズン、新しいコレクションを出す形式はとっていません。最近はサンダルもブーツも一年中売れるので、季節性は気にしていません。必要に応じてカプセルコレクションを出したり、アイデアがひらめいたら商品化したりと、メリハリのあるアプローチを大事にしています。今後は靴に限らず、何かコンセプトの明確なアイテムも作っていく方向です。
売り先は、イタリア国内とカタールが最も多く、EU圏と北欧、韓国向けに輸出しています。日本はどういった売り方や販路がいいか勉強しながら、一緒に成長していける小売店やパートナーを見つけたい。
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