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【国内主要百貨店】国慶節や気温低下が寄与、各社軒並み増収 秋物衣料も好調 25年10月度売上

国内大手百貨店6社のロゴのコラージュ

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【国内主要百貨店】国慶節や気温低下が寄与、各社軒並み増収 秋物衣料も好調 25年10月度売上

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 国内主要百貨店6社(三越伊勢丹、髙島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店、松屋、近鉄百貨店)の2025年10月度の既存店売上高をレポート。月後半からの気温低下や国慶節による客数増加などが寄与し、6社中5社が前年実績を超える結果に。秋物衣料に加え、国内・海外客への高額品売上の好調も目立った。

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※売上増減率は各社いずれも速報値を参照。
※売上は収益認識基準ではなく従来の総額売上高で開示。

大手百貨店2025年10月度売上高 前年同月比増減率一覧表


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三越伊勢丹:5.9%増

 三越伊勢丹の10月度売上高は、前年同月比5.9%増と前月に続きプラスで着地。エムアイカードと三越伊勢丹アプリの両方を連携させた会員である「MI W(エムアイダブル)メンバー」を中心に、エムアイカード会員、アプリ会員、デジタルID会員を合計した「識別顧客」が売上をけん引した。

 店舗別では、伊勢丹新宿本店(同4.8%増)と三越日本橋本店(同13.1%増)、三越銀座店(同5.7%増)の基幹3店舗は前年実績をクリア。一方、伊勢丹立川店(同2.4%減)、伊勢丹浦和店(同1.9%減)の2店舗は、9月に続き前年を下回った。

 国内客は、三越伊勢丹・カスタマープログラムの全ステージで売上が前年を超え、特に年間300万円以上のステージが大きく伸長。また、10月後半の気温の低下により防寒アイテムが好調に推移したほか、独自性のあるイベントの内覧日や特定顧客向けサービスが奏功し、売上増に貢献した。

 インバウンド客は、時計や化粧品などへの関心が高く、客単価の改善により前年実績を上回る結果に。CRM施策(海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」によるインセンティブなど)も売上拡大に繋がったという。

髙島屋:8.6%増

 髙島屋の10月度の国内百貨店既存店売上高は、前年同月比8.6%増と2ヶ月連続のプラスで推移。免税を除いた店頭売上高(同7.2%増)の好調に加え、免税売上高(同15.4%増)も大きく伸長した。

 国内客には、気温低下に伴い秋物衣料や雑貨などの売れ行きが好調だったほか、物産展等の催事も堅調に推移したことで、前年実績を更新。インバウンド客は、「国慶節」による客数増加に加え、化粧品やスポーツ、子供情報ホビーと、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品の売上が客単価を押し上げ、全体の売上向上に貢献した。

 店舗別では、大阪店(同12.2%増)、京都店(同10.4%、洛西店も含む)、日本橋店(同9.9%増)、横浜店(同6.4%増)、新宿店(同4.1%増)、玉川店(同15.8%増)、大宮店(同6.9%)、EC店(同17.2%増)が前年実績をクリア。商品別では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年を上回った。

大丸松坂屋百貨店:9.3%増

 大丸松坂屋百貨店の10月度は、前年同月比9.3%増で着地。訪日外国人売上が前年実績を大幅に上回ったことに加え、外商売上が好調を維持したことや、気温の急低下により秋冬物衣料品が動いたことなどから、2ヶ月連続の増収となった。

 店舗別では、改装効果が持続している松坂屋名古屋店(同12.6%増)や、免税売上が好調な大丸心斎橋店(同10.4%増)、大丸梅田店(同7.3%増)、大丸東京店(同6.2%増)、大丸神戸店(同9.3%増)など、13店舗中11店舗が前年実績をクリアした。

 免税売上高は、月前半の国慶節期間中に加えて月間を通じて大きく売上を伸ばし、同18.9%増(客数同19.1%増、客単価同0.2%減)となった。

阪急阪神百貨店:5.0%増

 阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖の影響が継続する中、国内客の売上高は前年を上回り好調に推移。インバウンド客の売上高は、国慶節期間およびそれ以降も好調を継続したことで、2025年2月以来初めて前年実績をクリアし、10月として過去最高の売上高を記録した。結果として、阪急阪神百貨店全体で、同5.0%増と9月に引き続き前年を上回った。

 阪神梅田本店は、5月の改装で導入したファッションブランドや大型専門店が引き続き好調なことに加え、11月のリニューアル完成に向けて改装が進む食品売場では徐々に売場移設や新ショップオープンが進み、同12.9%増となった。

 阪急本店では、全館の大型改装に伴う売場閉鎖の影響が継続する中、国内売上高は前年を上回り好調。また、免税売上高も海外VIP顧客がけん引して前年同月比約1割増となったことで、国内売上高、免税売上高、店舗売上高(同4.9%増)ともに10月として過去最高を更新した。

 大阪では、10月下旬まで夏日が続きコートやブーツなどは苦戦傾向だったが、ジャケットやセーターといった秋物衣料は堅調に推移。モードやインターナショナルファッション、イベントが好調なコンテンポラリーファッションなどは前年実績を上回った。また、宝飾品も前年の売上高を超え、特に宝飾品以外を含む100万円以上の高額品売上高が同約2割増と高伸長した。ブライダルニーズが引き続き好調なアクセサリーも、同約2割増と高い伸びを示した。

 そのほか、2週間開催した人気催事「英国フェア」では、全館改装に伴う展開面積の大幅縮小に対して、期間の前半と後半でテーマや出店ブランドの約8割を入れ替えるなど、売場の鮮度を維持。インフルエンサーを起用したSNS販促を強化したことで若年層客の来店にも繋がり、過去最高に迫る売上高となった。

松屋:7.4%減

 10月の松屋の売上高は、前年同月比7.4%減で着地。前年は大型文化催事を開催したことや、コンテンツ事業部の文化催事巡回展の売上計上が加わった分等の差異がマイナス要因となっており、それらを除くと、銀座店(同7.6%減)の売上高はほぼ前年並みだったという。

 免税売上高は、同9.2%減という結果に。今月以降は、シーズン性やオケージョンも含め、防寒衣料を軸とした冬物商材の展開に加え、免税売上高のさらなる復調を見込んでいるという。

近鉄百貨店:8.8%増

 近鉄百貨店の10月度は、前年同月比8.8%増で着地。全社合計の売上高が5ヶ月連続で前年実績を上回った。店舗別では、あべのハルカス近鉄本店(同2.9%増)をはじめ、10店舗中8店舗が前年実績をクリアした。

 あべのハルカス近鉄本店では、9階催会場で開催した「九州大物産展」や2階での菓子ブランドポップアップといった集客力のある催事が売上に貢献。また、13日の万博閉幕後も引き続き営業を続ける大阪・関西万博オフィシャルストアあべのハルカス店では、万博会場内店舗で販売していた商品などが人気を集め、目標を大きく超える売上で推移した結果、入店客数が同6.3%増となった。

 商品別では、月後半の気温低下とともに婦人服の秋冬物が本格的に動き出し、特にベストやジャケット、ブルゾンといったアウターや、ブーツなどが大きく売上を伸ばした。 

最終更新日:

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