
Image by: FASHIONSNAP

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構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を手掛けるバイオベンチャーのスパイバー(Spiber)が、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の長女で、ブランドコンサルティングを手掛けるBOLDの川名麻耶代表取締役CEOから事業支援を受けると発表した。2026年上期を目処に支援を実施するという。
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スパイバーは関山和秀社長が2007年に創業した、山形・鶴岡を本拠地とするバイオベンチャー。ブリュード・プロテインは、石油由来ではなく、微生物を活用して主に植物由来の糖類(グルコースやスクロース)を原料に発酵生産によって作る次世代の繊維として注目を集めている。2015年に出資・共同研究を開始したゴールドウインをはじめ、アパレル企業や自動車メーカーなどの間で、ブリュード・プロテインを採用する動きは広がりつつあり、タイに量産プラントも持つ。ただし、2024年12月期のスパイバーの決算公告には、2025年12月28日を返済期限とする多額の借入金のために「継続企業の前提に重要な疑義(ゴーイングコンサーン)」と注記されていた。報道によると、米国でのプラント建設計画の資材高騰などが重荷になっていた。
川名CEOは事業支援契約の締結にあたり、スパイバーについて「これまではサステナブル文脈のみでその強みが語られることが多く、また発展途上にある生産体制から、その世界的評価と社会実装の足並みが揃わない部分もあった」とコメント。「(ブリュード・プロテインの)生産キャパシティ、設備投資、経営資源の効率的な再配分、営業戦略の再設定により、経済的持続性を保有する形での成長を実現できる」「日本を代表し世界を変える可能性のある技術は『長期的に支えて育てていくべきである』という使命感と同時に、私自身が長年抱いてきたファッション産業のイノベーション構想と高い親和性がある」としている。
川名CEOはゴールドマン・サックス証券出身で、ビジネス・ブレークスルー(現Aoba-BBT)やAfiniti Japanで勤務。2019年12月に、ブランディングと投資を手掛けるBOLDを設立した。2021年からは立命館大学の客員研究員・教授を務め、現在ではDesign Future JapanとAiロボティクスの社外取締役も兼任している。
孫正義氏の長女だと明かしたことについては、「企業売却やIPOといった短期的なキャピタルゲインを前提とせず、世界のバイオベンチャーシーンを代表する企業として育てあげるための本質的な取り組みに集中できる立場であること、そのための意思決定を迅速に行える環境にあることを明確に伝えるため」という。
最終更新日:
◾️スパイバー:公式サイト
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