
Image by: FASHIONSNAP

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走る人の「定番」には、理由がある。ランニングは軽装で行うものだからこそ、どんなランナーにも、こだわり抜いて選んだ愛用ギアがあるはず。マラソンシーズンに合わせて、さまざまなランナーの装備と習慣にフォーカスする連載「あの人の愛用ランニングギア」がスタート! 第1回は、渋谷でランニングカルチャーショップ「タイクーンランニング(TYCOON running)」を営む今井タカシさん。スニーカーセレクトショップ「アトモス(atmos)」のバイヤーを経て、ランニングの沼にどっぷりハマり、今ではランニング×ファッションを発信する第一人者として知られる今井さんに、ランニングのルーツ&ルーティーン、愛用ギア3点を聞きました。
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今井タカシさん
タイクーンランニング 代表
1989年にアメ横のスニーカーショップでキャリアをスタート。2000年にスニーカーショップ「アトモス(atmos)」の立ち上げに参画し、2001年にスニーカーブランド「マッドフット(MADFOOT!)」をスタート。2007年に伊藤忠商事に商標権を売却した。2017年にアトモスに再度参画し、「オン(On)」や「ホカ(HOKA)」などをスニーカーシーンに定着させる。2025年に「タイクーンランニング」をオープンした。ヒップホップグループのガスボーイズとしての顔も持つ。
ランニング歴:10年
ランニングの頻度:週に4〜5回、10〜14キロ
過去に出場した主要大会:さいたま国際マラソン2019、勝田全国マラソン2023〜2026、東京マラソンなど
自己ベスト:2時間52分34秒(勝田マラソン2023)
「走ること=ダサい」マイナスイメージからのスタート
今井さんのランニングルーツは、中学時代にさかのぼります。陸上部に所属し、専門は長距離でしたが、走ることに対してはマイナスイメージを持っていたといいます。「シングレットに短いショーツを履くスタイルがダサくて嫌だったんです。当時は頭を坊主にする校則だったこともあって、本当に格好悪くて(笑)」(今井さん)。

中学時代の陸上部での一コマ。「坊主でシングレット、さらにハチマキがダサすぎて爆死です(笑)」(今井さん)。
中学校を卒業してからはほとんど走らず、大人になると毎日のようにお酒を飲んだりタバコを吸ったりと「不規則な生活を送っていた」と振り返る今井さん。40歳を過ぎた頃には痛風に見舞われるなど、健康とは程遠い日々の中、ある日突然、走るきっかけが訪れます。

今井さん
「エミ(emmi)」のシューズバイヤーを務めていた2016年、アディダスから「皇居を一緒に走りませんか」と声をかけてもらって、面白そうだと思って参加したんですが、そこでいただいたアパレルとシューズが格好良くて感銘を受けました。ロングタイツにショーツを重ねて、ロンTの上にTシャツを着る今っぽいスタイルで、不思議と似合っている自分にも気づいて。それから実際に走ってみると、昔取った杵柄なのか、意外と走れたんです(笑)。

初のフルマラソン、2019年のさいたま国際マラソンにて
痛風の発症以来、「生活習慣を改善したい」と考えていた今井さんにとって、この経験がランニングを始めるきっかけとなりました。「どうせ走るなら早く走りたい」と自然とタバコを遠ざけるようになり、禁煙にも成功。どんどん走ることにハマっていく中で、「1人での練習には限界がある」と感じた今井さんが次に出会ったのが、人と一緒に走る「グループラン」でした。

今井さん
2018年頃に「オン(On)」が「On Friends」という仲間と楽しんで走るカルチャーを広めていて、それにすごく共感しました。タイムだけを求めるストイックな走り方よりも、走った後にみんなで飲んだり、どこかへ走りに行ったりする“ファンラン”が楽しいな、と。それで自分でもコミュニティを作りたくなって、2019年にアトモス社内でもランニングクラブを立ち上げました。


タイクーンランニングでは、毎週水曜日にソーシャルランを開催。予約は不要で、誰でも飛び込みでグループランに参加することができます。
Image by: TYCOON running
その後、当時の同僚とともに、2019年開催のさいたま国際マラソンに初出場。以来、年に数回はフルマラソンやハーフマラソンのレースに出場していますが、中でも印象に残っているというのが東京マラソン。「普段、自分が生活している都心を走れるという点はもちろん、沿道の声援が一度も途切れないので、まるで自分がエレクトリカルパレードの演者になったような気分になるんです(笑)。常に見られていることを意識しながら走るのは、あの大会でしか味わえない感覚だと思います」。

