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あなたの愛用登山グッズを教えて、ARC'TERYXデザイナー ジョージア・スミスさん

アークテリクス デザイナー おすすめ

Image by: FASHIONSNAP

アークテリクス デザイナー おすすめ

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あなたの愛用登山グッズを教えて、ARC'TERYXデザイナー ジョージア・スミスさん

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 オシャレで高感度なあの人がリアルに使っている登山装備を深掘りする連載企画「あなたの愛用登山グッズを教えて」。第5回は、「アークテリクス(ARC'TERYX)」のトーキョークリエイションセンターでデザインディレクターを務めるジョージア・スミス(Georgia Smith)さん。「山での挑戦と平和な気持ち、そしてギア選びの楽しさが登山の醍醐味」と多角的な視点で山を楽しむジョージアさん。登山への情熱がデザインの世界にも影響を与える彼女に、登山観や愛用ギア、山での哲学を伺いました。

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ジョージアさんの登山プロフィール

登山歴:約15年
スタイル:ロングトレイル、岩登り、サンライズハイク
登った山:旭岳、屋久島、奥多摩、富士河口湖、仏アルプスのグラン・フランボー、スイスのリギ山、カリフォルニアのジュニペロセラピーク、コスタリカのセロアミゴス、イギリス湖水地方の10峰(スカーフェルパイク、スカーフェル、ヘルヴェリン、スキッドウ)など。最近ではモンゴルと中国の間にあるゴビ砂漠での122kmレースにも挑戦。

「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさんの入山スタイル

 「今思えば、小さい頃の私はADHD気質でじっとしていられない性格。両親からしてみたら、かなり手のかかる子どもだったと思います」と笑いながら幼少期を振り返るジョージアさん。実家はイギリスの人里離れた村にあり、「歩く」という行為が日常の一部だったと言います。

 アウトドアやハイキングの楽しさを教えてくれたのはお母さんで、「11歳くらいの時、母はマチュピチュ登山のトレーニングをしていたんです。その“ガチ”っぷりは本当にすごかった」と話します。ジョージアさん自身もそのトレーニングに付き添い、「単なるトレーニングではなく、冒険であり、挑戦であり、母と山で過ごす大切な時間でもありました」と当時を懐かしみます。

 山道では「親におんぶされた記憶はなく、幼少期から自分の足で山頂を目指していました。そのおかげで、自然と自分の力を試すことや、独立心を育てることができたと感じています。“自分でやってみたい”という気持ちを尊重してくれた母には、本当に感謝しています」と語ります。

「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさんが撮影した旭岳

ジョージアさんが撮影した「旭岳」

「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさんが撮影した旭岳

旭岳でのジョージアさん

 では、その山での経験がアークテリクスのデザイナーというキャリアに直結しているのでしょうか?「実はそうじゃないんです」とジョージアさんは即答します。「デザイナーになりたいという気持ちは、5歳くらいの頃からずっとありました。人形の服を作り始めた時から、ものづくりへの情熱は変わっていません。登山の経験とデザイナーの夢が、最初から直接的に繋がっていたわけではないんです」。ファッション業界で働き始めてから、スポーツウェアのデザインが自分に合っているかもしれないと感じるように。機能的な衣類への興味がどんどん強くなっていきました。

 アークテリクスに入る前は、ロンドンでコンテンポラリーなアウトドアブランドを共同設立。また、「フレッドペリー(FRED PERRY)」や「キャサリン・ハムネット(Katharine Hamnett)」や「アクアスキュータム(Aquascutum)」 などのブランドでデザイナー兼スポーツウェアコンサルタントとして働いていました。「アークテリクスの商品、特にアルファジャケット※のディテールを初めて見たとき、その完成度の高さに圧倒されました。まさに“業界最高峰”と呼ぶにふさわしい一着だと感じたんです」。ジョージアさんにとってアークテリクスで働くことは「憧れ」だったといいます。

※アークテリクスを代表するハードシェルジャケット。過酷な登山やアルパインクライミングにも対応する高い防水性・耐久性・軽量性を兼ね備え、世界中のアウトドア愛好家やプロフェッショナルから支持されている。

 トーキョークリエイションセンターのデザインディレクターに就任したことについては、「思っていたよりも早く夢が叶った」と語ります。「アークテリクスが東京にデザインスタジオを設けるという新しい挑戦にもワクワクしましたし、東京で生活し働くこと、そして業界に新しい風を吹き込めることに大きな魅力を感じている」そうです。

