55万人来場「コミックマーケット83」世界最大のカオスなサブカル空間をレポート

「コミケ83」に行ってみた
「コミケ83」に行ってみた
Image by: Fashionsnap.com
 世界最大の同人誌即売会で、年末恒例のイベント"冬コミ"こと「第83回コミックマーケット」が、12月29日~31日の3日間にわたって開催されました。これまでの"冬コミ"来場者数を大幅に記録更新したという今回は、アパレルブランドのブース出展やコスプレエリアの拡大など、コンテンツがパワーアップ。寒空の下、会場の東京ビッグサイトに全国からアニメ・マンガファンが集まる「コミケ」には、一体どんな魅力が隠されているのか?企業、同人誌、コスプレの3つのエリアに分けて、世界最大のカオスなサブカル空間をレポートします。

 夏と冬、年に2回開催されている「コミケ」は40年弱の歴史を持ち、毎回50万人前後の参加者と3万5000の参加サークルを集める世界最大規模の同人誌即売会。今では日本有数の巨大コンペティション施設「東京ビッグサイト」を会場として利用している「コミケ」ですが、1975年の第1回目は虎ノ門裏通りの「日本消防会館」を貸し切って1日限定で開催したそう。ファッション業界ではジーンズの大流行と平行し、「an・an」や「JJ」など続々と創刊されるファッション誌で「ニュートラ」と呼ばれる神戸のお嬢様風スタイルが取り上げられ一大ムーブメントを巻き起こしていた時期です。初回「コミケ」の参加者は700人、参加サークル数はわずか32。今回の「コミケ83」は冬コミ史上最多となる55万人が来場したということで、当時と今の数字からも成長の軌跡が読み取れます。


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会場最寄り駅はりんかい線「国際展示場」駅とゆりかもめ「国際展示場正門」駅の2つ。近くには「お台場ヴィーナスフォート」や「ダイバーシティ東京」があるお台場ベイエリアのお買い物スポットです。

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今回は「国際展示場」駅をスタート地点に、会場まで人波にのまれつつ出発します。

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駅を出るとまず、右手にあるローソンの様子がいつもと違うことに気づきました。店内にはウイダーinゼリーやレッドブルなど非常食がずらり。ここでみなさん、しっかりと戦闘態勢を整えます。

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「働いたら負け」の文字。

店頭には、ちょっとセクシーなコスプレイヤーの姿もありました。

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「国際展示場」駅から東京ビッグサイトまでは徒歩約7分。

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この日、カラーコーンが並べられた写真手前の広場には早朝から5万人以上の徹夜組の参加者が並ばれていたとか。階段左手が入場者用、右手が退場する人の通路になっています。朝10時の開場後、正午を回ると徐々にこの右手側の行列が長くなっていくようです。

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階段を上ると、いよいよ入場口のエントランスプラザに到着。

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左側には今回の「コミケ」情報を凝縮したオリジナルカタログの販売テントを発見。当日の会場販売以外に、会期直前から全国の対象店舗やインターネットなどでも取り扱いしています。「コミケ」には入場無料で参加できますが、初参加の方は是非、オリジナルカタログをゲットした方が良いとのことです。

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■企業ブース
コミックマーケット準備会は、企業のための出展ブースの設置を1996年冬の「コミックマーケット51」から本格スタート。開設当初は認知度の低さから集客はあまりなかったものの、回を重ねるごとに参加者や出展企業が増加。参加企業はマンガやアニメ、ゲーム等のコンテンツホルダーから旅行代理店や運輸、テレビ局・レコード制作会社、音楽出版社、芸能事務所まで幅広く、現在ではGoogleや日本マイクロソフトなど大手企業の参入も目立ち、同人誌エリアやコスプレエリアと並ぶ人気コンテンツになっているそうです。

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エントランスを埋め尽くす長蛇の列に遭遇。

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思わずスタッフの方に何の行列か聞いてみると、「企業ブースのアイテムを買うために並んでいる参加者です。どのブースがどの列というのは説明しづらいくらい混雑しています」と教えてくれました。ちなみに会場で案内係や清掃をするスタッフ約3000人は有志によるボランティアが多いそう。「コミケ」では、サークル参加者、一般参加者、スタッフ参加者と、来場者すべてが「参加者」と呼ばれています。意識を共有することで、この一体感が生まれているんですね。

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見るだけであれば、並ばずに企業ブースのフロアに入ることが出来ます。まさに「大混雑」中、まず見えてきたのは初出展の「niconico」ブース。参加者たちがカメラに向かって自分の戦利品をアピールするニコニコ動画の生放送番組を行っていました。「niconico」を運営するドワンゴは、六本木のクラブ「ベルファーレ」跡地を、2011年に「ニコファーレ」としてライブハウスにリニューアルしたことでも話題となりましたね。

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「niconico」と同じく日本マイクロソフトも初出展。同社が展開する萌えキャラ「クラウディア・窓辺」の限定グッズのほか、アニメキャラクターとコラボレーションしたカスタムPCなどを販売。日本マイクロソフトは、「コミケ」に関する様々な情報を参加者に提供するカタログサービス「コミケWebカタログ」の構築のために同社のクラウドサービス「ウィンドウズアジュール」をイベントに提供していて、これまでは当日会場に行かないと分からなかった出展者情報をパソコンやスマートフォンから確認することができるようになるそうです。本格始動は2013年。

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抱き枕がとても人気だという「魔法少女リリカルなのは」は開催2日目で全ての商品が完売。

