激動の「百貨店業界」総まとめ<2011年上半期>

 新規オープンやリニューアル、定休日の復活など、2011年上半期の百貨店業界では様々な変化が起こった。東日本では3月11日に発生した大震災、西日本では九州新幹線の全線開通、大阪駅周辺の再開発が大きく影響した各社の業績と共に、2011年1月〜6月の「百貨店業界」を振り返る。


(写真:伊勢丹新宿本店)

■大地震が及ぼした影響
 3月11日に発生した東日本大震災は、百貨店業界にも大きな影を落とした。東北地方の百貨店が受けた直接的な被害のみならず、交通機関の乱れや電力不足から一時休業や営業時間の短縮が余儀なくされ、3月の売上は大幅に減少。都内屈指のあらゆるショッピングエリアから客足が減った。三越伊勢丹ホールディングス傘下の伊勢丹百貨店においては、3月の既存店売上高が前年比71.6%と激減し、その他、東日本におけるほとんどの店舗が前年割れ。国内全体の消費自粛ムードや、外国人観光客が激減したことの影響が大きい。

来客者が激減のショップ続出 震災から1週間後の原宿・渋谷・新宿写真レポート

 しかし、その後は徐々に回復へ。6月には、富裕層の買い控えの反動もあって宝飾品など高額商品の売上が伸びている。震災直後は約半月に渡って休業していた「仙台三越店」では、5月と6月の売上高が前年同月比で110%を上回った。東北地方の百貨店の業績が上向きに転じたことについて全国百貨店協会は、「被災した生活財の買い替え需要など、震災後の復興消費の拡大」が主な理由と発表している。

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2011年5月開業:大阪ステーションシティ

 一方西日本では、阪急百貨店・阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリングが好調。3月〜6月の売上が前年比を上回った。九州新幹線全線開通にあわせて開業した新博多駅ビルの核店舗「博多阪急百貨店」が、九州地区の売上増加を後押し。大型再開発が進んだ大阪エリアでは、3月3日にリニューアルオープンした「大阪高島屋」を皮切りに、同月16日に「大丸梅田店」が増床オープン、そして5月4日には「大阪ステーションシティ」内に「JR大阪三越伊勢丹」と「LUCUA(ルクア)」が誕生。開業初日は、両施設を合計して約50万人が来店を記録するなど、好調に滑り出した。

JR大阪三越伊勢丹・ルクアを大解剖


■相次ぐリニューアルや閉店
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有楽町マリオン

 JR有楽町駅南口の複合商業施設「有楽町マリオン(正式名称:有楽町センタービルディング)」に出店していた「有楽町西武」は2010年末に閉店。その後継店として「有楽町ルミネ」の出店が決定している。これに続いて発表となったのは、隣接する「有楽町阪急」のリニューアル。7月19日より一時休業し、2011年秋を目処にメンズ館「阪急MEN'S TOKYO」として新装オープンが計画されている。


 近隣の銀座エリアでは、小松ストアーと三井不動産の共同開発による新商業ビル「(仮称)銀座コマツ計画」が進行中。当初は2011年秋の計画だったオープンは2012年春に伸びた。ここに大型店の出店を予定している「UNIQLO(ユニクロ)」では、目玉商品として「UNDERCOVER(アンダーカバー)」とのコラボレーションを発表している。銀座における最古の百貨店「松坂屋銀座店」は、J.フロントリテイリングと森ビルなどが進めている銀座六丁目地区の再開発に伴って解体される見通しだ。跡地を含む同エリアには、2016年をめどに大型商業施設の開業を計画。完成すれば銀座最大の商業施設の誕生となり、銀座エリアにおけるますますの競争激化が予想される。

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新宿三越アルコット店

 セブン&アイ・ホールディングス連結子会社のそごう・西武は、東京・八王子の「そごう八王子店」を2012年1月末をもって閉鎖することを発表。三越伊勢丹ホールディングスは、「新宿三越アルコット店」の閉店を発表した。2012年3月末をもって営業終了が予定され、同館には2012年夏を目処に「ビックカメラ新宿店(仮称)」が出店を予定している。こうした巨大な箱をファストファッションブランドが狙っていた時期もあったが、2009年に「池袋三越」跡地に「ヤマダ電機」が出店するなど、近年は電気店の進出が目立っている。エイチ・ツー・オーリテイリングでは、神戸ハーバーランド地区の「神戸阪急」を2012年9月に閉店することを決定。いずれも、売上の低迷が閉店の主な理由とされている。


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