グラン・フランボーを歩く「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさん

グラン・フランボーを歩くジョージアさん

グラン・フランボーを歩く「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさん

友人たちとグラン・フランボーは登ったそう

「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさんが撮影したグラン・フランボー

ジョージアさんが撮影した「グラン・フランボー」。アルプス山脈のモンブラン山群に属し、フランスとイタリアの国境稜線上にある

 アークテリクスのデザイナーとして活躍するジョージアさんにとって「アウトドアへの情熱と仕事の境界はかなり曖昧」です。

「実際に山で活動することで、商品デザインに多くの気づきを得られます。自分でテストし、どのように機能するかを確かめることで、改良すべき点を具体的に理解できるのが大きな強みです」(ジョージアさん)

 デザインは機能に根ざし、それを執念深く探求することで磨き上げられます。「私たちは、山で活動するアスリートとの深いコラボレーションと、高リスク環境におけるリアルな課題を解決するイノベーションにコミットすることで、最高の製品を追求し続けています」と、ジョージアさんは力を込めます。

ジョージアさんの入山スタイルスナップ

「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさんの入山スタイル

名前:ジョージア・スミス
職業:ファッションデザイナー
アウター:ARC'TERYX
ベースレイヤー:Finetrack 
ミドルレイヤー1:ARC'TERYX「Norvan ロングスリーブTシャツ」
ミドルレイヤー2:Snow Peak シャツ
ボトムス:and wander
シューズ:ARC'TERYX
ソックス:ARC'TERYX
帽子:ARC'TERYX

 彼女が本格的に登山を始めたのは10年以上前。一人で山に入るようになり、より高い山々へと挑戦するようになりました。「登山にハマった」と実感したのは、25歳の頃にコスタリカを一人旅した時のこと。初めてのソロハイクで、ギアの準備も不十分なままルートも間違え、少し怖い思いもしたそうです。「でもその時『もっと上手くなりたい』『もっと良い準備ができるようになりたい』という向上心が芽生えたんです。怖いと感じるような挑戦に、逆にハマってしまう自分がいることに気づきました」と振り返ります。それまでは家族や友人と登ることが多かったジョージアさんですが、この経験をきっかけに、より難易度の高い山や新しいルートに挑戦することに楽しさを見いだすようになったといいます。今でも「より高度な技術の求められる、レベルが高いものへ挑戦し続けている」と語るジョージアさん。これから挑戦したい山としては、富士山を挙げています。「日本にいる間にぜひ登りたい山の一つです。ただ、富士山はとても混雑していると聞くので、できれば人の少ない時間帯に静かな環境で登ってみたいですね」と話してくれました。

「アークテリクス」デザイナー ジョージア・スミスさんの入山スタイル

3ピークスチャレンジ中のジョージアさん

 そんなジョージアさんが「今までで最もチャレンジングな体験のひとつだった」と語るのが、イギリスの「3ピークスチャレンジ」です。これは、スコットランドのベン・ネビス(1,345m)、湖水地方のスカーフェル・パイク(978m)、ウェールズのスノードン(1,085m)というイギリスで最も高い3つの山を、山から山への移動も含めて24時間以内に登頂するという、イギリス国内でも有名なチャレンジ。「私たちは6人の女性グループで参加しました。朝7時にスタートし、翌朝7時までに終えなければなりません。最初のベン・ネビス登山に約5時間かかり、その後すぐに車で3~4時間移動して次のスカーフェル・パイクへ。これを約4時間で登り、さらに5時間ほど(途中渋滞もありました)運転してウェールズへ向かい、スノードンには午前3時から登り始めました。時間ギリギリで、最後の山はほとんど走って登り降りしたような状態。結局、ゴールしたのは制限時間の20分前でした」と振り返ります。

「車中では興奮して誰も眠れず、24時間ずっとアドレナリンが出続けていました。トイレ休憩も走って向かっていましたね(笑)。肉体的にももちろん大変でしたが、それ以上に睡眠不足と時間的プレッシャーで精神的に非常にチャレンジングでした」(ジョージアさん)

3ピークスチャレンジ
3ピークスチャレンジ

3ピークスチャレンジは友人6人と参加したそう

ジョージアさん撮影

 ちなみに、今年はゴビ砂漠を122km踏破するレースにも挑戦したそう。「それはまた違った種類の、そしておそらくこれまでで最も過酷な経験でした」とのこと。「何かが『難しそうだ』『挑戦になりそうだ』と感じた時こそが『やってみるべきサインだ』と思うんです」と、ジョージアさんらしい前向きな姿勢が印象的です。

