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これを読めば完走間違いなし! マラソン直前のランナーに送る、出走の心得【永久保存版】

東京マラソンの様子

東京マラソン2025の様子 Photo by David Mareuil/Anadolu via Getty Images

東京マラソンの様子

東京マラソン2025の様子 Photo by David Mareuil/Anadolu via Getty Images

東京マラソンの様子

東京マラソン2025の様子 Photo by David Mareuil/Anadolu via Getty Images

 3月1日に、約3万9000人が参加する日本最大規模のマラソン大会「東京マラソン」がいよいよ開催! マラソンシーズン真っ只中の今、完走できるか不安を抱えるランナーも多いはず。本番では、エネルギー切れや足のつり、トイレの行列など、想定外のトラブルがつきもの。これまでの練習を無駄にしないためにも、起こりがちな失敗を先回りして潰し、できるだけ不安を減らした状態でスタートラインに立ちたい──。そんなランナーのために、レース直前の立ち回りから補給・トイレ対策まで、今からでも間に合う“完走のためのロードマップ”をまとめて紹介します。案内役は、ビームス クリエイティブのディレクターであり、同社随一のランナーでもある牧野英明さん。初マラソンを控えるランナーに向けた実践的ハウツーを教えてもらいました。

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ビームス クリエイティブ

牧野英明

Hideaki Makino

ビームス随一のシリアスランナー。「B印MARKET」では、いつでも10km走れるコーディネートをテーマに、走るのに快適なファッションアイテムと、機能美溢れる高性能ギアをセレクト&提案中。フルマラソンのベストタイムは2時間47分44秒(東京マラソン2023)。

2週間前〜直前の過ごし方

 長距離走や目標タイムに合わせたペース走など、さまざまな練習を経たレース目前。直前こそ、どんな練習をすればいいのか悩んでしまうものですが、牧野さんによると、レース1〜2週間前を迎えたランナーがするべきなのは休むことだと言います「レース2週間前の時点で、本番にできるパフォーマンスは決まっている」とのことで、マラソンにおいては、テスト直前の一夜漬け感覚での追い込みはNG。これまでの自分の頑張りを信じて、思い切ってリラックスしましょう。

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牧野さん

レース1〜2週間前は、体力を「削る」のではなく「整える」タイミング。直前になって焦って走り込んでも、体力を削って本番当日のパフォーマンスを下げるだけです。「トレーニングを1週間休んでも体力は落ちない」というエビデンスもあるので、これまでの練習を糧に、しっかりと休息を取りましょう。

レース直前は何を食べるべき?

 がむしゃらに走り続けた結果、意外と疎かになりがちなのが食事面。パフォーマンスに直結する食事は、アスリートの要です。ご褒美はレース後の楽しみに取っておいて、直前に取り入れるべき栄養素を3箇条に沿って解説します。

出走直前!食事の3箇条

  1. カーボローディングを意識するべし
  2. 前日〜当日朝の食事は“消化の良さ”を重視するべし
  3. 食事はスタートの3時間前までに済ませるべし

 長時間の戦いとなるフルマラソンでは、エネルギーが不可欠。そこで押さえておいてほしいのが「カーボローディング」です。カーボローディングとは、長時間の運動に向けて、積極的に炭水化物を摂取し、エネルギー源となるグリコーゲンを体に蓄える食事法。本番3日前を迎えたら、お米などの炭水化物を多めに摂る食事に切り替えることで、エネルギーを蓄えることができます。

 レース前日の夜から当日の朝にかけては、消化に良いものを摂るようにしましょう。お米やパスタ、うどん、お餅など、消化に負担のかかりにくいものがおすすめ。逆に、避けるべきなのがお肉や生魚。筋トレにおいてはプロテイン(たんぱく質)が必要不可欠なことから「運動=たんぱく質」と連想してしまいがちですが、たんぱく質の消化には沢山のエネルギーを消費します。せっかくカーボローディングでエネルギーを蓄えても、たんぱく質の消費に使うことになるため、本末転倒なのだとか。

 当日の朝は、スタートの3時間前までには食事を済ませておくのが吉。ここでもやはり炭水化物を中心に、おにぎりやお味噌汁など、塩分とあわせて摂取できるものが◎。カステラやどら焼きなどの和菓子も、効率的に炭水化物を摂取できます。

