深山拓也と上島朋子が手掛けるウィメンズブランド。深山がデザイン・コンセプトを担当し、上島がそれを形にしている。オリジナリティの高い上質な生地にこだわりながら、「新しいキャリア層の創造」をテーマに服作りを行う。強さと優しさを持ち合わせるクリエーションを目指し、着る人に解釈を委ねるクリーンでモードなコレクションを提案している。
near.nipponのコレクション
Takuya Miyama
1976年6月22日、東京生まれ。98年、織田ファッション専門学校ファッションデザイン科を卒業。2000年、上島と「ニアー ニッポン」を立ち上げ、展示会形式でコレクションを発表。06年、株式会社nearを設立。07年から11年、パリの合同展示会に出展。現在は東京を拠点に年2回コレクションを発表している。
ADVERTISING
Tomoko Kamijima
1972年9月29日、静岡県生まれ。95年、文化服装学院アパレル技術専攻科を卒業し、織田ファッション専門学校で服飾教員として勤務。2000年、深山と「ニアー ニッポン」を立ち上げる。
目次
- CHARACTERISTIC ITEM -
シーズンを象徴するオリジナル生地を使ったアイテム
ブランドを代表するアイテムについて、深山と上島は「特徴のあるオリジナルファブリックを使ったアイテム」と説明する。毎シーズン手描きでおこした柄を、京都の手捺染プリントで表現。プリントのほかにも、日本の産地と協業しながらオリジナルの生地作りにこだわっている。シャツやパンツといったベーシックなワードローブにのせ、日常に寄り添うモードに昇華。風をはらむ軽快なケープコートに代表される、丁寧なパターンメイキングにも定評がある。
- BRAND CONCEPT -
相反する要素を近づける(=near)アプローチ
ブランドコンセプトは「相反性の同居」。nearとは異なる要素を近づける意味で、nipponは日本人としてのアイデンティティー、特に「配慮あるデザインを心掛けたいという思いから」つけたという。相反する要素を近づけ、接点でバランスのとれたスタイルを模索。「着る人によって印象が変わるから、(相反する要素の)どちらとも解釈できるデザインが好き」とデザイナーはコメントしている。
- SUSTAINABLE -
2022年春夏から100%サステナブルなアイテム展開を開始
以前からサステナブルな素材を取り入れてきた「ニアー ニッポン」は2022年春夏から、さらに取り組みを強化している。同コレクションでは、70%リサイクル、30%オーガニックコットンで構成される伊マンテコ社の素材を採用したオールインワンやロングジレを発表した。全て受注生産で、無駄な生地の廃棄を減らすためパターンにも工夫している。また、同シーズンから首元のタグを再生ポリエステルに、下げ札を古紙に切り替えた。
- SHOP -
主な取り扱い店舗は百貨店やセレクトショップ
ブランドのアイテムは公式オンラインショップで購入できる。リアル店舗ではセレクトショップの1er(プルミエ・アロンディスモン)やパリゴ、エポカ ザ ショップのほか、松屋銀座内のリタズダイアリーなどで取り扱っている。
- COLLECTION -
最新コレクション2022年秋冬の特徴
テーマは「LOOP」。コレクションを象徴するモチーフは、力強く表現した手描きのボタニカル柄プリントだ。「『これで良い』では無く『これが良い』という選択をしていく、自己表現が出来るような柄」と深山と上島は説明する。内面の強い意志が滲み出るような存在感のあるモチーフを、オーバーサイズのアウターやエレガントなマキシスカートに落とし込んだ。一方で、アンサンブルはオーガンジーのようなシアー素材でセンシュアルに表現。ブランドらしい強さと繊細さを内包した、現代を生きる大人女性たちに向けたアイテムを揃えた。
- FAVORITE ITEM -
2022年秋冬 デザイナーのお気に入りアイテム
深山と上島が挙げたお気に入りアイテムは、ボタニカル柄プリントのブラウス。力強いモチーフがアイキャッチな一着だが、シャツ自体はミニマルなスタンドカラーの端正な佇まい。袖にボリュームをもたせ、シルエットに抑揚をつけた。「インパクトを与えながらも、大人の色気や気品も表現できるところがお気に入り」だという。京都の伝統的な手捺染手法で仕上げており、鉛筆画のタッチを繊細に表現している。
今回、同柄にてスカートやキルティングコートも展開。スカートはリサイクルポリエステルを使用し、環境に配慮しながら柄とデザインの魅力を最大限引き出したアイテムとなっている。
Image by: near.nippon
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