
Image by: FASHIONSNAP

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走る人の「定番」には、理由がある。ランニングは軽装で行うものだからこそ、どんなランナーにも、こだわり抜いて選んだ愛用ギアがあるはず。さまざまなランナーの装備と習慣にフォーカスする本連載「あの人の愛用ランニングギア」第4回は、ランニングウェアブランド「タヌキ(TANNUKI)」を手掛ける加藤賢さん。趣味も仕事もランニングに捧げる加藤さんのルーティーンと愛用ギア3点を聞きました。
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加藤賢さん
タヌキ ディレクター
複数の外資系アパレル、アウトドアブランドにてセールスやマーケティング、商品開発を経て、2020年にランニングウェア&ギアブランド「タヌキ(TANNUKI)」をスタート。日常とランニングをシームレスにつなぐウェアやギアを手掛けている。
インスタグラム
ランニング歴:12年
ランニングの頻度:週3〜4回、10〜30キロ
【過去に出場した主な大会】
ロードラン:東京マラソン(2022)、東京ニューイヤーハーフマラソン(2026)、せとだレモンマラソン(2026)
トレイルラン:IZUTRAIL Journey(2021)、Ultra Trail Whistler by UTMB(2025)、Chiang Mai Thailand by UTMB(2025)
初心者でいきなりトレランレースに出場
ブランド立ち上げ前は、外資系アウトドアブランドで商品企画を担当していた加藤さん。トレイルランニング用のアイテムを担当する中で、仕事の一環として、初めてトレランレースに出場したのが約12年前のこと。「一番最初のレースは、本格的にランニングを始める前のことで、ほとんど練習をせずに出場しました。いきなり20kmの山のレースを走ったので、熱が出て大変だったことを覚えています(笑)」(加藤さん)。
それから、仕事も兼ねて毎年トレランレースに出場していましたが、本格的に走るようになったのは2017年頃。レースに向けて家の周りや皇居などで練習を続けるうちに、走ったあとの爽快感にハマり、ランニングに楽しさを見出すようになったといいます。その後、2018年にハーフマラソン「戸田マラソンin彩湖」に出場し、ロードレースデビュー。2019年にさいたま国際マラソンでフルマラソンに初挑戦してからは、トレランとロードランの2足のわらじで本格的にランニングにのめり込むようになります。
2019年以降、タヌキの立ち上げ準備を始めてからは、商品のテストを兼ねて走ることもしばしば。ブランドの核となっているのは、加藤さんが自身のスタイルでも意識していた「ライフスタイルとの融合」です。

加藤さん
複数のブランドを経験する中で、売上や効率を追い求めるのではなく、自分の価値観で一からブランドを作りたいという構想が湧いてきて、「せっかくやるなら愛するランニングで」というところからタヌキをスタートさせました。妻と二人で始めたのですが、妻はジャージなどスポーティなものが全く似合わないタイプで。そこを出発点に、どんな人でも普段着のような感覚で着られるランニングウェアを目指して、日々開発を続けています。
今では、タヌキとしてロードレースやトレランレースにブース出展することも多いとのことで、中でも加藤さんがお気に入りだというのがタイのチェンマイで開催されるアジア最大規模のトレランレース「Chiang Mai Thailand by UTMB」。日本のトレランレースは、100マイル(160km)を目指すシリアスランナーが多いのに対し、チェンマイでは20kmや50kmの参加者がボリュームゾーンで、おしゃれをして楽しむ層も多いのだそうです。



「Chiang Mai Thailand by UTMB」での一コマ

加藤さん
大会では、ブースに出展することで出走権がもらえることもあるので、短いレースの場合は走りに行って、またすぐ店番に戻ってくることもあります(笑)。チェンマイのレースは10日間にわたって開催されるのですが、幅広いレベルのレースがあり、お祭りのような雰囲気で楽しめるので、最近は毎年行っています。
ランコミュニケーションから生まれる、文化服装学院生とのコラボ
今では、山とロードを合わせて月に100〜200kmを走る加藤さん。トレランでは埼玉の飯能にお気に入りのコースがあるとのことですが、頻繁には行けない分、普段は代々木公園や皇居などを中心に練習を積んでいるのだそうです。ジョグだけではなく、タイムを縮めるための練習会にも積極的に参加。週に1〜2回、平日の夜には、トレランを介して知り合った仲間とともに陸上競技場で汗を流しているといいます。
タヌキは文化服装学院ランニング部との協業アイテムも定期的に販売しており、商品企画を兼ねて一緒に走るようにしているのだとか。企画プレゼンから生地の選定、デザインといった各工程を走ってから行うことで、仲を深めています。

