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【国内主要百貨店】気温低下で秋冬衣料好調、免税売上は鈍化傾向も各社軒並み増収 25年11月度売上

国内大手百貨店6社のロゴのコラージュ

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 国内主要百貨店6社(三越伊勢丹、髙島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店、松屋、近鉄百貨店)の2025年11月度の既存店売上高をレポート。気温低下による秋冬物衣料の好調などが寄与し、6社中5社が前年実績を超える結果に。免税売上高には鈍化傾向が見られるも、日中関係の緊張の高まりによる大きな影響は現在のところ見受けられなかった。

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※売上増減率は各社いずれも速報値を参照。
※売上は収益認識基準ではなく従来の総額売上高で開示。

大手百貨店2025年11月度売上高 前年同月比増減率一覧表


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三越伊勢丹:1.4%増

 三越伊勢丹の11月度売上高は、前年同月比1.4%増で着地。国内客は、エムアイカード会員とアプリ会員、デジタルID会員を合計した「識別顧客」が引き続き売上をけん引した。海外客は、外商を中心に売上が伸長するなど、海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」を含めたCRM施策の効果が見られたという。

 店舗別では、伊勢丹新宿本店(同1.5%増)と三越日本橋本店(同4.0%増)の両本店が売上をけん引し、三越伊勢丹全体で3ヶ月連続で前年実績をクリア。伊勢丹立川店(同0.6%増)も前年を上回った。

 11月は気温の低下とともに、カシミヤなどの上質素材のコートやブルゾン、セーターといったシーズンアイテムが堅調に推移。また、商品供給力に強みのある高額時計についても、国内客・海外客ともに売上高が大きく伸びた。

髙島屋:3.7%増

 髙島屋の11月度の国内百貨店既存店売上高は、前年同月比3.7%増と3ヶ月連続のプラスで着地。免税売上高は前年実績未達となったものの、免税を除いた店頭売上高は好調だった。

 国内客は、気温低下に伴いコートなどの冬物衣料に動きがみられたことで、前年実績をクリア。インバウンド客は、化粧品や婦人服は前年と比べて好調に推移したものの、ラグジュアリーブランドをはじめとした高額品の売上がマイナスとなった。

 店舗別では、大阪店(同7.1%増)、京都店(同6.0%増、洛西店も含む)、日本橋店(同3.0%増)、新宿店(同0.9%増)、玉川店(同8.5%増)、EC店(同15.5%増)など、11店舗中9店舗が前年実績をクリア。商品別では、紳士服、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子供情報ホビー、スポーツ、食料品、食堂が前年を上回った。

大丸松坂屋百貨店:5.1%増

 大丸松坂屋百貨店の11月度は、前年同月比5.1%増で推移。休日数が前年同月と比べて2日増だったことに加え、訪日外国人売上や外商売上が好調を維持したこと、気温低下に伴い秋冬物衣料品が活発に動いたことなどから、3ヶ月連続の増収となった。

 店舗別では、外商売上が好調な大丸心斎橋店(同17.7%増)をはじめ、大丸東京店(同4.0%増)や、大丸神戸店(同6.1%増)、大丸札幌店(同2.2%増)など、13店舗中11店舗が前年実績をクリアした。

 免税売上高は、客数・客単価ともに前年実績を上回ったことから、同13.6%増(客数同9.9%増、客単価同3.4%増)となった。

阪急阪神百貨店:3.6%増

 阪急阪神百貨店の11月度は、前年同月比3.6%増で着地。阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖の影響が継続する中、国内客の売上高が都心店・郊外店ともに前年を上回り好調に推移した。一方、免税売上高は前年をやや下回る結果に。月間の中国人客の免税売上高は前年を上回ったが、日中関係の緊張の高まりの影響もあり、11月後半は海外VIP顧客以外の訪日客の売上高が約2割減と前年を大きく下回る推移となった。

 段階的に改装を実施していた阪神梅田本店では、地下1階と1階の食品フロアがリニューアルオープン。全国各地のローカルフードの品揃え拡充や、全国初出店ブランドを誘致し話題性強化に努めたことなどにより、食品物販の売上高が約2割増と前年を大きく上回った。店舗全体としても、同23.3%増と売上好調だった。

 阪急本店では、6階のフロア全体の閉鎖など、全館の大型改装に伴う売場閉鎖の影響が継続する中、国内売上高は前年を上回り好調。店舗全体(同0.7%増)として、売上高で2ヶ月連続過去最高を更新した。

 同店では、11月に入り最高気温が20度を下回る日が増えたことで、ジャケットやコートなど秋冬衣料が好調に推移。モードファッションでは約3割増、コンテンポラリーファッションでは約2割増と、前年の売上高に対して高い伸びを示した。また、アクセサリーでは引き続きブライダルニーズが好調で、前年の売上高に対して約1割増の結果に。100万円以上の高額品の売上高も同約1割増となり、全体の売上高を下支えした。

松屋:2.2%減

 11月の松屋の売上高は、前年同月比2.2%減で着地。免税売上高は同15%減だったが、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことによる大きな影響は、現段階では見受けられていないという。

 一方、免税を除く国内客の売上高は同9.5%増と好調に推移し、銀座店(同1.2%減)全体の売上をけん引。今後は、免税売上高への柔軟な対応に注力しながら、基盤となる国内客の来店促進策を含めた各種施策と売上拡大に努めるという。

近鉄百貨店:1.5%増

 近鉄百貨店の11月度は、前年同月比1.5%増で推移。全社合計の売上高は6ヶ月連続で前年実績を上回った。店舗別では、あべのハルカス近鉄本店(同2.7%増)をはじめ、10店舗中6店舗が前年実績をクリアした。

 あべのハルカス近鉄本店では、例年より早期に装飾展開したクリスマスフェアが奏功し、婦人服、婦人洋品、子供服、食料品が好調。全体の業績をけん引した。また、各階で展開したクリスマスマルシェやポップアップなどが寄与し、入店客数も同1.7%増と伸びた。

 商品別では、クリスマス関連商品を中心に洋菓子の売上が伸びたほか、気温の低下に伴い、婦人服のコートやジャケット、手袋などの防寒具が好調に推移した。

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