故ジョルジオ・アルマーニが手掛けた最後のコレクションが、ミラノのブレラ美術館で発表された。長きにわたるファッション界の巨匠の最終章となる「ジョルジオ アルマーニ（GIORGIO ARMANI）」の2026年春夏ウィメンズコレクションは、地中海の島パンテッレリアからインスピレーションを得た美学の集大成となった。

　コレクション全体を貫いたのは、人と衣服が一体となる調和の美学。流れるようにしなやかなシルエットが、パンテッレリアの風に身を委ねるかのように軽やかに動き、まさに「着る人を美しく見せる」というアルマーニ哲学の真髄を表現していた。地中海の風景を映し出すかのような色彩で、穏やかなニュートラルトーンから始まり、深い夜の海を思わせるブルーへと移行し、最後には宝石のような鮮烈な色調で締めくくられた。この色彩の変遷は、パンテッレリアの火山岩と黒い大地、果てしなく広がる蒼い海のコントラストを表現したという。

　伸びやかな仕立てのラインと、空気のように儚い繊細なドレスの数々は、軽やかさの中に力強さを宿すという、アルマーニ特有の逆説的美学を体現。フィナーレでは、アルマーニのエレガンスを長年体現してきた伝説的モデルたちが再び集結した。

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