2023年から毎年出走しているという勝田全国マラソン。都心からのアクセスが良いのが魅力の一つ。

2017年のスパルタンレース完走時の写真
仲間とモチベーションを高め合うランニングスタイル
現在は、店舗でのソーシャルランを含め、週に4〜5回、10〜14kmを走るのがルーティーンだという今井さん。一人でのランニングコースは、近所だという江戸川周辺。信号に捕まらず、ペースを保って走れるお気に入りのコースがあるのだそうです。

今井さん
江戸川の魅力は、土手の上を走る分、目線が高くて見晴らしが良いところ。荒川や隅田川は川と並行して走るので景色があまり変わらず、単調でつまらないと自分は感じますが、江戸川は景色が良いので走りやすいですね。
今は、楽しむことを目的としたグループランと、タイムを狙ったストイックな練習会の2軸で走っているとのことですが、練習会は、ランニング中の出会いをきっかけに参加するようになったといいます。

今井さん
2020年初頭、フルマラソンでサブ3(3時間切り)を達成したくて練習を重ねており、1人での練習に限界を感じていました。そんなときに、江戸川を一人で走っていたら、ずっと後ろをついてくる人がいて。正直、少し気持ち悪いなと思って足元を見たら、当時の日本ではまだ珍しかったオンのシューズを履いていたんです。僕もそのときオンを履いていたので「オン、履いているんですね」と話しかけたのをきっかけに仲良くなって、彼の紹介で練習会に参加するようになりました。僕のフルマラソンのベストタイムは2時間52分なのですが、練習会の中では中の下のレベル。ソーシャルランもそうですが、同じ趣味を持つ仲間とコミュニケーションをとることでモチベーションが高まるし、鍛えられている実感があります。

2022年の東京マラソン出走時の写真
最後に、ランニングをきっかけに生活習慣が大きく改善し、今では走ることが生業とも言える今井さんに、改めてランニングの魅力を聞いてみると「自分と向き合う時間」との答えが返ってきました。

今井さん
走ることで、心と体が「整う」感覚があります。仕事やプライベートで頭の中がごちゃごちゃしていても、走っているうちに整理されて、すっと腹落ちするような感覚になるんですよね。それだけではなく、走ることでネガティブな自分に打ち勝つこともできる。「今日は寒いから走りたくないな」と思うことがあっても、めげずに走る。走らずに後悔することはあるけど、走って後悔することはないので。
こだわりの愛用ギア3選
■今井さんのランニングスタイル

今井さんが普段のランニングにおいて意識しているのは、「そのまま電車に乗れるようなカジュアルなスタイル」だと言います。

今井さん
コットンのTシャツを選んだり、体のラインを拾いすぎないゆとりのあるシルエットのショーツを選んだりと、ランナーのテンプレートのようなスタイルに対して、ささやかな抵抗を心がけています(笑)。
日常的にも使いやすい、デザイン性を重視したアパレルやランニングシューズ、ザックなどの愛用ギアの中でも、特に欠かせない必需品3点を教えてもらいました。
アルバ オプティクス サングラス

今井さんが日常からランニングまで、幅広いシーンで愛用しているというのが、イタリア発アイウェアブランド「アルバ オプティクス(ALBA OPTICS)」のサングラス。元々はロードバイク用のアイウェアメーカーだった同ブランドが手掛けるアイウェアの中でも、特にお気に入りなのが調光レンズのタイプ。紫外線量に応じてレンズの色が変わることから、普段使いしやすいところが魅力です。

今井さん
100km走のように夜中から走り始めるロングランや、木々が生い茂り、日向と日陰が頻繁に入れ替わるトレイルランニングなどのシーンでも使えます。
タイクーンランニング キャップ


普段からキャップラバーな今井さんにとって、ランニング中にもキャップの着用は必須とのこと。タイクーンランニングオリジナルのキャップは、通気性の高いメッシュ素材に、フロントのロゴがポイント。

今井さん
帽子は日差しや紫外線予防にもなりますし、その日の気分でデザインや色を変えて楽しんでいます。
2XU コンプレッションショーツ


タイクーンランニングとのコラボレーションによって生まれた「PWXコンプレッションショーツ」
いつもはゆったりとしたボトムスを選びがちな今井さんですが、レース出走時など、気合を入れたいときには「ツータイムズユー(2XU)」のコンプレッションショーツを履くのだそうです。

今井さん
筋肉の揺れを抑えてくれて、疲労が残りにくいところが気に入っています。コンプレッションカーフガード(レッグカバー)も同じく、紫外線対策や疲労軽減に効果的なので、愛用しています。
最終更新日:
■あの人の愛用ランニングギア
- #1 タイクーンランニング代表 今井タカシさん
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