【デジタル×ファッション】2015年 "B2i 時代" が幕を開けた

 昨年9月、雑誌「ワイアード(WIRED)」(コンデナスト・ジャパン)が「ファッション デコーデッド ―ファッションはテクノロジーを求めている―」という特集を組んだ。その特集の通り、今、日本でも世界でもデジタル技術がファッションの世界を急速に変えつつある。(取材・文:ジャーナリスト 林 信行)

 

■進む デジタルとファッションの融合

 「ワイアード」発売の直後、日本ではハースト婦人画報社とVASILY社が、国内初の「ファッション・ハッカソン」というイベントを開催(会場はグーグル社東京オフィス)。9チームがIT技術とファッションを融合するアイディアを競い合うというイベントで、優勝したのは「ファッション×ゆるコスプレ」をテーマに、撮影写真の色や画像・商品タグからファッションアイテムを提案してくれるアプリ「MiMic」(ハッカソンモンスターチームが開発)だった。

b21_hack01_001.jpg2014年9月に初開催された「ファッション・ハッカソン」

 一方、有名デザイナーのショーや展示でもデジタル技術が鍵を握ることが増えた。「SOMARTA(ソマルタ)」のデザイナー・廣川玉枝が西武渋谷店で行った初の単独展覧会では3Dプリンターでつくったマスクが展示された。「アンリアレイジ(ANREALAGE)」が初参加したパリコレのショーでは、コンピュータ制御の紫外光レーザープロジェクターを使って、ランウェイに立つモデルの白服にその場でパッチワーク柄を描いて見せた。2015年は、こういったデジタルとファッションの融合がさらに進む年になりそうだ。

somarta-2015ss-20141013_0012.jpg3Dプリント技術が用いられたSOMARTAの作品

laser-gif-fin.gif紫外光に反応する素材にレーザープロジェクターを使って柄を描く「ANREALAGE」のプレゼンテーション

 一口に「デジタルとファッションの融合」と言っても幅が広い。今年はウェアラブル機器の本命と言われるアップルウォッチ(Apple Watch)がアップル社から発売されるなど、デジタルによって誕生する新しいファッションアイテムもあれば、既存のファッションアイテムの作り方がデジタル技術で変わるという側面もある(例えば衣服の一部として縫製が可能なディスプレイも、いよいよ今年には登場しそうだ)。

xapple_watch-20140910_015-t.jpg2015年春発売のApple Watch

 一方で、好みに合ったファッションアイテムを発見するためのデジタル技術も進化していれば、それを購入するための技術も進化している。デジタルとファッションの融合というのは、何か1つや2つのできごとではなく、ファッションにまつわるあらゆる箇所で同時多発的に起きている変化であり、それだけにファッション業界に与える影響も大きい。

 今回は、その一番本質的な変化について紹介したい。

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