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「pixiv」のブース前では水色のマスクをした集団を発見。「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」を手がける株式会社せーのの新ブランド「gonoturn(ゴノタン)」と初音ミクがコラボレーションしたツインテール仕様のミニマスクでした。

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メイド姿の売り子さんが身に付けるとこんな感じです。

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「gonoturn」の公式サイトでは、ノーマルバージョンのEC販売も。インフルエンザが本格流行するこれからの季節、大活躍ですね。

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人ごみをかき分け、もう一つの気になるブースに向かいます。夏コミに続いて2度連続出展となる「earth music&ecology(アース ミュージック&エコロジー)」による「earth music&ecology Japan Label(アース ミュージック&エコロジー ジャパンレーベル)」の販売ブースです。

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他のブースと全く違うところは、女子率の高さ。スタッフの方も全員女性でした。

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「gonoturn」と同じく、「earth music&ecology」も初音ミクとコラボレーション。"電子の歌姫"は依然人気度が高いようです。

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■同人誌エリア
「コミケ」の基礎を作り上げた「同人誌即売会」とは、同人誌の展示・領布を主とするイベントのこと。基本的に商業流通には乗らない同人誌の発表の場として、アマチュアの個人やサークルのための表現の場として機能しているそうです。

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企業ブースよりも、さらに広々とした空間が広がります。「TIGER & BUNNY(タイガー&バニー)」 が人気の様子。その他、ももいろクローバーZやお笑い芸人などアニメ以外の作品も見かけました。皆さんキャリーバッグや段ボール箱を駆使して机の上に作品を陳列。さりげなくコスプレを楽しんでいる方が沢山います。

専門学校の勧誘ブースも。クリエイター育成の科も設けている学校ということで、多くの来場者が足を止めていました。


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戦利品はゆうパックで自宅に送ることも可能です。
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フードコートも各所に。
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■コスプレエリア
ハロウィンシーズンには、誰でも街中でコスプレを楽しむといったカルチャーが浸透しつつありますが、「コミケ」でコスプレが始まったのは設立当時の1970年代のこと。年々パワーアップするコスプレイヤーの参加規模や衣装のクオリティに一定の制約をかけるため、コスプレイヤー、カメラマン共に最低限のマナーやルールが設けられています。今回の「コミケ83」ではこれまでの「コスプレ広場」を「コスプレエリア」と改称し、エリアを増加・拡大。混雑分散を主な目的に、将来的にはエリア単位での規制緩和やロケーション提供といった付加価値の提供も視野に入れているとか。年々増えているというコスプレイヤーの活躍の場がさらに広がりそうです。

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(右)初めに見つけたコスプレイヤーは、なんとゴジラの着ぐるみ(?)を着用した50代の男性でした。なんと手作りだそうで、制作期間は3カ月、30キロもあるという着ぐるみを身に付け、「重いです」と一言。次回は「もう一匹連れてきます」と、期待大のコメントを頂きました。

(左)1954年生まれのゴジラが出現したかと思えば、2009年に連載をスタートした巨人来襲マンガ「進撃の巨人」も両腕をあげポージング。「進撃の巨人」はユニクロのTシャツブランド「UT(ユーティー)」と昨年コラボTシャツを発売した他、今春にはアニメ放映、来春には映画公開も控える人気マンガです。時代を越えて怪獣同士がコラボレーションできるのも、「コミケ」ならではの光景ですね。

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名物「自宅警備隊 N.E.E.T.」の皆さんも出勤していらっしゃいました。

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今回のテーマは「大掃除」でしょうか。お掃除グッズを片手に持っていても決まっていますね。

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同人誌エリアと同様、大人気だったのは「TIGER & BUNNY」のコスプレ。特にワイルドタイガーに扮する写真右の男性は、昨年「MANGART BEAMS T」から発売され即完売となった"完全なりきり"仕様のパーカ「HERO SUIT PARKA」を着用しています。

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「魔法少女まどかマギカ」のコスプレイヤーもとても多く、皆さんお揃いの衣装で存在感が引き立ちます。

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筋骨隆々な男性も、

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カメラマンの声に答えてポーズ。

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コスプレイヤーの男女比はやや女性が多く、スタイルの良い可愛らしい方が多い印象です。

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逆サイドから撮影してみました。カメラマンの方々、とても真剣です。

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賑やかな青年たちを発見し直撃取材。前回は「Fate/Zero(フェイト/ゼロ)」で本格仕様だったそうですが、今回はトレンド重視で皆さんご存知「LINE」でコーディネート。「ネタ系に走りました」と答えてくれました。

たくましい初音ミクも。

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帰り際には戦闘に勝利したばかりのスライムを発見しました。思いっきり「コミケ」を楽しみたい!という方は、午後4時(日程・エリアにより異なる)まで会場に居てみてください。終了のアナウンスと共に、会場の参加者全員が一斉に拍手をするという定番イベントを体験することができますよ。(帰りの満員電車は覚悟を)

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 最初は小さな多目的ホールからスタートした「コミケ」。現会場の「東京ビッグサイト」では即売会以外のイベントも併設し、アニメ・マンガに限らず幅広くサブカルチャーを愛する若者たちの祭典となっていました。会場には半年ぶりに「コミケ」仲間と再会し感極まる集団から、お目当てのグッズを買いのがし悔しそうな男性、新たな作品世界に引き込まれる中学生まで、様々な人々の感情が渦巻くまさにカオスな空間が形成されていました。次回の開催は、2013年8月10日から12日までの3日間。冬コミよりもさらに来場者数が伸びると予想される「コミックマーケット84」で、是非、熱気溢れる特別な2次元世界を体験してみてはいかがでしょうか?

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