磯村暖が個展「並行情報 (Informāre Pariter) ― プラスチックの中に、雲の中に」を、TAV GALLERYで開催する。会期は10月10日から11月1日まで。磯村が同ギャラリーで個展を行うのは、2016年の「地獄の星」以来約9年ぶりとなる。

　磯村は東京藝術大学を卒業。絵画、彫刻、映像、サウンドインスタレーションなど多様なメディアを横断しながら、人間の想像力と社会構造の関係を探る作品を発表してきた。近年は個展「恐竜は人間に進化しませんでした」（2024年）、「カ」（2023年）、「んがんたんぱ」（2020年）などを開催。「アジアアートビエンナーレ2021」への出展や、「TEDxUTokyo 2023」への登壇など、国内外で活動の幅を広げている。

　会場では、インタラクティブなシャボン玉を用いた大型インスタレーションを中心に、新作の絵画作品や、約500文字の詩を吹き口に見立てた映像作品などを発表。身体と風、言葉と情報のあいだに潜む目に見えない関係をテーマに据える。

　磯村は、今回の個展を「魂を宿した『風』であった言葉が、文字化によって『形』を与えられ情報となり、やがてジョルジュ・バタイユの『無形（informe）』の概念によって解体されていくその歴史的変遷を探求するもの」と説明。この3つの局面を連続するプロセスとして捉え直し、言語化される以前の身体から発せられる吐息や笑い声といった「風」の集積を「並行情報」として提示するという。情報社会における言葉のあり方を根源から問い直し、その逸脱と再構築を試みる実験的な場としている。

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ART

■磯村暖 個展「並行情報（Informāre Pariter）― プラスチックの中に、雲の中に」
会期：2025年10月10日（金）〜11月1日（土）
会場：TAV GALLERY
所在地：東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F
営業時間：13:00〜19:00
休廊日：日曜日、月曜日