華麗なる映画の着こなし -春夏公開映画とファッションの関係-

華麗なるギャツビー (C)2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
華麗なるギャツビー (C)2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 デザイナーにインスピレーションをもたらし、私たちにおしゃれのアイデアをくれるリソースの1つに映画がある。6月に公開が迫る「華麗なるギャツビー」は華やかりし米国の1920年代ムードを復活させそうだ。靴デザイナーのクリエーションに迫った「私が靴を愛するワケ」や、おしゃれスナップ歴50年の写真家を追った「ビル・カニンガム&ニューヨーク」(ともに5月公開)もファッションとの向き合い方に新たなアプローチを示す。(文・写真:ファッションジャーナリスト 宮田理江

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 スコット・フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャツビー」を再び映画化した「華麗なるギャツビー」で、映画「ムーラン・ルージュ」の名匠バズ・ラーマン監督はレオナルド・ディカプリオを主演に迎え、夜ごと派手なパーティーに明け暮れる謎の富豪ギャツビーの悲恋をつづった。連夜催されるにぎやかなダンスパーティーとそこに集う人達の豪奢な装いは、主人公の孤独とむなしさを際立たせる。


 「狂騒の1920年代(Roaring Twenties)」と呼ばれた当時の激しい社会変革はファッションにも及んだ。それまでのビクトリア朝のクラシックな装いからの移行期となり、古典的な上流階級的ファッションと近代的な着やすい服装が混ざり合う、揺らぎの時期となった。しかし、映画では東海岸のリッチマンや名士が集まる邸宅が主な舞台となることから、華やかで気高いムードがおしゃれの主旋律となっている。

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華麗なるギャツビー (C)2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 劇中のメンズ衣装を提供した「Brooks Brothers(ブルックス ブラザーズ)」は映画にインスパイアされた「GATSBY COLLECTION(ギャツビー コレクション)」を発売。ウィメンズは「PRADA(プラダ)」と「MIU MIU(ミュウミュウ)」が協力した。主要な欧米コレクションでは既に2013-14秋冬シーズンのランウェイで20年代を彷彿させるテイストが提案されていて、米国の景気回復も追い風に「古き良きアメリカ」を懐かしむようなスタイリングがこの秋冬にかけて勢いづきそうだ。ジュエリーで協力した「Tiffany(ティファニー)」も4月、ニューヨーク本店のウィンドウディスプレーを映画の雰囲気に合わせて、20年代風に整えた。

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華麗なるギャツビー (C)2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


 ドキュメンタリー映画「私が靴を愛するワケ」(5月11日公開)ではクリスチャン・ルブタン氏やマノロ・ブラニク氏ら、第一線のシューズデザイナーがそれぞれのクリエーション哲学を語っている。女性が靴を愛する心理や、靴に託す自意識などにも光を当てていて、タイトルが示す通り、靴に注ぐ愛情の源泉に気づかせてくれる。同時に、男性目線でも読み解きを試みていて、靴へのフェティッシュなまなざしやエロティックな連想などを解説しているので、普段はおしゃれの1パーツととらえがちな「靴」という存在をあらためて考える機会を得られる。自分に似合う靴、自意識になじむ靴を探すきっかけともなるだろう。

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私が靴を愛するワケ (c)Caid Productions, Inc. All rights reserved./cMattel, Inc.


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