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FETICO2025年春夏コレクション

FETICO 2025年春夏

Image by: Runway:FASHIONSNAP(Koji Hirano)、Backstage:FASHIONSNAP(Ippei Saito)

FETICO 2025年春夏

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FETICO2025年春夏コレクション

FETICO 2025年春夏

Image by: Runway:FASHIONSNAP(Koji Hirano)、Backstage:FASHIONSNAP(Ippei Saito)

 舟山瑛美が手掛ける「フェティコ(FETICO)」が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 S/S」でランウェイショーを開催し、2025年春夏コレクションを発表した。

 2020年のブランド設立以来、「The Figure : Feminine(その姿、女性的)」をコンセプトに女性の色気や柔らかさ、強さを、身体のラインを美しく引き立てるボディコンシャスなシルエットで提案してきたフェティコ。今シーズンは「The Secrets(秘密)」をテーマに、80年代の力強い女性像と、白昼夢のような掴みどころのないミステリアスな女性像を融合し、“秘密を持った女性の魅力”を表現したコレクションを披露した。デザイナーの舟山は、「SNSなどでは自分をより良く見せようとしたり、いろいろなことをさらけ出したりすることを良しとする風潮があるが、自分自身が惹かれるのは、普段の生活が全く分からないようなちょっと秘密めいたところがある人。誰しもが抱えるそういった部分が魅力的だという感覚があった」と製作の背景にある思いを語る。

 コレクション製作のスタートは、いつもヴィンテージのリサーチから始まるという舟山。今季はパリのヴィンテージショップで見つけた1980年代のテーパードパンツとビスチェを出発点に、当時のデザインに魅了される理由を探る中で出会ったという、1980年代に活躍したアメリカ人スーパーモデルで俳優のヴェロニカ・ウェブ(Veronica Webb)をミューズに据えた。今よりも人種的多様性に乏しかった当時のファッション業界で、アフリカ系アメリカ人として初めて大手化粧品ブランドの広告モデルに起用され、ラグジュアリーブランドのランウェイを歩き、モード誌の表紙を飾った彼女のもつ雰囲気や80sファッションの上品な着こなしが、クリエイションのヒントになったという。

 また、ヴェロニカと併せて今季の着想源になったのが、ピーター・グリーナウェイ(Peter Greenaway)監督による1988年公開のサスペンス映画「数に溺れて(Drowning by Numbers)」。イギリスを舞台に祖母、母、娘の3世代の女性たちがパートナーを溺死させる過程を描いた同作の、淡く儚い空気感や、ミステリアスでノスタルジックな世界観、クラシカルなファッションの要素をコレクションの随所に落とし込んだ。

 今回ショーの舞台となったのは、東京タワーがすぐ側にそびえ立つ「STAR RISE STUDIO」。一面が白いスクリーンとなった空間いっぱいに映し出された水中を思わせる映像とともにショーが幕を開けると、ファーストルックには、フロントに大きな薔薇の花のモチーフをあしらったホワイトのオーガンジー素材のホルターネックトップスに、光沢感と落ち感のあるシンプルなブラックのスカートを纏ったモデルが登場した。続けて、ライムグリーンやライトグレーの透け感のある素材が目を惹く、ロングとミニのフレッシュなドレスルックを披露。1980年代を象徴するボディコンシャスなシルエットを、フェティコらしいギャザー使いが生み出す緩やかなボリュームとともに上品に瑞々しく表現したスタイルが、今季のムードを印象付けた。

 コレクション全体としても、1980年代のスタイルを、フェティコのシグネチャーであるランジェリーディテールや、身体に沿ったパネルやギャザー、背中やデコルテの美しい肌見せといった要素と融合させ、モダンかつフェミニンに昇華。スリップドレスやマキシドレス、背中の開きが美しいショート丈のテーラードジャケットやテーパードパンツ、ギャザーやフリルを繊細にあしらったボディコンシャスなトップスやドレスといったアイテムを、繊細な透け感のあるオーガンジーや、美しい光沢と落ち感のある薄手のジャージー、シワ加工を施し、職人が手捺染で色や柄をのせ優しい風合いに仕上げたキュプラツイル、レザー風のサテン生地など、多様な異素材や質感をミックスして上品に表現した。

 カラーパレットは、ブラックやホワイト、グレー、ブラウンといったベーシックカラーを基調に、1980年代らしい淡いピンクやフレッシュなライムグリーンを差し色としてプラス。モチーフとしては、映画「数に溺れて」から着想を得た薔薇やポルカドットを、装飾や柄として多様なアイテムに散りばめた。

 そのほか、ルックを彩る印象的な小物の数々も登場。スクエアトゥの本革のボディにベルクロストラップと「ヴィブラム(Vibram)」ソールをあしらったブランド初となるスニーカーをはじめ、1980年代らしいウエストマークのスタイルを叶えるベルト付きウエストバッグ、日本のアイウェアブランド「ブラン(BLANC)」とコラボレーションしたオーバル型のアイウェアなど、フェミニンなスタイルに意外性をもたらすアイテムがルックの魅力を引き立てた。

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ブランド「FETICO」について

デザイナーの舟山瑛美が、2020年に設立したウィメンズブランド。身体のラインを美しく強調するボディコンシャスな服は、性的にならないように意識しながら、女性の色気と柔らかさ、強さを品よく引き出してくれる。またすべて国内生産にこだわりコレクションを展開している。

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舟山瑛美

1986年茨城県生まれ。高校卒業後に渡英。帰国後、エスモードジャポン東京校に入学。卒業後にDCブランドや衣装デザイン、大手セレクトショップで経験を積み、「クリスチャンダダ(CHRISTIAN DADA)」のウィメンズデザインを担当。2020年3月にパタンナー高濱温子と共に「フェティコ(FETICO)」を立ち上げる。

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