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コンシューマー・リポート調査で判明 米国の食料品は「店選び」で価格差

コンシューマーレポート最新号の特集「食料品で大きく節約せよ(SAVE BIG ON GROCERIES)」。同じ食料品でも、どのスーパーを選ぶかで価格が大きく変わる──インフレ時代のアメリカでは、店選びそのものが最大の節約術になっている。

コンシューマーレポート最新号の特集「食料品で大きく節約せよ(SAVE BIG ON GROCERIES)」。同じ食料品でも、どのスーパーを選ぶかで価格が大きく変わる──インフレ時代のアメリカでは、店選びそのものが最大の節約術になっている。

コンシューマーレポート最新号の特集「食料品で大きく節約せよ(SAVE BIG ON GROCERIES)」。同じ食料品でも、どのスーパーを選ぶかで価格が大きく変わる──インフレ時代のアメリカでは、店選びそのものが最大の節約術になっている。

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

食料品価格の高騰が止まらない。アメリカの消費者はかつてないほど、どこで買い物をするかに神経を尖らせている。

コンシューマーレポートが実施した最新の調査によると、同じ品目の買い物でも、店選び一つで家計へのインパクトが劇的に変わることが明らかになった。

忍び寄るインフレの影と消費者の苦悩

かつては高級な輸入チーズを楽しんでいた消費者も、今では日常の食卓を守るために戦略的な店選びを余儀なくされている。

労働統計局(Bureau of Labor Statistics)のデータによれば、2020年から2023年の間に、ひき肉の価格は24パーセントも上昇した。

家賃や自動車保険料など、他の固定費を削減するのは容易ではないが、食費については店を賢く選ぶことで、年間で大きな節約が可能になる。

ストラテジック・リソース・グループ(Strategic Resource Group)のエキスパートによれば、どの店をメインにするかが家計の命運を握っている。

都市別に見るチェーンストアの圧倒的な価格差

コンシューマーレポートが全米5つの主要都市で、同じ96品目の価格を調査した結果、店による格差は一目瞭然だ。

シカゴでは、ウォルマートの合計金額が225.48ドル(約33,822円)であったのに対し、ジュエル・オスコ(Jewel-Osco)は282.53ドル(約42,380円)と、25パーセント以上の開きがあった。

ダラスやロサンゼルスでは、ウィンコフード(WinCo Foods)が圧倒的な安さを見せている。ダラスでのウィンコフードの価格は187.18ドル(約28,077円)で、最も高かったエル・ランチョ(El Rancho)の229.28ドル(約34,392円)を大きく下回っている。

また、ボストンでは、ウォルマート・スーパーセンターが207.90ドル(約31,185円)だったのに対し、ショーズ(Shaw's)は278.14ドル(約41,721円)と、同じ品物を買っているにもかかわらず、日本円にして1万円以上の差が出ているのだ。

ウェアハウスクラブとビッグボックスの優位性

安さを追求する上で、コストコやサムズクラブといったウェアハウスクラブの存在は無視できない。

これらはユニット単価で見れば、最も安価に商品を提供している。年間会費はかかるものの、バルク買い(まとめ買い)を駆使すれば、その恩恵は大きい。

一方で、ターゲットやウォルマートのような"ビッグボックスストア"も、圧倒的な購買力と効率的な物流網を武器に、非常に高いバリューを提供している。

特にウォルマートは、都市部であっても郊外であっても、常に価格競争の最前線に立っている。これらの店舗は、生鮮食品から日用品までワンストップで揃う利便性も兼ね備えている。

アルディとトレーダージョーズの独自戦略

一般的なスーパーマーケットが数万点の品揃えを誇る中で、アルディやトレーダージョーズは品目数を絞り、プライベートブランドに注力することで低価格を実現している。

アルディでは取扱商品の約90パーセントが自社ブランドであり、これにより品質を維持しながらコストを極限まで抑えている。

トレーダージョーズもまた、独自のファン層を持ちながら、ウィンコフードに匹敵する低価格を維持している点は注目に値する。

スーパーマーケットチェーン最大手であるクローガーやその傘下のハリス・ティーターなどは、これら低価格リーダーたちと、ホールフーズのような高級店との間で厳しい戦いを強いられている。

賢い消費者のための実践的節約術

価格を抑えるための秘策は、店選びだけにとどまらない。店独自のブランド、いわゆるストアブランド(プライベートブランド)を選択することは、ナショナルブランドに比べて20パーセントから25パーセントの節約につながる

また、冷凍の農産物を活用することも有効だ。冷凍野菜やフルーツは、新鮮なものと同等の栄養価を持ちながら、価格ははるかに手頃で、廃棄のリスクも低い。

さらに、ユニットプライス(単位あたり価格)を確認することで、一見安く見える大容量パックが本当に得なのかを見極める習慣をつけることが重要だ。

特売品を追跡し、卵が1ダース50セント(約75円)以下になるような「ロスリーダー(目玉商品)」を狙って店を使い分けるのも、アメリカの買い物達者たちの常套手段となっている。

デリバリーサービスのコストに注意

利便性の高いインスタカートやドアダッシュ、ウーバーイーツといったデリバリーサービスだが、節約を優先するならば慎重な利用が求められる。

配送料やチップに加え、店内の価格よりも15パーセント程度高く設定されているケースが多いからだ。どうしても利用する場合は、ウォルマートなどのサブスクリプションサービスを活用することで、配送ごとの手数料を抑える工夫が必要だ。

インフレという厳しい局面において、アメリカの小売業界はまさに戦国時代の様相を呈している。

消費者はブランドへの忠誠心よりも、実質的な価値を重視するようになっている。店側もまた、そのニーズに応えるべく、価格と利便性のバランスを追求し続けている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です!

いまアメリカの食品スーパーは、まるで「同じ弁当なのに、駅ナカと高速道路のサービスエリアで値段が違う」状態に突入しています。

最新の調査では、同じ96品目を買っても、ウォルマートやウィンコフードのような価格リーダーと、地域密着型スーパーとでは、日本円にして1万円以上の差が出るケースが珍しくありません。

家賃や保険料といった固定費は簡単に削れませんが、食費は店選び次第でまだ戦える領域です。

コストコやサムズクラブのまとめ買い、アルディやトレーダージョーズの品数を絞ったプライベートブランド戦略は、インフレ時代の合理的な防衛策と言えるでしょう。

一方で、インスタカートやドアダッシュなどのデリバリーは便利な反面、気づけば財布から小銭が消えていく“魔法”のような存在です。

いまのアメリカ小売は、ブランド忠誠心より「いくらで腹が満たせるか」が問われる戦国時代。

とはいえ、スーパーをはしごし過ぎてガソリン代がかさめば本末転倒です。結局いちばん高くつくのは、節約しようとして迷子になる時間かもしれませんね。

最終更新日:

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