ついにレース本番!
直前に読んでおくべき手引き

 直前のトレーニングや食事面での不安を払拭し、ついにレース本番当日。少しでも快適に楽しく完走するために、押さえておくべきポイントを解説します。

季節別の服装

 フルマラソンのシーズンは、10月から4月。秋口から真冬、春先と、出場する大会によって気候はさまざまですが、どんな環境でも快適に走り切るための必需品がこちら。

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ランニングギアのコラージュ
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
ランニングギア
  1. タンクトップ/シングレット
    春先の暖かい時期は、ノースリーブ1枚で出走するランナーも多数。ランニング用のシングレットは、速乾性のある素材で走行時のストレスを軽減してくれます。
  2. Tシャツ
    出走時の天候や季節に合わせて、生地の厚みや袖の長さを調節するようにしましょう。寒さや雨風が心配なときは、Tシャツの上にさらにウインドブレーカーのようなジャケットを着ることを推奨します。
  3. ショーツ
    通気性や速乾性のある素材や、スマホなどの小物を収納できるポケット付きのタイプを選ぶようにしましょう。
  4. レギンス
    フルマラソンレベルのロングランでは、締めつけのあるレギンスタイプもおすすめ。膝や腰への衝撃吸収や疲労軽減が期待できます。
  5. ランニングシューズ
    自分の足や走り方に合ったシューズ選びが肝心。普段の練習通りのパフォーマンスが発揮できるよう、履き慣れたシューズがベストです。
  6. キャップ
    長時間の紫外線ダメージを防止する必需品。通気性のあるメッシュタイプなどが最適です。
  7. ヘアバンド
    頭から汗が垂れるのを防止するほか、冬の寒さ対策やファッションアイテムとしても使えます。
  8. サングラス
    さまざまな環境に対応できるよう、紫外線の量によって色が変わる調光レンズや、光の乱反射をカットする偏光レンズが望ましいでしょう。
  9. アームカバー
    UVカットや冷感作用、衝撃吸収などが期待できる優れもの。半袖やノースリーブのトップスとアームカバーを組み合わせるランナーも少なくありません。
  10. グローブ
    真冬の大会のマストアイテム。手袋をつけると、体感温度が約3度変わるとも言われているのだとか。靴紐を結んだりといった細かい動きがしやすい指空きタイプがおすすめ。
  11. ウエストポーチ
    スマホをはじめ、飴やエナジージェルなどの軽食、イヤホンなど、ちょっとしたものを収納するのに便利です。
  12. 骨伝導イヤホン
    長い戦いとなるフルマラソンにおいて、音楽やラジオなどを聴きながら走りたいという人も多いのでは? 大会では、安全面の観点から、耳を塞がないオープンイヤー型や骨伝導タイプを選ぶようにしましょう。

 そのほか、目標タイムを決めずにゆっくりペースで走るランナーの場合、マストアイテムなのがアウター。レース中の気候や体温の変化に合わせて脱ぎ着できるよう、パッカブル仕様のものを持っておくことを推奨します。

グレーのジャケットを着た牧野さん
グレーのパッカブルジャケット

 牧野さんが常に持ち歩いているという「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のパッカブルジャケット。ランニング用ポーチやレギンスのポケットにも収納できる手のひらサイズが最適とのことです。

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牧野さん

マラソン大会では、使い捨てのカッパやポンチョを着て途中で捨てるランナーも少なくありませんが、環境へのダメージを考えると、何度も使えるアウターを持っておくのが一番です。

エネルギー切れを防ぐ「エナジージェル」は必要?

 マラソン大会では、走行中のエネルギー切れを防ぐため、ポーチに「エナジージェル」を忍ばせるランナーも多いです。走りながらエネルギーを補給できるジェルですが、目標タイム次第では、必ずしも必需品ではないのだそう。

エナジージェル

 牧野さんによると、ジェルは純粋な糖分やアミノ酸でできていて、摂取してすぐにエネルギーに変わる即効性があるので、4時間切りなど、明確な目標タイムを持つランナー向け。5〜6時間をかけて完走を目指すランナーの場合、ジェルで栄養を摂取するよりも、エイドステーションで立ち止まって、固形物をしっかり食べるほうが後半に効果を発揮します。もちろん、「固形物を食べると横腹が痛くなりやすい」という人は、ジェルを持っておくと安心です。

