

マストレンドについてはユニクロが基準となっていることに対して異論を持つ人はいないだろう。好き嫌いは別として。
マストレンドでもそうだし、店頭販売価格についてもユニクロが国内基準となっている。
以前にもこのブログで書いたが、メンズのスキニーパンツは、ユニクロ(ついでにジーユー、無印良品でも)で廃止になってしまったため、マストレンド市場では終わったアイテムだと考えられる。
今回はその続編のような形になってしまって申し訳ないのだが、いよいよ「ダウン入りアイテム」もマス市場では終わりに近づいているといえる。
何年か前からユニクロのダウン入りアウターの型数が減少してきており、パフテックと銘打った中綿入りアイテムの型数が年々増えてきた。
今秋冬はさらにその傾向が強まっており、店頭販売価格1万円未満の商品ではダウン入りアウターは数えるほどになってしまっている。
辛うじてインナー向けのウルトラライトダウンジャケット7990円がメンズとレディースで1型ずつ残っているだけである。ウルトラライトダウンベストは在庫処分値下げ3990円が1型残っているだけだから、これを売りつくしたら再販は無いだろう。
すでに昨年、一昨年あたりからインナー向けのノーカラーの軽量ウルトラライトダウンベストは廃止されて同じデザインで中綿入りベストに置き換わっている。
要するに、ユニクロは今後1万円未満の保温アウターとしてダウン入りは作らないということで、恐らく7990円のジャケットも来年秋か再来年秋には完全に同じデザインでパフテックジャケットに変わるだろう。
そんな中掲載されたまとめ記事がこれである。
ユニクロが高機能中綿「パフテック」を強化 ウルトラライトダウンから切り替え
「ユニクロ(UNIQLO)」が、次世代高機能中綿アウターの「パフテック(PUFFTECH)」の販売を強化している。ユニクロの軽量アウターと言えば「ウルトラライトダウン」が看板商品だが、「世界中で人気のウルトラライトダウンに代えて、パフテックで高機能軽量アウターのポジションを取る。軽量アウター分野は、今後ダウンからパフテックに切り替えていく」と、遠藤真廣ファーストリテイリンググループ執行役員は話す。
とあるが、先述したように2020年代に入ってからすでにこの動きは顕著だった。これは今年10月末の記事である。
すでに何年も前からジーユーではダウン入りアウターの取り扱いが無くなっていて、今の防寒アウターはすべて中綿入りである。
現在、市場に残っている1万円未満のダウン入りアウターは、タイオンだけではないかと思われる。
無印良品には3990円の軽量インナーダウンジャケットがメンズでは1型残っているが、これは2024年物である。恐らくは今秋冬に売り切ってしまえば、再販されることはないと考えられる。
また、メンズダウンジャケットは残っているが14900円であり、1万円未満の保温アウターではダウン入りは今秋冬は投入されておらず、すべて中綿入りに置き換わっている。
そういうわけで、1万円未満のダウン入りアウターが欲しければ、選択肢はほぼタイオンだけになっており、来年、再来年にはこの価格帯はタイオンの独占状態になると思われる。
20年前、30年前の中綿入りアウターはやっぱりダウン入りに大きく劣っている印象が強かった。暑がりなので保温性は置いておいても触感や見た目のシルエットはダウン入りに遠く及んでいなかった。
当時は5900円くらいでコンバースやファーストダウンのダウンジャケットがイズミヤの平場に存在したから、同じ値段ならコンバースやファーストダウンのダウンジャケットを買ったわけである。
しかし、ダウン材料の高騰、工場の工賃の高騰、円安基調などに加えて合繊技術の発達によって中綿素材の機能性が向上したため、ユニクロとジーユーに限らず、アウトドアブランドやスポーツブランドも徐々に、しかし、年々中綿入りアウターの企画生産数量を2010年代以降増やし続けてきた。
実際に、当方もユニクロのハイブリッドダウンパーカを買ってここ数年着用しているが、寒くて困ったということがない。おまけに触感も昔の中綿入りアウターと比べると雲泥の差で、ダウン入りアウターとあまり遜色がない。
そうなると、例えば水に濡れても機能性が落ちにくいとか、洗濯にする際にダウンよりも取扱いに気兼ねが無いという点を考えると、ハイブリッドダウンパーカくらいで十分ではないかと思えてくる。
今後、市場からはタイオン以外の1万円未満のダウンアウターは完全に姿を消すだろうと思われる。それにしても1万円未満の価格帯からダウン入りアウターが消えるという未来がこんなに早く実現するとは予想できなかった。
今、手元に1万円未満のダウンアウターが残っている人は希少品となっているため大事にしてもらいたいと思う。もちろん、当方も大事にあと10年くらいは使い続けたいと思っている。しかしながら、気に入ったデザインがあれば、今後は中綿入りアウターも積極的に買うことに全く躊躇が無くなったというのもまた事実である。
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