ゴビ砂漠 ウルトラマラソン
ゴビ砂漠 ウルトラマラソン
ゴビ砂漠 ウルトラマラソン

ジョージアさんの登山バッグの中身

  1. 「マウンテンキング(Mountain King)」のトレッキングポール: 超軽量で、地形が厳しい時やサポートが必要な時に便利。
  2. 「ナッシング(Nothing)」のワイヤレスイヤホン Nothing ear:ソロハイク時に音楽や自然音を切り替えて楽しむ。
  3. 「ニコン(Nikon)」のコンパクトデジタルカメラCoolpix: ローファイな写真を撮るのに最適。
  4. 「モンベル(mont-bell)」の財布:軽量&コンパクトで、必要最低限の現金やカードをスマートに持ち運べる。
  5. モバイルバッテリー:スマホやGPSの充電切れ対策に。長時間の行動でも安心。
  6. フェイクのトンボ:日本のスズメバチ避けに効果的。
  7. 「アークテリクス」の18Lデイパック:軽量で背負いやすく、必要なギアをすっきり収納できる万能リュック。
  8. 「モンベル」の熊鈴: 安全対策として常備。
  9. 「ハイドロパック(HydraPak)」のフォース 2L:約2.5Lの水分補給用。電解質も追加可能。
  10. ポケットティッシュ:トイレや手拭き、ちょっとした汚れの処理など、何かと役立つ必携アイテム。
  11. ダニ取り器具:万が一ダニが付着した際に、素早く安全に取り除ける小型ツール。
  12. SPFリップ:乾燥や風から唇を守る、登山やアウトドアで欠かせないケアアイテム。
  13. 「ビオレ(Biore)」の汗拭きシート:清潔を保つために。
  14. 「アネッサ(ANESSA)」の日焼け止め: こまめに塗り直せるように常備
  15. 「モンベル」の青いポーチ:パッキングに使用。
  16. 「モンベル」の白いポーチ:パッキングに使用。
  17. 「モンベル」のトーチ&ホイッスル:安全対策として常備。
  18. ゴミ袋:自分のゴミはもちろん、山をきれいに保つための必携アイテム。簡単な雨避けにも。
  19. ブラックタイヤモンド(BLACK DIAMOND)」のヘッドライト:夜明け前の登山や万が一のための超軽量モデル。
  20. 「モンベル」のパッキングバッグ:パッキングに使用。
  21. コーヒーセット:「キントー(KINTO)」のフラスク、スノーピークのマグ、ドリップコーヒー、ミルクなど。山頂でコーヒーを淹れて、達成感を味わいながらリフレッシュするのがルーティン。
  22. 熊よけスプレー:万が一のために常備。
  23. 「アークテリクス」のエアシェルジャケット:風が強い時も安心できる軽量・パッカブルなシェル。
  24. 「ビブラム(Vibram)」のサンダル 5 Finger Barefoot shoes:下山後や足湯の後に便利。とても小さくパッキングできる。
  25. 「アークテリクス」のノーバンハット:軽量で通気性抜群、さらに日差しからもしっかり守ってくれる頼れるキャップ。
  26. 「テレインシャイン(Terrashine)」の折りたたみ座布団:コーヒータイムのお供に。
  27. 「アークテリクス」と「サロモン(Salomon)」の手拭い:汗拭きや日よけ、簡易タオルとしても使える万能アイテム。
  28. 「スノーピーク」のスポーク:スプーンとフォークが一体化した軽量カトラリー。食事の際に便利で、アウトドアに最適。
  29. エマージェンシーブランケット:軽量でコンパクトなのに、体温保持や緊急時の防寒対策に役立つ必携アイテム。
  30. ファーストエイドキット:筋肉痛薬、絆創膏、熱中症対策薬、痛み止め、塩分、エマージェンシーブランケットなど。
  31. ライター:万が一の時の火起こしや、山頂でのコーヒータイムにも役立つ小さな安心アイテム
  32. 電解質:発汗によるミネラル不足を補い、脱水や足つり予防に役立つサプリやパウダー。
  33. アミノ酸:長時間の登山や運動中の疲労回復・エネルギー補給にぴったり。
  34. 「ディストリクト ヴィジョン(District Vision)」のサングラス:超軽量で、強い日差しから目を守る。

 ジョージアさんは「登山の醍醐味は?」という問いかけに「ギアへの愛着!」と即答するほどの登山グッズ好き。そんな彼女にとって、登山の魅力は「チャレンジ」「自然との一体感と静けさ」、そして「ギアへのこだわり」の3つが絶妙に組み合わさっていると言います。

