

男女問わず定番アイテム化した色落ちジーンズに再注目。
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昨年急浮上したブラックジーンズが減少し、再び大定番アイテムへの回帰がはじまった?
ギャル=フェミニンなテイストの復活によってストリートのムードが大きく変化している2025年。ここ数年のプレサーベイでは、なんとなく男性のスタイルにばかり目がいく=メンズのファッションがトレンドを牽引していたのですが、今年は違います。街を観察していると、女性のスタイルにフレッシュさやおもしろみを見いだすことが増えているなと感じています。
カウントアイテム:女性アイボリー/生成色ウェア
カジュアル/ストリートからフェミニンへの揺り戻しはギャルとガールという両極のスタイルから進行
今月カウントアイテムとしたのは「女性アイボリー/生成色ウェアうちトップス」。2023〜24年にかけては圧倒的に黒が人気でしたが、秋頃からグレーが台頭、さらに今春は茶系のアウターも浮上。パキッとしたモノトーンカラーが減少し、曖昧でもやっとしたカラーが増加する流れで生成やアイボリーが久しぶりに登場したと考えられます。
定点観測で白/ベージュ系のカラーを取り上げるのは、2022/12の「女性白・アイボリー/オフホワイトアイテムうちアウター」以来。2021/4「男女オフホワイト/白」、2020/12「オフホワイト/冬の白」をテーマとしていたように、コロナ禍を経てベージュ~白系のカラーがマス化していった時期で、トレンチコートやボア素材ジャケットが定番化。「どんどん白くなる若者たち」と銘打った博報堂生活総研との共同研究も実施したほどでした。今年の白系カラーは、ふわっとしてかわいいイメージだった当時の白とはやや毛色が異なるように映ります。タイトなフィットやトランスペアレントな素材など、よりボディコンシャスでフェミニンなデザインが一般化していることに加え、主に韓国からの影響でトレンドとなったバレエコア、一部リバイバルの兆しがある森ガールなど、ガーリーなスタイルも増加中。カジュアル/ストリートからフェミニンなファッションへの揺り戻しが、ギャルとガールという両極のスタイルから進行しそうです。

(左)「いつも少年っぽい服を着ているので、大人っぽくてお姉さんぽいと思ってこのトップスを買いました」という大学生と、「川瀬智子の昔の姿が好き」という専門学校生の2人組(https://www.web-across.com/observe/ppce540000022e3p.html)(https://www.web-across.com/observe/ppce540000022e63.html)。 (右)カスタネのビスチェとワンピース、ロックフィッシュウェザーウェアのストラップシューズなどを着用した女性(https://www.web-across.com/observe/ppce540000022emt.html)。
ズームアップアイテム①:ストラップシューズ/メリージェーン
シューズのトレンドも移行期へ。フェミニン/ガーリーなテイストが台頭。
ここ数年、チャンキーでボリューミーなフォルム一辺倒だったシューズのトレンドがようやくひと段落。もちろん数量的にはまだまだストリートに残ってはいるものの、ポインテッドトゥのシューズやヒールのパンプス、ロングノーズっぽいローファーやミュールなど、今春は華奢なフォルムのシューズが増加しています。
なかでも今月注目したのが「ストラップシューズ/メリージェーン」。定点観測においては、2008/6「ストラップ靴うちヒール靴」以来久しぶりに取り上げるアイテム。グラディエーターサンダルやミュールなど、00sっぽいムードのリバイバルにマッチしたストラップシューズがハイブランドからも次々とリリースされています。あるいはその一方で、ガーリーなスタイルと不可分なメリージェーンも増加。森ガールやロリータ、『CUTiE』『Zipper』といったいわゆる青文字系雑誌のファッションが久しぶりに台頭。00sとの違いといえば、グラウンズ、アキコアオキなど厚底のメリージェーンが一般化しているという点。もちろん当時もヴィヴィアンウエストウッドの“ロッキンホース”やトーキョーボッパーなどプラットフォームシューズは大人気でしたが、ボリュームソールのマス化を経て、より違和感なくストリートの幅広い層に浸透しています。

(左)ラフォーレのメリージェニーで購入したストラップシューズを履いた大学生(https://www.web-across.com/observe/ppce540000022etz.html)。(右)「LITMUS、Shuryなどポップでフェミニンなショップが好き」というスタイリストの女性。シューズはアキコアオキ。(https://www.web-across.com/observe/ppce540000022ed9.html)。
ズームアップアイテム②:トラックジャケット
定番化したフーディーに代わってリラックス感のあるトップスとして人気に。
アディダスをはじめと主にした、ジャージー素材のタイプが基本的には多く見られました。ここ数年は同じジャージー素材でもどちらかと言えばトラックパンツが人気で、ニードルズのものが大ヒットしたのも記憶に新しいところ。スラックスのように革靴に合わせる上品な着こなしなども浮上し、新たな定番アイテムになった感もありましたが、ユニクロ:シーなどに代表されるスウェットパンツの大ブレイクのためか、昨年以降急激に減少してしまった印象があります。
しかし今年に入って代わって浮上してきたのがトラックジャケット。2016年頃のいわゆる“アスレジャー”的なスポーティーなムード、あるいは黒でまとめた“ヘルスゴス”的なムードを押し出した着こなしではなく、デニムと合わせた90sっぽい着こなしが中心。定番化したフーディーに代わってリラックス感のあるトップスとして着用されているようです。さらにカウントアイテムやズームアップ①の項でも再三触れてきたような、レースやフリルといったロマンティックでガーリーなテイストをミックスしたスタイルも多く見られました。今春浮上している赤やピンクといった差し色を取り入れるためのアイテムという一面もありそうで、脱・黒の流れにマッチしたトレンドとなっています。

(左)「最近流行っているので3年前に買ったジャージを着ました」という専門学校生(https://www.web-across.com/observe/ppce540000022ei1.html)。(右)ジエダのトラックスーツを着た会社員の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce540000022f3j.html)。
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