60年代ファッションに注目<14年秋冬>

pierre cardin 2014-15年秋冬コレクション
pierre cardin 2014-15年秋冬コレクション

 ほぼ半世紀前に当たる1960年代ファッションがおしゃれテーマとして急浮上してきた。60年代ロンドンは若々しさと喧噪にあふれ、「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれた。当時を象徴するモッズルックをはじめとする60s(シックスティーズ)の気分がこのところの主要コレクションでインスピレーションソースになっている。60年代にモードを革新したブランドが当時のアーカイブを再創造する動きも目立つ。ただし、いずれも当時の空気感を漂わせながらも、現代的なモダンスタイリングに落とし込んで、レトロクールな風情にアレンジ。懐かしさとモード感を両立させている。(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江

 ザ・ビートルズが初めての米国ツアーで各地の会場を熱狂させたのは、ちょうど50年前の64年。「ミニスカートの女王」と称されたモデルのツィッギーは67年に来日している。英国モッズのムーブメントは60年代半ばまで勢いづいた。どれもほぼ半世紀も前の出来事だが、時を隔てて当時の装いはヴィンテージ感を帯び、リミックス的アレンジの余地が広がってきた。


 「Ralph Lauren(ラルフ ローレン)」は2014年春夏コレクションでモッズ時代とスウィンギング・ロンドンの精神をテーマに据えた。ビートルズがアルバム「Abbey Road」のジャケット写真に使ったあの有名な横断歩道で撮ったイメージフォトも披露した。「beautiful people(ビューティフル ピープル)」も2014-15年秋冬コレクションでロックバンドのメンバーとそのパートナー、愛人、グルーピーたちの装いを打ち出した。60年代英国のざわめきを映す、サイケデリック感も漂うロックな装い。チェック柄やトレンチコートなどを盛り込んで、英国トラッドの風情を引き寄せている。


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 「MARY QUANT(マリークヮント)」と並んで、60年代にミニスカートを広める立役者となった「courreges(クレージュ)」は60sスタイルをモダンに進化させ続けている。アイコニックなミニドレスは今も健在だ。展示会の壁にはアーカイブの歴史的写真も飾られ、当時の雰囲気を濃くした。プレタポルテ(高級既製服)の先駆けとなった「pierre cardin(ピエール カルダン)」は幾何学的なシルエットの宇宙服ルックやユニセックスのスタイリングで一世を風靡した。未来感覚のエッセンスは、展示会でお披露目された14-15年秋冬コレクションにも息づいていて、ジオメトリックなフォルムやミニマルなカッティングを目に残した。

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courreges 2014-15年秋冬コレクション


 米国ポップアートの黄金時代と言える60年代へのオマージュを捧げたのは、Jeremy Scott(ジェレミー・スコット)氏の「MOSCHINO(モスキーノ)」。ポップアートの手法を駆使して、有名ハンバーガーチェーンのロゴをもじったと見えるキッチュな作品を発表して賞賛を浴びた。大御所ブランド「CHANEL(シャネル)」も14-15年秋冬コレクションでスーパーマーケットを模したセットの中でランウェイショーを披露。カール・ラガーフェルド氏は「私にとってスーパーマーケットは現代のポップアートだ」と語った。


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