大人の制服に変化〜脱個性からデザイン重視へ

丸山敬太デザイン JAL 新制服 Image by FASHIONSNAP
丸山敬太デザイン JAL 新制服
Image by: FASHIONSNAP

 「大人制服」が変わり始めた。近頃は日本企業が相次いで制服を刷新。以前に比べ、大御所の無難なデザインを求める傾向が薄れ、割と新鋭の大胆な発想を受け入れる動きが広がっている。一方、制服が強制されていない人に向けて、あえて自分らしい「制服」をまとうという提案も打ち出された。自分で好きに選ぶ「なんちゃって制服」が中学・高校生のファッションとして浸透する中、働く大人の「制服」事情も変化しつつあるようだ。(文:ファッションジャーナリスト 宮田理江

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 企業や組織がそこで働く人に着用を強制する「制服」は、自由に選べる私服とは別の巨大なファッションビジネス市場だ。制服デザイナーに採用されれば、知名度や信頼度が上がる効果が新鋭デザイナーには期待できるし、著名デザイナーを起用すれば、その才能と発信力を借りてクライアントのイメージ向上も望める。これまでは往々にしてベテラン級のデザイナーに冒険しないデザインを求めるきらいがあったが、近頃は安定志向を抜け出すケースが相次いでいる。


 全日本空輸(ANA)は客室乗務員(CA)の新制服に、ニューヨーク・コレクションに参加している気鋭デザイナー、プラバル・グルン氏を起用した。全日空が外国人デザイナーにCA制服を頼むのは、今回が初となる。グルン氏はオンワード樫山のブランド「ICB」で2011年からデザイナーを務めている。ネパール出身のグルン氏が大手エアライン制服を手掛けるのはANAが初めて。創立60周年を節目にした制服一新の大役を担う。

 2005年にANAが15年ぶりに制服を一新した際のデザインは田山淳朗氏が任された。自らの名を冠した「ATSURO TAYAMA(アツロウ タヤマ)」を手掛ける田山氏はかつてワールドの「OZOC(オゾック)」「INDIVI(インディヴィ)」などをヒットさせた実績で名高い。それ以前も79年の制服変更時は三宅一生氏が担当。82年と90年には芦田淳氏が手掛けていて、国内の手堅い大物を起用するケースが多かった。


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丸山敬太デザイン JAL 新制服


 一方、日本航空(JAL)は新制服デザイナーにKEITA MARUYAMA TOKYO PARIS(ケイタ マルヤマ トウキョウ パリス)ブランドの丸山敬太氏を起用した。JALはこれまで森英恵氏に長く依頼してきた後、「L'EQUIPE YOSHIE INABA(レキップ・ヨシエ・イナバ)」の稲葉賀恵氏を起用。丸山氏もJALの制服は初仕事となる。「洋服の青山」の青山商事がJAL制服を受注したのも、目新しい変化だ。丸山氏は東京・秋葉原のメイドカフェ「@ほぉ〜むカフェ」のメイド衣装でも異色のコラボレーションを実現させている。


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