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牧野さん

ジェルは、エネルギー切れを感じてから摂取するのではなく、10kmごとや1時間ごとなど、あらかじめ摂取する時間や距離を決めておくのがおすすめです。

後半はランナーの8割が失速! ペース配分の考え方

東京マラソン2025のゴール風景 Photo by David Mareuil/Anadolu via Getty Images

 42.195kmの長丁場を走り切る上で、ペース配分についてはきちんと計画しておきたいところ。過去に50〜60回の出走経験がある牧野さん曰く、ペース配分においては「目標タイムに対して“貯金”を作らないこと」が肝心。例えば、1キロ6分のペースで走り切りたい場合、余力があったとしても、所定のペースを10秒以上切るような走りをするのは危険なのだそうです。

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牧野さん

レース当日は高揚感や周りの雰囲気に釣られて、普段以上のパフォーマンスが発揮できてしまうもの。特に、最初の10kmは速くなりがちですが、その“貯金”は後半に3倍くらいのダメージになって返ってきます(笑)。8割のランナーが後半に失速すると言われていますが、いかに周りに惑わされず、自分のペースで走れるかが成功の鍵。極論、40km地点まで一定のペースを維持して走り、残り2kmに全力で頑張ればいいんです。

 マラソン大会では、目標タイムに合わせて一定のペースで走る「ペースメーカー」が各地点を走っていて、自分がどのタイムでゴールできるのかを知る目安になります。実際にこの役を務めたこともある牧野さんは、「自分の目標タイムのペースメーカーを見つけたら、何も考えずについていくのがベスト」とのこと。その理由も、エネルギー維持の法則にあります。

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牧野さん

自分が今どれくらいのペースで走っているのか、これからのペース配分をどうしようか、など考えすぎると、脳がエネルギー源となる糖分を消耗してしまいます。理想は、何も考えずに無心で走ること。高速道路の一本道を運転しているときのように、周りの流れに合わせて淡々と同じスピードで巡行する。それが、一番省エネな走り方です。

初マラソンの不安を打破するQ&A

 最後に、初のフルマラソンで直面しがちな疑問を牧野さんに直撃!当日のレースを最大限楽しむためにも、知っておくと便利なノウハウをお届けします。

Q. スタート直前、会場周辺ではたくさんのランナーたちがダッシュなどのウォームアップをしている様子を見かけます。体を温めるためにも、ウォームアップは必要なのでしょうか?

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牧野さん

走るウォームアップは必要なし! どんなに慣らしたところで、スタート地点に整列してから出走するまでの間に体は冷えてしまいます。出走直前は、走る動きよりも、整列中にその場でできる「動的ストレッチ」をやれば大丈夫。肩を回して肩甲骨をほぐしたり股関節を回したりと、立った状態で関節の可動域を広げるような動きを取り入れ、筋肉を温めるのがおすすめです。

Q. レース中に足がつらないか心配です。事前にできる対策は?

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牧野さん

足がつりやすい自覚がある人は、事前に足つり防止のサプリメントを飲んでおいたり、塩飴や塩タブレットを積極的に摂取するようにしましょう。特に汗をかきやすい人は、レース中ずっと塩タブレットを舐めっぱなしにしておくのも効果的です。

万が一つってしまった場合、無理は禁物。つった状態で無理して走ると肉離れにつながり、私生活に影響が出てしまう可能性もあります。ゆっくり歩くなど、その部位をなるべく動かさないようにしましょう。

Q. レース中にトイレに行きたくなった場合、どうしたら良いですか?

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牧野さん

マラソンあるあるとして、スタート直後のトイレは混みがちですが、前半のタイムロスは避けたいところ。スタート地点から遠くなればなるほど空いてくるので、我慢できる場合には少し先のトイレを利用するようにしましょう。

Q. 地方のマラソン大会に出走予定です。大会翌日の観光を最大限楽しむために、疲労を軽減できる方法があれば教えてください。

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牧野さん

レース当日の打ち上げを控えめにして、お酒を飲みすぎないのが一番です(笑)。アルコールを摂ると、疲労回復が追いつかなくなってしまいます。

それから、レース後はすぐに休むのではなく、動いたほうがいいです。軽いジョギングやウォーキングで体をほぐすことで、翌日の疲労が軽減されるので、観光で歩き回るのは理にかなっています。ちゃんと休むべきなのは2日後から、ともよく言われますね。

最終更新日:

張替美希

Miki Harigae

茨城県出身。得意の英語を生かし外大に進学するも、幼少期から抱いていたファッション雑誌への憧れから、ライターを志す。大学卒業後、2022年に株式会社レコオーランドに入社。主にスポーツとファッションの領域で記事執筆を担当する。趣味はアイドル鑑賞で、エビ中ファミリー(私立恵比寿中学のファンの総称)歴は10年。週末はライブに握手会に大忙し。

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