手仕事の逸品を現代に受け継ぐ老舗工房を訪問 世界一住みやすい都市ウィーンの今(前編)

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 オーストリアはドイツやチェコなど7カ国に囲まれ、その首都のウィーンはヨーロッパの中心に位置しています。長い歴史を誇る美しい街並みは世界遺産に登録され、5年連続で世界一住み心地の良い街に選出されています(マーサー世界生活環境調査調べ)。水路に恵まれ、音楽をはじめとする芸術の都として栄えてきたこのウィーンでは今、百数十年も前から代々受け継がれている職人たちの手仕事を讃え、優秀な人材を後世に残そうと支援する「ウィーン・プロダクツ」と呼ばれるプロジェクトが進行中。今回、日本ではまだまだ知名度の低いこの取り組みを、ウィーンの人々のライフスタイルとともに前編・後編の2本立てで紹介します。

■目次
(1)<ライフスタイル>リング通りが育んだ世界一の住み心地
(2)<ライフスタイル>アフターファイブから楽しむナイトライフ
(3)<インテリア>古びた家具蘇らせるフリードリッヒ・オットー・シュミット
(4)<ファッション>曾祖母の意志受け継ぐミュールバウアーの帽子

(1)リング通りが育んだ世界一の住み心地

アルプス北東の支脈に位置するウィーンは、オーストリア国内人口の4分の1にあたる240万人が生活。約280の公園や庭園、多くの緑地帯や保養エリアがあります。

■世界で最も美しい大通り

1865年、フランツ・ヨーゼフ皇帝の宣言によって完成したリング通りは、来年で開通から150周年。長さ5.3キロメートル、幅57メートルのこの通りには、市内交通の大動脈として国会議事堂やオペラ座、ブルク劇場、市庁舎、大学、自然史博物館、美術博物館などが随所に並んでいます。国の重要な建物が一つの通りにこれほど集中している例はとても珍しく、ハプスブルク王朝の終焉から第一共和国の樹立、ヒトラーのウィーン進駐、第二次世界大戦後の復興、そして軌跡の経済と呼ばれる経済成長期まで、リング通りはウィーンの政治的・社会的変革を見守ってきました。

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「世界で最も美しい大通り」といわれるリング通りですが、オットー・ワーグナーら著名建築家が手がけた歴史的建造物が建ち並ぶ風景は、若い人たちにとっては少しとっつきにくい印象があるかもしれませんね。通り沿いにはカフェやブティック、雑貨店など沢山のショップも並んでいるので、現地の人々のトレンド発信地になっています。

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オーストリア発祥のスワロフスキー本店など現地ならではのショップをはじめ、ラグジュアリーからファストファッションまで多彩なファッションブランドも揃っています。

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■ザッハトルテの発祥地

ウィーンに来たらぜひ食べてみたいのが、本場のザッハトルテ。王道は、老舗カフェの「ザッハー」と「デメル」です。「ザッハー」は、フランツ・ザッハー氏が考案した1832年当時のレシピを継承するザッハトルテの本家本元。砂糖を入れずに泡立てた甘くないホイップクリームが付いてきます。トルテと一緒に写っているのは「フランツィスカーナー」と呼ばれる濃いコーヒーとホイップクリームのドリンク。日本語で言うウィンナーコーヒーに近いのですが、ウィーン発祥と言われているウィンナーコーヒーは実は現地のメニューにはありません。

ザッハーのザッハトルテ

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シシィ(皇妃エリザベート)が愛したハプスブルク家御用達の「デメル」は、カフェスペース以外にガラス張りのオープンキッチンやおみやげコーナーを設置。「ザッハー」とはスタイルが異なり、ホイップクリームは別途注文すると付けてくれます。

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デメルのザッハトルテ

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■食は肉料理中心

7カ国と国境を接することから、オーストリアには独自の味わいを育んできた伝統料理が沢山あります。「グーラッシュ」はハンガリー料理のグヤーシュ(牛肉と野菜のパプリカスープ)のウィーン版。その他、ひき肉料理や内臓料理も定番です。衣を付けた食べ物も多く、旅行本によく紹介されている「ウィーナー・シュニッツェル」は薄さ5mm程度の仔牛肉をたたいて薄くし、レモンを絞って食べるウィーン版のカツレツ。

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