スニーカーに続きサンダルが空前のブーム その理由は?

■相次ぐ海外ブランドの進出

 サンダルの出番が増えたのを追い風に、日本市場に進出するブランドが相次いでいる。本物のヨガマットを使った「ヨガマットサンダル」で知られる、米国カリフォルニア州のブランド「Sanuk(サヌーク)」は4月、日本初の直営店を沖縄に構えた。ブランド誕生の背景には、ウエストコーストのビーチカルチャーがあり、くつろいだ気分のライフスタイルを志向する今のファッショントレンドにも通じている。

 ブラジルからはビーチサンダル「Ipanema(イパネマ)」が上陸。日本初のコンセプトショップ「イパネマ 東京」が東京・渋谷の明治通りに8月末までの期間限定でオープンした。好みのサンダルとチャームを組み合わせて楽しめる、ロサンゼルス生まれ、ハワイ育ちのビーチサンダル「POPITS(ポピッツ)」も日本での浸透を狙う。

ipanema_shibuya_01.jpg

 ビーチサンダルを中心とした、ニューヨーク発のブランド「Sand by Saya(サンドバイサヤ)」は、NY在住の日本人デザイナー、Saya氏が手掛ける。Saya氏によると、ミックスコーディネートが上手なマンハッタン女性はビーチサンダルで街を歩くことが珍しくないのだという。ビジューやリボン、ビーズをあしらった「Sand by Saya」のサンダルは、ドレッシーな装いにもなじむ。

■サンダルブームの背景は?

 いわゆる「トレンド」はブランドやデザイナーから提案される形で広まることが多いが、その背景には消費者側が共有する時代の気分や無意識のニーズがあるものだ。にわかに巻き起こったフラットサンダルのブームには、気張らずノンシャランとおしゃれに向き合いたいと考える女性の気持ちが透けて見える。足の健康を気遣いつつ、アクティブに過ごしたいと願う心持ちもうかがえる。春から一段と勢いづいたスニーカー人気にも共通する意識だろう。

 ミックスコーディネートの定着もサンダルの出番を増やしている。エッジィな装いやエレガントな着姿に、あえてサンダルを引き合わせるスタイリングは「はずし」の効果が大きい。一昔前であれば、ちぐはぐと見られかねなかったが、今では程よい「ズレ感」を楽しめるようになってきた。

 もともとハイヒールは脚をスッキリきれいに見せるという役割が期待されている。でも、他人の視線を過剰に意識しなければ、自分にとっての快適さを優先して、フラットサンダルを選ぶことができる。背を高く見せる作為を捨てたぺたんこサンダルの人気は、良い意味で「自分本位」のおしゃれを本気で望むようになってきた日本人女性の「心変わり」の表れでもあるようだ。

(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江

宮田理江 - ファッションジャーナリスト -

rieface_01_01.jpg

 複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスを経験後、ファッションジャーナリストへ。新聞や雑誌、テレビなど数々のメディアでコレクションのリポート、トレンドの解説などを手掛ける。コメント提供や記事執筆のほかに、企業・商品ブランディング、広告、イベント出演、セミナーなどを幅広くこなす。著書にファッション指南書『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』がある(共に学研)。  http://fashionbible.cocolog-nifty.com/blog/

記事のタグ

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング