NYブルックリンが今なぜ注目されているのか?ブームを読み解く

映画「はじまりのうた」
映画「はじまりのうた」
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 ニューヨーク市のブルックリン(Brooklyn)地区がファッションの発信地として熱気を帯びている。摩天楼のマンハッタンとは違い、高層の建物も少ないブルックリンでは、いくらかのんびりした気風があり、等身大の気取らないライフスタイルが好まれてきた。そのフレンドリー気分や住みやすさを求めて新鋭デザイナーやアーティストが相次いで拠点を構え、「ブルックリン発」のブランドも増えている。(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江

 ニューヨーク市は5つの区からなる。五番街が中央を走るマンハッタンが有名だが、ブルックリン区はイースト川をはさんでマンハッタンの東側に位置する。1990年代以降、安い家賃や住みやすい環境を求めてアーティストが移り住んだ。かつてダウンタウンのソーホー地区にも同じような現象が起きたが、マンハッタンの家賃高騰を嫌って、川を渡って隣のブルックリンに住む人が増えた。

■手作りと職人気質

 ブルックリンの持ち味は、ビジネス至上主義やリッチテイストが色濃いマンハッタンとは異なる、のどかで気張らない雰囲気にある。手作りを重んじる気風もブルックリンの特質。好みのパーツを組み合わせて、自分だけのオリジナルアクセサリーを作れる「ブルックリンチャーム(BROOKLYN CHARM)」は、そのハンドメイド志向を物語る。日本には2014年5月、東京・原宿に第1号店をオープン。ルミネ新宿、池袋パルコ店、東京スカイツリータウン・ソラマチにも相次いでショップを開いた。

 バーニーズ ニューヨークは2015年春夏シーズンから、ブルックリン発のブランド「エース&ジグ(ace & jig)」を取り扱い始める。手織りで仕上げたやさしげな風合いに特徴がある。カラフルでありながら、どこかノスタルジックなプリントが今のエフォートレス気分になじむ。ワンピースや羽織り物、スカートなどを扱う。生地にこだわるのは、クラフトマンシップを重んじるブルックリンブランドの共通点でもある。

>>ace & jig 公式サイト

 「ミセス ジャーミン(Mrs Jermyn)」も、ブルックリンを拠点とするブランド。アイコン的な商品がクマ形クッションの「MR TEDI」だ。シャツをリメイクしたハンドメイドの1点物。ブルックリンにあるアトリエで制作されているという。「MR TEDI」は、2014年11月に伊勢丹新宿店が開催したNYフェア「MY NEW YORK LIFE AT ISETAN MEN'S」でも披露された。フィンランド出身のデザイナー、アニカ・ジャーミン(Annika Jermyn)氏が手掛けている。

>>Mrs Jermyn 公式サイト

 生活感を隠さないライフスタイルは、ブルックリンのオープンマインドを示す。エプロンとバッグを主力商品とする「スタンリー&サンズ(Stanley & Sons)」は、そんなブルックリンらしいブランド。デザイナーの祖父が業務用のエプロンやバッグを作る職人だったことから、やや武骨な職人気質や手仕事の温かみを感じさせるアイテムを、ブルックリンの工房から生み出し続けている。使い込むうちに味が出てくるという、経年変化、エイジングを最初から織り込んだこしらえに人気を高い。とりわけエプロンは質実剛健な風合いを好む料理や庭仕事、バーベキュー好きの男性から支持を集めている。

>>Stanley & Sons 公式サイト

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