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2025年1月にオープンした中国・杭州の店舗画像

「ゴールドウイン」、不況中国で富裕層を獲得 アウトドアブーム背景に

2025年1月にオープンした中国・杭州の店舗画像

2025年1月にオープンした中国・杭州の店舗

Image by: Goldwin

 ゴールドウインは、戦略ブランドとして強化中のオリジナルブランド「ゴールドウイン(Goldwin)」の中期計画、「ゴールドウイン500」の進捗を発表した。海外、特に近年アウトドア熱が高まっているという中国での出店を成長ドライバーに掲げ、2021年に北京に中国1号店を出店。現時点で中国のプロパー店舗数は8店。中国で毎年4~5店の出店を続け、2033年までにフランチャイズ含め70店まで拡大する。

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 ゴールドウイン社は、日本発のスポーツ・アウトドアメーカーとしてはアシックス、ミズノ、ヨネックスに次ぐ売り上げ規模(2025年3月期で1323億円)を誇る。ただし、売上高の大半を日本と韓国での商標権を持つに限られる「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」が占め、今後の成長のためにはグローバルで販売できるオリジナルブランドの育成が必須となっている。

2025年1月にオープンした中国・杭州の店舗画像
2025年1月にオープンした中国・杭州の店舗画像

杭州の店舗から。内装デザインは、現代美術家の杉本博司率いる新素材研究所の榊田倫之が担当

Image by: Goldwin

 ゴールドウインブランドとして、2025年3月期売上高実績は前期比45.4%増の44億円、営業損益は8億円の赤字だった。これを、中国を主軸とした積極出店により、2027年3月期に売上高100億円、黒字転換を目指し、2033年3月期に売上高500億円、営業利益率21%を掲げるのが、ゴールドウイン500のロードマップだ。

 競合ひしめく世界のスポーツウエア市場でゴールドウインブランドが目指すのは、「機能性とデザイン性を高次元で融合した、“プレミアムスポーツブランド”。機能性が高いだけでなく、同時にデザイン性も最大限に高めたアイテムを欲しがる声は間違いなくある」と、川田慎二ゴールドウイン常務執行役員ゴールドウイン事業本部長。

川田慎二ゴールドウイン常務執行役員ゴールドウイン事業本部長の画像
齊藤武ゴールドウイン チャイナCEOの画像

川田慎二ゴールドウイン常務執行役員ゴールドウイン事業本部長

Image by: FASHIONSNAP

 中国市場は、景況悪化でラグジュアリーブランドを中心に連日苦戦が報じられているが、「コロナ禍以降のアウトドアブームや政府によるスポーツ産業振興策などで、ゴールドウインが目指すプレミアムスポーツ市場は急成長を続けている」と齊藤武ゴールドウイン チャイナCEO。

 中国の商業施設では、アウトドアフロアではなくデザイナーズやラグジュアリーブランドの並びでも出店。サロンスペースを生かした丁寧な接客で富裕層を中心に顧客化を進め、「客単価は3000元(約6万円)、既に2万人を顧客化している」(齊藤CEO)。中国市場ではウィメンズアイテムへの引き合いが高いため、今後はユニセックスではないウィメンズの企画も強化していくという。

 中国だけでなく、2026年1月にはロンドン、2月にソウル、3月にソウルにも出店する。ロンドン、ニューヨークでは「多店舗化は考えておらず、旗艦店としての位置付け」(川田常務執行役員)。ソウルは、現時点で世界最大店となる予定で、開業に向けて韓国内の百貨店ではポップアップ展開も強化している。

最終更新日:

※1元=20円換算

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