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あなたの愛用登山グッズを教えて、スタイリスト 金子夏子さん

アンドワンダー 森 登山グッズ

Image by: FASHIONSNAP

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あなたの愛用登山グッズを教えて、スタイリスト 金子夏子さん

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 「見た目も機能性も、どちらも妥協したくない」──そんな欲張りなアウトドアファンに向けて、リアルに使われている登山装備を深掘りする連載企画「登山グッズの中身を教えて」。第6回は、スタイリストとして活躍する金子夏子さん。シンプルさを大切にする金子さん。「自分らしさ」を失わない山の楽しみ方を実践する彼女が、実際に持ち歩いているバックパックの中身や、お気に入りの登山アイテムを一挙に公開。ウェア、ギア、小物のリアルな使用感から、登山へのこだわりと哲学が見えてくるはず。

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金子夏子さんの登山プロフィール

登山歴:約20年(本格的には約15年)
スタイル:デイハイクからテント装備の縦走まで
登った山:八ヶ岳、北アルプス、海外登山など

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スタイリスト 金子夏子 登山

 幼少期の夏休みは家族で「海→山→海→山」と交互に遊びに行くのが恒例行事だった金子さん。大人になってから本格的に登り始めたのは夫の影響がきっかけでした。

結婚後、夫と一緒に八ヶ岳の編笠山に登ったのが大人になってからの初めての山でした。まだ山の装備も持っていなかったので、Tシャツにカーゴパンツ、ワークブーツといういでたちでしたが、なぜか大変さよりも楽しさの方が勝っていましたね(金子夏子)

八ヶ岳

金子さんが撮影した冬の八ヶ岳

 その後しばらくは年に2回程度の頻度でしたが、ある出会いが金子さんの登山ライフを大きく変えることになります。それは山と渓谷社が発行していた「ヒュッテ(HÜTTE)」という雑誌の編集者との出会いでした。当時、彼女が登山を楽しんでいることを知った編集者が声をかけ、アウトドアのスタイリングを手がけることに。必然的に各ブランドの展示会を回ることになり、担当者と山の話をするうちに「一緒に登りませんか?」と誘ってもらうようになったそうです。

それまでの私は、「登山はこうしなきゃいけない」という固定観念に少し縛られていたんです。でも、ブランドで働くような本当に山が好きな人たちと一緒に登ってみたら、もっと自由な山の楽しみ方があることを知りました(金子夏子)。

金子さん「ビールも自然の力で冷やします」

 当時は、装備の軽量化やミニマム化が主流になりつつある頃で、食事もドライフードなどで「できるだけ軽く」というのがセオリー。でも、展示会で出会う山を楽しむ人たちは「せっかく山へ行くんだったら、もっと楽しい方が良くない?」というスタンスだったといいます。自分たちが安全にできる範囲を理解した上で、最大限に楽しむ。お米はもちろん、ビールやワインも担いで山頂に行き、地元の食材を使って、みんなで真剣にご飯を作り、ゆっくり話しながら食事をする。登った後のご褒美のような、厳しいだけじゃない山の楽しみ方を知り、一気に「山登り」に魅せられていきます。

金子さんから送られてきた、山で食べたおいしいご飯たち

 そんな金子さんにも、思い出深い山や忘れられない体験があります。「これまでで一番大変だった山はどこですか?」と尋ねると、「鹿児島の開聞岳」と返ってきました。標高は924mと決して高くはないものの、夏の蒸し暑さと雨が降る直前の独特の空気の中、麓からひたすら登るルートは想像以上に過酷だったそうです。「変な汗が止まらなくて、結局雨も降ってきて途中で引き返しました。海外の高い山よりも、この開聞岳が一番辛かった記憶があります」と振り返ります。

 一方で、長い登山歴の中で特に印象に残っている山として、エベレスト街道とブータンの山を挙げてくれました。エベレスト街道は3週間かけて歩き、ベースキャンプまで到達。6000m級の山にも登ったそうです。「こんな機会はなかなかないと思って参加したのですが、3週間かけて山歩きをするのは本当に楽しい経験でした」と語ります。

