
2019年に発売した、ゴールドウインとスパイバーの共同開発によるクモの糸を使った限定50着の「ムーン・パーカ」
Image by: FASHIONSNAP
スパイバーが経営体制刷新 孫正義氏長女の川名麻耶氏がCEOに就任、創業者の関山和秀氏らは「主席研究員」に

2019年に発売した、ゴールドウインとスパイバーの共同開発によるクモの糸を使った限定50着の「ムーン・パーカ」
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構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を手掛けるバイオベンチャーのスパイバー(Spiber)が、4月1日付で新たな経営体制のもとで始動した。具体的には、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の長女で、ブランドコンサルティングを手掛ける企業を経営する川名麻耶氏が新たに設立した「CRANE」を通じて事業を譲受し、同氏が事業戦略および全社的なガバナンス構築の全責任を担うことで事業の早期収益化を主導する。
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旧スパイバーは、クモの糸の人工合成の研究を行っていた関山和秀氏が慶應義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程在学中の2007年9月に学生時代の仲間とともに設立。2013年に世界初の合成クモ糸繊維の量産化に関する基礎技術の確立に成功した。現在は、人工クモの糸「クモノス(QMONOS)」をアップデートさせた構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン素材」を軸に、環境負荷を抑えた素材を開発している。
クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)から多額の出資を受けるなど、同社の技術力とポテンシャルは高く評価され、これまでに1000億円以上を調達した。しかしコロナ禍や円安を背景にした材料費高騰が痛手となり赤字決算が継続。複数媒体の報道によると、2025年12月期の最終損益は400億円超の赤字を計上し、大幅な債務超過に陥っていた。マザープラントとなるタイの工場に続く米国での工場建設のため約400億円を借り入れていたが、2025年末の返済期限が迫り、最終的には川名氏の事業支援のもと再建を目指すこととなった。
新生スパイバーは米国事業など一部の事業を除いて事業を継承。代表取締役CEOは川名氏が務める。旧スパイバーを率いた関山氏と共同創業者の菅原潤⼀氏は経営の⼀線を退き、主席研究員として同社に在籍。両名が独⾃の技術知⾒を最⼤限に活⽤した「技術的課題の即時解決」および「製品化プロセスの最適化」に注⼒することにより、川名氏は「研究開発の連続性を担保しつつ、社会実装に向けた技術的なボトルネックを迅速に解消する体制」を構築したとしている。川名氏は「鶴岡が⽣んだこの希望の⽕を絶やすことなく、スパイバーという『⼤器』を、必ずや世界に誇れる完成形へと導いてまいる所存」とコメント。なお、戦略パートナーにはゴールドウインをはじめ、アデランスや小松マテーレ、島精機製作所など、旧スパイバーに出資していた企業が再び名を連ねている。
新経営体制への移行に伴い、旧スパイバーは私的整理に入ると報じられている。東京商工リサーチによると、旧スパイバーは構造タンパク質事業資産管理に商号を変更し、資産の換価手続きなどに入った後、米国子会社の清算終了を経て特別清算の手続きに入る見通しだという。
■新生スパイバー執行役員
CEO:川名麻耶
戦略財務責任者:Daniel Meyer
人事・総務責任者:平親かおり
研究開発責任者:Li Jiang
事業開発責任者:滝越潤
製造責任者:室隆之
ブランド&コミュニケーション責任者:海部洋
■戦略パートナー
アデランス
天野エンザイム
カジグループ
兼松
関西ペイント
慶應義塾⼤学先端⽣命科学研究所
KISCO
小島プレス工業
小松マテーレ
ゴールドウイン
島精機製作所
⻑⾕⻁紡績
三井住友建設
最終更新日:
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