「登山を始めた頃は、必要だからギアを揃えていましたが、今は『どんな環境でどう役立つか』を徹底的に考え抜くのが楽しいんです」と語るジョージアさん。機能性や耐久性、特定の環境での使い勝手を重視し、自分の活動スタイルに合うかどうかも大切なポイント。ギア選びのプロセス自体が、デザインの仕事にも直結していると感じているそうです。また、適切なギアは「自分の限界を押し広げてくれる存在」でもあります。厳しい天候や過酷な環境でも、信頼できる装備があれば安心して挑戦できるし、より遠く、より困難な場所へ行く自信にもつながるのだとか。

ゴビ砂漠 ウルトラマラソン

ゴビ砂漠でレース中のジョージアさん

 一方で、長年の経験があってもギア選びで失敗することも。「最近では、ゴビ砂漠のレース用に買ったゲイターが全く役に立たず、靴の中が砂だらけになって大変でした」と苦笑い。ブランドやレビューを徹底的に調べても、時には思わぬ落とし穴があるのもギア選びの奥深さだといいます。

ゴビ砂漠 ウルトラマラソン 装備

ゴビ砂漠のウルトラマラソン中、靴の中に砂が入り靴下が破けてしまったそう

ジョージアさんの必需品4選

 山を愛し、ギア選びにも徹底的にこだわるジョージアさん。そんな彼女が「これだけは絶対に外せない」と語る、登山の相棒アイテム4つを紹介します。

高所での冷え込みから身を守る「パッカブルダウン」

アークテリクス ダウン

ブランド:アークテリクス
アイテム名:セリウム SL フーディ
価格:¥75,900
用途・シーン:主に夏や秋の登山におすすめです。
おすすめしたい人:夏や秋の登山をする方に特におすすめです。

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ジョージアさん

高所での登山では頂上付近で急に冷え込むことがあります。このジャケットは超軽量でコンパクトに収納できるのに、とても暖かいんです。バックパックに入れておくだけで大きな安心感があります。夏や秋の登山に最適ですが、冬の登山ではもっと厚手のダウンが必要になりますね。

軽さが魅力の「トレッキングポール」

マウンテンキング トレッキングポール


ブランド:「マウンテンキング(Mountain King)」
アイテム名:TRAIL BLAZE
価格:¥24,200
用途・シーン:登りや下りで少し疲れたとき。
おすすめしたい人:すべての人におすすめです!

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ジョージアさん

非常に軽量で、組み立ても簡単なんです。登りでも下りでも、少し疲れてきた時に使うと本当に助かります。トレイルランニングの時にも活躍してくれますよ。これは本当に全ての人におすすめしたいアイテムです。

眩しい日差しも安心の「高機能サングラス」

District Vision サングラス


ブランド:ディストリクトヴィジョン(District Vision)
アイテム名:Junya Racer Sage Burn D+ Fire Mirror
価格:$315
用途・シーン:一年中。ハイキング、トレイル、サイクリング時など。
おすすめしたい人:目を保護しつつ、かっこよく見せたい人。

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ジョージアさん

特に日差しの強い国での登山では、これは欠かせません。レンズ技術は市場でもトップクラスで、耐衝撃性にも優れています。登山はもちろん、トレイルランニングやサイクリングにも一年中使っています。目をしっかり守りながら、見た目もクールに決めたい人にぴったりのアイテムです。

登山中のルーティンを叶える「コーヒーセット」

ブランド:キントー、スノーピーク
アイテム名:トラベルタンブラー、チタンシングルマグ 300
用途・シーン:いつでも!
おすすめしたい人:山頂でコーヒーブレイクしたい人。

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ジョージアさん

山頂でコーヒーを淹れるのが大好きで、私にとって“登頂の儀式”のようなものです。「キントー」のフラスク、スノーピークのマグ、ドリップパックは必ず持っていきますが、これは荷物を極力軽くしたいときのセット。もっと余裕がある時は、バーナーやドリッパー、コーヒー豆などの道具一式を持っていきます。


【連載】⛰️あなたの愛用登山グッズを教えて
上出遼平さん
大橋未歩さん
アレクサンダー夫妻
アンドワンダー 森美穂子さん
・アークテリクス ジョージア・スミスさん

FASHIONSNAP 編集記者

古堅明日香

Asuka Furukata

神奈川県出身。日本大学芸術学部文芸学科を卒業後、広告代理店を経て、レコオーランドに入社。国内若手ブランドに注力する。アート、カルチャーを主軸にファッションとの横断を試み、ミュージシャンやクリエイター、俳優、芸人などの取材も積極的に行う。好きなお酒:キルホーマン、白札、赤星/好きな文化:渋谷系/好きな週末:プレミアリーグ、ジャパンラグビー。

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