エベレスト街道

エベレスト街道のベースキャンプ周辺

エベレスト街道

エベレスト街道の道中

スタイリスト 金子夏子

エベレスト街道での金子さん

ロブチェピーク

6000mの山、ロブチェピーク

 その数年後には、友人とブータンを訪れ、現地ガイドとポーター、そして自分たちだけという最小限のメンバーで山に登った経験も。「登っているのは私たちだけで、山の名前を聞いても『名前なんて無いよ』と言われるような場所(笑)。でも、それがすごく気持ちのいい山旅で、この2つの経験はとても印象に残っています」と話してくれました。「エベレストは世界的に有名な場所だけに多くの人が訪れますが、ブータンは本当にミニマムな環境。どちらも素晴らしい山旅でしたが、特にブータンは他の登山者がほとんどいない孤独感と、不思議な心地よさがありました」と、山ごとに異なる魅力を感じているようです。

ブータン 登山

ブータンの“名もなき山脈”

ブータン トレッキング

ブータンの山行中に出会った野生の牛

ブータン 山

ブータンの山行中

 最後に、登山の醍醐味について尋ねると「見たことのない景色が待っているところかな」と話し、少し考え込んだ後、こう答えてくれました。

 登った人それぞれの気持ち良さがあると思います。『何がいいんですか?』とよく聞かれますが、『一度行ってみてください』としか答えられないんです。自分で感じてほしいな(金子夏子)

北海道 大雪山

北海道の大雪山にて

金子夏子さんの入山スタイルスナップ

名前:金子夏子
職業:スタイリスト
トップス:HOUDINI
ボトムス:Black Diamond
ザック:Klättermusen
シューズ:LA SPORTIVA

 金子さんが登山ウェアを選ぶ際に大切にしているのは、「機能性」と「自分らしさ」。スタイリストという職業柄、「着たくないものは着たくない、履きたくないものは履きたくない」と笑いながら話します。基本はシンプルで、着心地の良いもの。形や色、機能もできるだけ無駄を省き、自然の中で心地よく過ごせることを重視しています。「せっかく自然の中に行くのに、日焼け対策で全身を覆いすぎるのはもったいない」と感じており、本当に必要なものだけを身につけるのが金子さん流です。

北海道の大雪山縦走で出会った雲海

金子さん「北海道の大雪山は、山が深く、まったく街の灯りなど見えなくて、静かで天国のようでした」

 特にこだわっているのは、靴、ザック、そして肌に直接触れるメリノウールのインナー。この3つは自分に合うものを厳選しているそうです。化繊のインナーは「速乾性はあるけれど、汗で肌に張り付いて冷えてしまう“汗冷え”が苦手」とのこと。そのため、夏でもメリノウールを愛用しています。お気に入りの登山靴はスポルティバ(LA SPORTIVA)のTX5 GTX®。「膝を怪我してからは、特に下りで滑りにくいグリップ力のある靴が必須になりました。これは本当に名品です」と太鼓判を押します。サングラスは日本ブランドの「フロート(FLOAT)」を愛用。海外ブランドのサングラスは日本人の骨格に合わず、まつげがレンズに当たって曇りやすいことも多いですが、フロートは日本人向けに設計されているため快適だそうです。

 また、サイズが合えばメンズアイテムを選ぶことも多いとのこと。「女性向けの登山ウェアはシェイプされたデザインが多いですが、私はストンと落ちるシルエットや、メンズのカラーリングの方が好みなんです」と、自分らしいスタイルを大切にしています。

