
Image by: FASHIONSNAP
フランス発のラグジュアリースキーウェアブランド「フサルプ(Fusalp)」が、2026年秋冬コレクションを皮切りに日本市場に注力する。それに伴い、プレス関係者向けに2025年秋冬&2026年春夏コレクションの展示会を開催。近年、グローバル市場ではスキー文化が「新しいウィンターラグジュアリー」として再定義され注目を集めているが、日本市場のポテンシャルや今後の展望について、担当者に話を聞いた。
フサルプとは?
フサルプは1952年、フランス・アヌシー湖畔で誕生。スキーパンツ「フューゾー」の開発を皮切りに、過酷な環境下でもパフォーマンスを支える機能性と、独自のカッティングやシルエットによるデザイン性を融合したスキーウェアを手掛けている。2018年の平昌冬季オリンピックではモナコ五輪委員会の公式サプライヤーも務めるなど、長い歴史の中でアスリートを支える技術力を培ってきた。2021年からは、イギリスのスキー・スノーボード競技連盟「GBスノースポーツ(GB Snowsport)」および英国アルペン&パラアルペンスキーチームの公式アパレルサプライヤーも務め、その関係は現在も続いている。










過去のヴィジュアル
Image by: フサルプ
同ブランドが培ってきた歴史と技術は今、ラコステファミリーのソフィー・ラコステ・ドゥルネル、フィリップ・ラコステによって新たな活力を与えられている。2014年、「ラコステ(LACOSTE)」の創業者 ルネ・ラコステの孫にあたるソフィー・ラコステ・ドゥルネルとフィリップ・ラコステが、同ブランドを買収。両氏は、フサルプの伝統的なエレガンスとパフォーマンスを現代的な解釈で再構築し、世界最高峰のスキーリゾートから、世界の名だたる主要都市まで、多様なシーンにおける存在感を確立している。中でも、アーティスティック・ディレクターを務めるマチルド・ラコステは、ブランドのアーカイヴとイノベーションを融合させながら、タイムレスかつエレガントで多用途なコレクションを手掛け、フサルプを単なるアウトドアブランドの枠を超えた「アール・ド・ヴィーヴル(生き方)」を体現するメゾンへと昇華させている。






パリに位置するフサルプの店舗
Image by: フサルプ
スキーウェアだけではなく、街から雪山をシームレスにつなぐ汎用性もフサルプの持ち味。スキーを楽しむ時間に加えて、移動や滞在先での時間といったシーンに寄り添うアイテムを幅広く取り扱う。「スキーウェアに馴染みのない方でも、一目で目を引くデザイン性の高さは、フサルプの大きな強みです」(担当者)。
同ブランドは1977年に日本に上陸し、ゴールドウインとの協業を通じて販売していた歴史を持つ。現状、日本での販路は公式オンラインストアとニセコのスキーリゾートに限られているが、2026年春夏シーズン以降は卸での販路拡大を視野に、卸向け展示会も開催。ポップアップストアなどを通じて、より幅広い顧客層へのアプローチも図る方針だ。
アーカイヴと最新テクノロジーが交差する2025-26年コレクション
今回の展示会では、フサルプの歴史とともに培われてきたクラフトマンシップを現代的な視点で解釈したアパレルアイテムが幅広く披露された。




2025年秋冬コレクション
Image by: FASHIONSNAP
2025年秋冬コレクションでは、1970年代のアーカイヴを踏襲しながら、現代的なアルパイン・エレガンスを探求。レオパード柄の新作ジャケット「MONTANA」をはじめ、ブランドのアーカイヴから着想したメタリックアイレットをあしらったスキースーツ「CLARISSE」、定番のダウンジャケット「BARSY」、伸縮性・断熱性・防水性を備えた高機能スキージャケット「POWER SKI」や「JOHN SKI」などを揃える。独自のストレッチ素材や、−5°Cまでの環境下で快適性を叶える断熱システム「Thermie 3」を新たに採用しながら、クチュール発想のパターンメイキングを取り入れた。







2025年秋冬コレクションのヴィジュアル
Image by: フザルプ
2026年春夏コレクションは「クワイエットテック」をコンセプトに、スキー場だけではなくタウンユースでの需要にも応えるアパレルをラインナップ。熱圧着によるシームテープやマイクロベンチレーションを取り入れたアイテムとして、防水・防風仕様の3層構造ジャケット「FROMON」やパンツ「ALPARO」、防水透湿メンブレンを使用したロングパーカ「ILANU」、春夏の需要にも応える軽量ジャケット「AIRVONE」や「ALERIA」などが揃う。価格帯は、スキースーツが24万5900~33万6200円、スキージャケットが15万5700~38万1300円、ジャケットが7万9000円~、パンツが8万3500~13万3100円、バラクラバやグローブなどの小物が1万3600円~。
「スキーをしなくても楽しめる方法を」ライフスタイル需要の開拓へ
日本上陸から約50年。今、改めて日本市場に注力する背景には、創業地・フランスと日本が持つ共通点にある。「フサルプは、日本文化と自らのヘリテージとの間に深い親和性を感じています。1952年、フランス・アルプスの仕立て職人によって創業したフサルプは、クチュールの精密さやエレガンスをスキーウェアに持ち込み、フューゾーパンツやパフォーマンススーツを生み出しました。日本もまた、簡潔の美、匠への敬意、細部へのこだわり、目的を持った革新を重んじる文化を持っています。この“共有された感性”が、フサルプと日本の顧客を自然につなぎます」。クチュール由来のテクニックと美しいシルエットは、ディテールにこだわる日本の消費者と相性が良いと判断し、本格的な再始動に踏み切ったという。
かつてはスキー文化が“国民的なレジャー”として隆盛を極めた歴史を持つ日本においても、ニセコをはじめとするスキーリゾートが世界の富裕層から注目を集めるなど、追い風が吹いている。来たる2月に開催を控えるミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックもこの流れをさらに加速させるだろう。アジア市場全体が有望視されるなか、そのハブとなり得る日本での拠点づくりは、ブランドにとって重要な戦略となる。
同時に、フサルプは日本市場に、単なる高機能スキーウェアを超えた“ファッションアイテム”としての可能性も見ている。「我々はスキーウェアを軸にしていますが、スキーをしない人にも着てほしいと考えています。ヨーロッパではスキー場に集まってパーティーを開いたりと、ウィンタースポーツ以外にも雪山の楽しみ方が充実しています。ウィンタースポーツにとどまらない楽しみ方や選択肢があることにも気づいていただけるような機会も、今後創出していきたいと考えています」と、冬の旅行やアウトドア、タウンユースの新たな選択肢としても提案していくことで、ブランドの裾野を広げていく。


Image by: FASHIONSNAP
最終更新日:
RANKING TOP 10
アクセスランキング










