

老舗地下足袋メーカーの株式会社丸五は、歩きやすく足にやさしい足袋型シューズ「tabiRela(タビリラ)」のプレミアムモデルである「SANCHI tabiRela(サンチ タビリラ)」の新作を発売した。
第4弾となる今回は、三重県の伝統的な生地「伊勢木綿」に着目。その土地の物語を伝える一足が生まれた背景に迫る。
「SANCHI」が伝える産地の魅力と物語──250年続く伊勢木綿の風合い
「SANCHI」は丸五の定番シューズ「tabiRela」を通して、日本各地の魅力的な生地を、その産地や生産背景と共に紹介していくプロジェクトである。商品だけでなく、日本の各産地で生まれた生地の価値を発信していくことを目的としている。
今回の主役である伊勢木綿は、江戸時代から続く伝統的な織物だ。その歴史は古く、「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ」とうたわれた伊勢の国の中心地、津の周辺で生産されてきた。

伊勢木綿に使用する「単糸」
製造を担うのは、江戸中期から伊勢木綿を織り続ける臼井織布株式会社である。伊勢木綿は切れやすく織るのが難しい「単糸」というベーシックな糸をあえて使用し、昔ながらの豊田式力織機で丁寧に織り上げられる。
強く撚りをかけない弱撚糸で作られた生地はしなやかで肌触りがよく、保湿性や通気性にも優れる。使い込むほどに柔らかく味が出て、シワになりにくいのも大きな特徴だ。

臼井織布株式会社の伊勢木綿
100年の歴史が支える足袋型シューズの快適性
ベースとなる「tabiRela」は、2015年の発売以来、天然素材で足が整うシューズとして愛されてきた。現代人の固まりがちな足指を自然な形に開き、乱れがちな足裏のアーチが整うようサポートする。外反母趾に悩む人からも、足にやさしいと評価を得ている。
この快適さを生み出すのは、1919年創立の丸五が100年の歴史で培ってきた、地下足袋専用の木型(ラスト)である。

100年の歴史が詰まったラスト
この木型をベースに、指先に縫い目が当たらないよう1枚の布で立体的な空間に仕上げることで、長時間履いてもつま先が痛くならない構造を実現した。

足袋の底と甲の部分を縫い合わせる際に、縫い目が足袋の内側になるようにする「吊り込み」作業。繊細な技術が求められる
インソールには綿100%の刺し子を使用しており、素足で履いても心地よい。生産は岡山県倉敷市の自社工場で行われ、熟練の職人による繊細な技術によって一足ずつ時間をかけて作られている。

インソールには綿100%の刺し子を使用
表情豊かな伝統柄、伊勢木綿モデルのデザイン
新作のアッパーには伊勢木綿をぜいたくに使用。美しい伝統的な縞や格子柄は、粋なものから愛らしいものまでそろい、選ぶ楽しさがある。
「唐桟 -TOUSAN-」は江戸時代からの定番である紺色のストライプ柄、「七色格子 -NANAIROKOUSHI-」は緯糸(よこいと)の太さを周期的に変えて織り上げたチェック柄である。「千草 -CHIGUSA-」は、かつて四日市から京都へ向かう街道沿いの地で織られていた柄を採用している。
これら伝統的なデザインが、現代の装いに新たな彩りを添える。



上:「唐桟 -TOUSAN-」中:「七色格子 -NANAIROKOUSHI-」下:「千草 -CHIGUSA-」。各13,200円(税込)
「SANCHI tabiRela」は、単に快適なシューズというだけでなく、日本のものづくりの奥深さに触れるきっかけを与えてくれる。足元から伊勢木綿の柔らかな風合いを感じることで、250年続く伝統の物語をまとうような、特別な体験が得られるだろう。
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