登山バッグの中身

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  1. クレッタルムーセン(Klättermusen)」のバックパック「ベルゲイマー(Bergelmer)」:重装備の時に使用。背面のサポートがしっかりしていて、長時間の行動でも疲れにくい。縦長の形状で荷物が安定する。
  2. 「フーディニ(HOUDINI)」のフリース:アウターレイヤーはダウンよりもフリース派。フード付きで、夜寒い時にかぶれて便利。気持ちいい肌触りが魅力。
  3. 「フロート」のサングラス:日本人の骨格に合わせた設計で、まつげが当たらず曇りにくい。
  4. 「ファレット(FALLET)」のキャップ:韓国で購入。シンプルで可愛いデザインが気に入っている。
  5. 「クレッタルムーセン」のメリノウールTシャツ:夏でも愛用。汗冷えしにくく、シンプルなデザインが好み。
  6. 「カシオ計算機」の腕時計「Gショック(G-SHOCK)」:シンプルなデザインで、気兼ねなく使える耐久性が魅力。
  7. 「ブラックダイヤモンド(Black Diamond)」のヘッドライト:とにかく軽い。
  8. 「ラウンドラボ(ROUND LAB)」の日焼け止め:韓国で購入。テクスチャが良く、匂いが少ないのが◎。
  9. 「ミレー(MILLET)」のレインウェア「ティフォン ファントム トレック ジャケット」:本当に耐水圧50,000mmなの?と思うほど薄く、通気性も抜群。
  10. 手ぬぐい:多用途に使える必須アイテム。
  11. 「グラナイトギア(Granite Gear)」のパッキングポーチ:サイズ違いで複数使用。カラフルなので中身が分かりやすく、山小屋などでも静かに荷物を取り出せる。
  12. 「クレッタルムーセン」のショートパンツ「ナル ショーツ(Nal Shorts)」:最近はレギンスなども合わせず、短パンだけで登るのが気分。
  13. 「スポルティバ」の登山靴「TX5 GTX®」:グリップ力が抜群で、特に下りで滑りにくい。
  14. 「アースウェル(EARTHWELL)」のボトル:保温保冷性が高く、デザインも気に入っている。
  15. 「プリムス(PRIMUS)」のクッカー:コンパクトで収納しやすい。日帰りでも必ず持参する。
  16. 「フィッツ(FITS)」の靴下:肉厚で、その名の通りフィット感が最高。
  17. 「ザムスト(ZAMST)」の膝用サポーター:数年前にスキーで膝を怪我してから使用するように。できればつけたく無いが、やはり楽。
  18. 「ブラックダイヤモンド」のトレッキングポール:1本使い派。本当はトレッキングポールも使いたく無いけど、膝を痛めてから導入。特に下りでの膝への負担軽減に役立つ。

金子夏子さんの必需品3選

 数々の山を歩きながら選び抜いてきた愛用品の中から、金子さんが特に信頼を寄せている「必需品」を3点ピックアップ。実際の登山経験に裏打ちされたリアルな視点で、機能性はもちろん、哲学までもが垣間見えるアイテムたちを紹介します。

買い替えでも同じものを買いたい「登山靴」

スポルティバ おすすめ 登山靴

ブランド:スポルティバ
アイテム名:TX5 GTX®
価格:¥35,200
おすすめしたい人:グリップ力を重視する人

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金子さん

この靴はビブラムソールのグリップ力が素晴らしい。以前使っていた靴は下りでスルスルと滑ることがあって怖かったのですが、これはそんな心配がありません。特に膝を怪我してからは、下りでの安定感が本当に重要になりました。メンズモデルの一番小さいサイズを選んでいますが、それも色や形が好みだからです。次も絶対に同じモデルを買いたいと思っています。

みんなに優しい「パッキングポーチ」

グラナイトギア ポーチ

ブランド:グラナイトギア
アイテム名:エアジップサック
価格:¥2,970〜
おすすめしたい人:効率的に荷物を管理したい人、山小屋で周りに配慮したい人

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金子さん

長年愛用しているアイテムです。山行だけでなく旅行でも使っています。サイズや色が異なるものを使い分けることで、中身がすぐに分かるのが便利です。でも一番気に入っているのは、山小屋での使い勝手。普通のビニール袋だと、朝早く準備する時にガサガサと音がして周りの人に迷惑をかけてしまいますが、これはほとんど音が出ません。みんなに優しいポーチだと思っています。

さまざまなモノを試した末にたどり着いた「腕時計」

Gショック DW-5600RL

ブランド:カシオ計算機
アイテム名:Gショック「DW-5600RL-1 JF」
価格:¥14,300
おすすめしたい人:気兼ねなく使える丈夫な時計を求める人

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金子さん

GPSウォッチなど機能的な時計もありますが、結局はGショックにに落ち着きました。山では岩に当たったり、水に濡れたりすることもありますから、気兼ねなく使えるのが良いです。
山行では時間管理が大切です。次のポイントまでどのくらいかかるか、全体のコースタイムはどうかなど、常に意識していますね。

【連載】⛰️あなたの愛用登山グッズを教えて
上出遼平さん
大橋未歩さん
アレクサンダー夫妻
アンドワンダー 森美穂子さん
アークテリクス ジョージア・スミスさん
・スタイリスト 金子夏子さん

FASHIONSNAP 編集記者

古堅明日香

Asuka Furukata

神奈川県出身。日本大学芸術学部文芸学科を卒業後、広告代理店を経て、レコオーランドに入社。国内若手ブランドに注力する。アート、カルチャーを主軸にファッションとの横断を試み、ミュージシャンやクリエイター、俳優、芸人などの取材も積極的に行う。好きなお酒:キルホーマン、白札、赤星/好きな文化:渋谷系/好きな週末:プレミアリーグ、ジャパンラグビー。

最終更新日:

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