文化服装学院ランニング部との協業によるジャケット

文化服装学院ランニング部とのグループランでの一コマ

加藤さん
これからデザイナーやパタンナーを目指す学生の皆さんのアイデアはすごく新鮮で、ランニングというコミュニケーションを通して、いつも刺激を受けています。デザイン面でも、「ここにこのディテールがあったら可愛い」というファッション的な視点をもらいつつ、僕がパフォーマンスの視点から可能性を探る、というプロセスが楽しいです。
仕事を通じてランニングと出会い、趣味となり、結果的にまた走ることが仕事となった加藤さんですが、「仕事だから走らなきゃ」という意識は一切なく、純粋に「好き」という気持ちのまま、ランニングと向き合っているといいます。

加藤さん
客観的に見れば、ランニングブランドを運営しているなら走るべき、という考えになると思いますが、僕自身は“走ること自体が好きだから”という原動力だけで走り続けています(笑)。今の仕事も、どの部分を切り取っても全部楽しいんですよね。走ることを通して新しい人に会うことができたり、コラボレーションを通して新たなアイデアが生まれたりと、どんな状況も楽しめています。




加藤さんが主催するフェス「春のタヌキ祭り」では、50以上のインディペンデントなランニングブランドやアウトドアブランド、ローカルショップが出展。各ブランドのブース出店や参加者によるグループラン、ワークショップを通して交流を深めているのだそうです。今年は5月9日に浜松町での開催を予定しています。
お気に入りのポッドキャスト
普段のランニングでは音楽は聴かない“無音派”だという加藤さん。自然の音に耳を傾けて走るのが習慣とのことですが、気が向いた時に聴いているというのが岡田拓海さんのポッドキャスト番組「ランラジ」。

加藤さん
1時間から2時間をジョグペースで走るときには、「ランラジ」をはじめ、友人がやっている番組を聴きます。他にも、ランニング関連のものを聴くことが多いです。
こだわりの愛用ギア3選
■加藤さんのランニングスタイル
日々のランニングスタイルにおける加藤さんのこだわりが、「1日中、シームレスに過ごせること」。仕事を終えて、そのまま走れるスタイルで毎日を過ごしているといい、それはタヌキで作っているウェアにも通ずる部分があるのだそうです。



加藤さん
ランニング用にわざわざ着替えるというよりは、普段着としても着られるウェアを取り入れています。自分のブランドでは意識的にそういう服を作っているので、普段はタヌキばかり着ています(笑)。ファッションの観点では、キャップもマストアイテムですね。パフォーマンスよりも「可愛いから」という視点で選ぶことが多いです。
その中でも、日々のジョグからレース本番まで、多様なシーンでの必需品3点を聞きました。
ソルトスティック

足がつりやすい加藤さんの日々のランニングのお供が、汗で失われる電解質を摂取できるサプリ「ソルトスティック」。

加藤さん
ミネラルやナトリウム、マグネシウムを効率的に摂取できるので、足つり防止に飲むようにしています。長時間走るときやレースのときは事前に飲んだり、途中で飲んだりすることもあります。
ハイドラパック スピードカップ

右はパリのランニングショップ「ディスタンス」のもの。
トレランもロードランも、どちらの大会にも出る機会の多い加藤さんにとって、レースの必需品が「ハイドラパック(Hydrapak)」の携帯カップ。ポケットに入れて持ち運べるので、普段のランにも使えます。

加藤さん
最近は、ゴールドウインが支援する湘南国際マラソンやせとだレモンマラソンなどを筆頭に、マイボトルの利用を促進する大会が増えているので、将来的には、すべてのランナーの必需品になるとも言えますね。
トリッパーズ ゼッケンベルト

同じく、レース当日に欠かせないのが、ゼッケンを留めるゼッケンベルト。マラソン大会において、ランナーは必ず指定のゼッケンを付けて出場しますが、紙製かつ安全ピンを直接ウェアに付けることが多いため、安定性を高めるためにベルトを付けるのだそうです。こちらは、東京・立川のトレラン専門店「トリッパーズ(Trippers)」のオリジナルアイテム。

加藤さん
安全ピンでウェアに傷がつくのも嫌だし、環境によってはゼッケンが破れたり折れたりしてしまうこともあるので、レースに出る時は必ず使っている必需品です。
番外編:タヌキ × アウルミルズ サングラス



最近、加藤さんのギアに仲間入りしたのが、福井県鯖江発のサングラスブランド「アウルミルズ(OWL MILS)」とタヌキのコラボレーションサングラス。ランニングサングラスとしては珍しいティアドロップ型がタレ目のたぬきを彷彿とさせるデザインです。一般発売は5月を予定しているとのこと。

加藤さん
「ザ・スポーツサングラス」というデザインではなく、いろんな人に似合う形かつ、ランニング以外のシーンでも使えるよう仕上げています。偏光に加えて、ハイコントラストの高級レンズが入っていて、フレームのフィット感を高めたことで走っても揺れないので、機能的にも申し分のないアイテムです。
最終更新日:
■あの人の愛用ランニングギア
- #1 タイクーンランニング代表 今井タカシさん
- #2 080TOKYO ランナー 碧さん
- #3 アトモスPRマネージャー 池澤睦実さん
- #4 タヌキ ディレクター 加藤賢さん
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