アシックスが、タイとスペインを中心にレース登録プラットフォームを提供するタイラン（Thairun）とデポチケット（Deporticket）の全株式を取得した。取得額は非公開。アシックスは、中期経営計画2026における重点戦略の一つとして「ランニングエコシステムの拡充」を掲げており、今回の買収もその一環。レースを軸とした“デジタル×パーソナル”なサービスを通してランナーをサポートし、ブランド体験価値の向上を目指す。

　タイランは、ランニングカテゴリーが急成長しているタイにおいて、最大手のレース登録およびイベント関連サービスを提供。デジタルサービスの開発力をはじめ、顔認識システム等を利用した独自のレースフォト事業、国内最大のランニングコミュニティを活用したメディア事業を行っている。

　デポチケットは、スペインでのシェア2位のスポーツイベントプラットフォームを運営。レース登録事業やウェブサイト制作を中心に行っており、スペイン国内のさまざまな大会でプラットフォームとして採用されている。

　「タイランはAI技術を使った大会でのフォトサービスなどに強みがある。デポチケットは少人数ながら優秀なデジタル人材を抱えており、グループ全体へのイノベーションの波及に期待する」と、富永満之アシックス社長COO。

　今回の2社の買収により、タイおよびスペインをはじめとする欧州ランナーとの接点を拡大。アシックスのメンバーシッププログラム「OneASICS」との連携によるECや店舗への誘導、同社がスポンサーを務める大会との連携を通して、グループ全体でブランド発信を強化し、商品認知の向上を図る。

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