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【平成ストリートスナップ】(1998年10月31日付)ストリートは「ミニ丈」ばかり

【平成ストリートスナップ】(1998年10月31日付)ストリートは「ミニ丈」ばかり

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 90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。

※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。

トレンドのロングに背を向け やっぱり見せたい長い脚

1998年10月31日付

 ニーレングスとロングスカートの動きが止まって、超ミニ丈のスカートやマイクロパンツが売れている。色も変化した。濃いピンクやブルーなどの鮮やかなカラーと、きれいな色を組み合わせたチェックだ。厚手のムートン調や毛布のようなアクリルを使ったミニスカートも出てきた。

 「ストレッチブーツに膝丈は合わないから」「長いスカートには興味ない」と、ストリートはミニばかり。お尻が見えそうなマイクロパンツで歩く女の子も。ショップでも「ニーレングスはとっくに止まった」「ショートパンツがぐんぐん飛ばしている」とミニ丈ばかりが売れている。

 渋谷109のショップなどで一番売れているスカートは38センチ丈。3~4センチの脇スリットが入っているものが多い。「毎週短くなってきて、34センチ丈も売れている」というのはメーカーのウウラ。色は売れ筋に対応できるよう、製品染めで出荷している。メーカーのウエルシーも「ロングが売れたのは秋口の3週間だけ。ブーツを履くようになると、やっぱりミニ。9月に入ってからは(ボトムは)ミニスカートしか生産していない」という。

 ショートパンツが売れているのは、ショップのヴァンスだ。太畝コーデュロイのベージュやピンク、ブルーがいい。ウェスタンスタイルの流れから、この秋の新鮮ボトムとして浮上した。「まだまだ上り坂です」。上には極太ニットのジャンパーやカウチンを合わせる。

 「ギャルズヴィル」(赤川英)は、超ミニ丈のマイクロパンツが好調。脇開きなので、すっきりぴっちりしたシルエット。フェイクレザーやヘビ柄などのハードでセクシーなもの。

 チェックのスカートも出てきた。赤やグレーが基調だった昨年のタータンチェックに代わってヒットしそうなのは、イエロー、ピンク、ブルーなどの鮮やかできれいな色を組み合わせたもの。マドラスチェックやブロックチェックが目立つ。

 もう一つの注目ボトムは、もこもこの厚手のフェイクムートンや、アクリル毛布のようなエスニック柄のミニスカート。ペーズリー柄のテープでトリミングしたものや、トッグルを飾りに使っているものもある。

 渋谷109の注目ショップ、ココルルで売れていることと、ムートンブーツが急浮上していることからヒットの気配十分だ。

《記者メモ》

 ストリートネタから取材先企業が広がることが多く、様々な話を聞き、それが大切な糧となっていました。スカートの丈が何センチか、商品を見ると大体分かるようになりました。

(赤間りか)

最終更新日:

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