藤原ヒロシや栗野宏文ら著名人のレザー愛用品が集結 「w/leather –革と生きる、という選択。–」を現地レポ

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Image by: FASHIONSNAP

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藤原ヒロシや栗野宏文ら著名人のレザー愛用品が集結 「w/leather –革と生きる、という選択。–」を現地レポ

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 日本皮革産業連合会とFASHIONSNAPが、レザーのサステナブル素材としての魅力を伝えるイベント「w/leather –革と生きる、という選択。–」を渋谷PARCO10階のP BOXで11月1日から3日まで開催しました。会期前日の10月31日にはオープニングイベントが行われ、多くの業界関係者が来場しました。本稿では、会場の様子をレポートします。

 本展は、一般社団法人 日本皮革産業連合会(JLIA)が2021年に立ち上げたプロジェクト「Thinking Leather Action(シンキングレザーアクション)」による企画。皮革や革製品にまつわる誤解を解消し、サステナビリティに関する正しい知識を広めることを目的としています。

会場に入ってすぐの場所に掲示されたキャプション

 FASHIONSNAPでは連動企画として、10月にインタビュー連載「あの人と、革の話 project by w/leather」を約1週間にわたって掲載。音楽プロデューサーの藤原ヒロシさん、スタイリストの仙波レナさん、ユナイテッドアローズの上級顧問でクリエイティブディレクターの栗野宏文さん、「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」のデザイナー 尾花大輔さん、芸人のみなみかわさんの5名が登場し、それぞれの“レザー愛”と愛用品を語っています。

連載と展示に参加した5人。左から栗野宏文、尾花大輔、仙波レナ、みなみかわ、藤原ヒロシ。

著名人の愛用レザーアイテムや厳選されたレザーアイテムを展示

 会場は「日々の暮らしや仕事をともにするレザーアイテム」を”相棒“と定義。イエローをキーカラーにした空間の中央には、連載で登場した5人の愛用品が並びます。長年の使用で生まれた経年変化や、レザー特有の質感が来場者の目を惹き、インタビューで語られていたエピソードを思い起こさせるようなディテールを、間近で感じることができました。

 会場の奥には、FASHIONSNAPが運営するオンラインストア「F/STORE」初のショールームが出現。使い込まれたアイテムと対比するかたちで、新品のレザーが持つ“しなやかさ”や“高級感”を体感できるスペースに。今回のためにバイヤーがセレクトした「エー レザー(A LEATHER)」のトラッカージャケットやスエードダウンをはじめ、「ポステレガント(POSTELEGANT)」「リーガル シュー&カンパニー(REGAL Shoe & Co.)」「ティーエイチ プロダクツ(th products)」など、人気ブランドのアイテム約50点がラインナップ。通常はオンラインや展示会でしか見ることのできないアイテムを、実際に手に取り試せる貴重な機会となりました。

今回のためにバイヤーがセレクトした「エー レザー」

今回のためにバイヤーがセレクトした「エー レザー」

ケア&リペア体験など、多様なワークショップも開催

 展示に加えて、レザーシューズのケア&リペアを学べるワークショップも行われました。講師を務めたのは、作品が英国美術館に永久収蔵されているシューズデザイナー/レザーアーティストの勝川永一さん。家庭でも実践できるプロのケア術を、参加者に丁寧に伝授していました。勝川さんは「革はケアをすることで復元できる唯一無二の素材だと、これまでの経験で確信しています。この3日間のイベントでは、ご来場する方々にケアを通してその有用性を伝えていきたい」と話しました。そのほか、皮革の基礎知識が身につく「レザークイズ」も実施。会場入り口で革素材に触れて“予習”したあと、会場奥のクイズに正解すると、革張りのボールペンがプレゼントされる仕掛けも。

会場内に設置された製品化される前の革

手に触れて肌触りを体験することができる

体験した「革の肌触り」を頼りにレザークイズに挑戦!

レザークイズに全問正解すると、革張りのボールペンがプレゼントされました。

丈夫で長持ちする天然皮革は、サステナブルな素材、伝えたい想い

 FASHIONSNAPの読者アンケートによると、「革製品に使われる革が食肉の副産物である」と知っていたのは全体の約30%にとどまりましたが、連載や企画展を通してその事実を知った人は約70%にまで増えたそうです。Thinking Leather Actionの座長であり、皮革製造卸業「川善商店」代表の川北芳弘さんは、「まだまだ啓発活動は必要」としながらも、「丈夫で長持ちする天然皮革はサステナブルな素材です。革への理解を深め、“革とともに生きる”という選択肢に改めて目を向けるきっかけになれば」と語りました。

ミニインタビュー:Thinking Leather Action 座長 川北芳弘

── Thinking Leather Actionを始められたきっかけは何ですか?

 7〜10年ほど前から世の中で「エコ」や「サステナブル」「SDGs」という言葉が使われ始め、環境意識が高まる一方で、革に関してはややネガティブな情報も出るようになりました。「革のために動物を殺しているのではないか」「革をやめれば牛のゲップが減るのではないか」といった情報です。そして、そうした情報を元に、本物の動物の革を使用していない“レザー調”の代替素材、いわゆる合成皮革※を売っていくスタイルが流行りました。これにより、「革は良くない」「環境に悪い」という噂が広まってしまったのです。現在、SNSなどでは正しい情報も間違った情報も流れていますが、正しい情報をきちんと発信しなければいけないということで、このプロジェクトを始めました。
※当時はヴィーガンレザーという言葉が使われていたが、2024年から「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来のものに限定するとJISで規定。「ヴィーガンレザー」という言葉も JIS の規定上は使用することができなくなっている。

──プロジェクトで最も伝えたいメッセージは何でしょうか?

 一番の軸は「副産物」への理解です。私たちが使っている革製品の99%は、食肉の副産物です。つまり、私たちが普段お肉を食べた後に出る皮をアップサイクルして作られています。これらに関しては、革のためだけに動物を育てたり、殺したりすることは全くありません。お肉が先にあって、革があるのです。ですから、仮に革製品を使うのをやめても、畜産や食肉の計画は変わりません。革はあくまで「おまけ」。食肉文化が続く限り、お肉を食べた後に出る皮を使って革製品を作ることは、非常にサステナブルであると言えます。

──皮革が食肉の副産物であるという事実は、一般的にどのくらい知られているのでしょうか?

 実は、1000人規模の調査をしたところ、6〜7割の人がこの事実を知りませんでした。さらにその中の30%から40%の人は、「革のために動物を殺している」と勘違いしていました。ほとんどの人が知らないと思って接していただいていいと思います。今までご一緒したデザイナーさんの中にも、初めて知ったという方がいらっしゃいました。

──副産物であること以外に、革のサステナビリティについて伝えたいことはありますか?

 もう一点、今回の大きな趣旨は「革は丈夫で長く使えるからサステナブル」という点です。革は、使っていくうちに味が出て、少しボロボロになっても格好いいという珍しい素材です。一度買ったら10年、20年、モノによっては、2世代、3世代先も使えるものもあります。これはすごくサステナブルなことだと思います。シンプルに格好よくて長持ちし、使っていても味が出るということが、来場者の方に伝わるのが一番大切だと考えています。そしてできれば、副産物であることも知っていただければありがたいです。

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